精神科の看護師はハードルが高いというイメージを持っている人もいますが、働いてみたいと考えている人も多いのではないでしょうか。精神科の看護師として活躍するためのポイントを紹介します。
資格について
精神科看護師になるためには特別な資格が必要なわけではなく、精神科認定看護師となれば話は別ですが、一般的な精神科で働く看護師になるだけなのであれば看護師免許があれば問題なく精神科看護師になることが出来ます。
近年では高齢者が増加しており、認知症患者も増加傾向にあるからこそ精神科看護師のニーズは高くなっており、精神科看護師として活躍することは難しいことではなくなりました。求人も増えており、精神科看護師を募集している求人は精神科での看護経験は問わないというものも多くなっています。
一昔前は一般病棟で経験を積んだ人が採用されるというイメージがありましたが、近年では新卒で精神科看護師として活躍することも増えました。
精神科看護師に向いているタイプ
精神科は一般的な病棟とは異なる部分が多く、中には一度働いてみたものの自分自身が精神的に参ってしまい辞めてしまうというケースもあります。
向いているタイプとしては、精神的にタフだったり気長に根気よく患者さんに向き合える人や、観察力があって人とコミュニケーションを取るのが好きという人が向いていると言えます。精神科の患者さんの中には暴力的な言動をしたり普通では考えられない予想できない行動をする人もいます。
全てを受け止めすぎていると精神的に参ってしまうのは当然のことであり、精神科の看護師として働くのであれば真に受けすぎず割り切れる性格の人が向いているのではないでしょうか。
もちろんだからと言って患者さんを蔑ろにしてはいけないので、患者さんに根気強く気長に向き合えるのかという点も重要なポイントです。精神科の患者さんの中には自分自身の症状や心情を言葉で上手く伝えることかできない人も多いので、観察力が求められるのはもちろんのこと、コミュニケーション能力は必須です。
精神科の看護師に向いていないタイプ
看護技術の習得やりがいを感じていたり先進医療に携わりたい人は、精神科の業務にやりがいを感じることができない傾向にあるので向いているとは言えません。
それだけではなく患者さんの言動を気にしすぎる人や、他人とコミュニケーションを取ることが苦手なタイプは向いていないのではないでしょうか。
の患者さんは意思疎通がうまく取れないケースも多いからこそ、そのことに悩んでしまい看護師側が精神的に参ってしまうことにもつながります。
求人のチェックポイント
精神科の看護師として長く働きたいと考えるのであれば、求人は細かな部分までチェックしておく必要があります。
勤務体制や給与といった基本はもちろんのこと、病院の規模や看護師の人数も重要です。病院の規模に見合っている人数の看護師がいないとなれば、一人当たりの負担が大きくなるので余裕を持って働くことができなくなってしまうので気をつけましょう。
それ以外にも精神科には急性期、慢性期などの種別だったり、力を入れている疾患もクリニックによる違いがあります。
転職や就職サイトに登録するなど、サポートを受けるのも一つの方法と言えます。
コミュニケーション能力の高さが求められる
精神科はその他の診療科と比較すると医療行為が少ないのが特徴の一つであり、看護師には心のケアやセルフケアといったサポートや患者に寄り添う対応が求めらることになります。
統合失調症や鬱病、強迫性障害や摂食障害や認知症、依存症を始めとした心の病気と呼ばれる疾患が診療の対象となっています。他の診療科に比べると患者さんとのコミュニケーションが、より重要になることは間違いありません。意思の疎通が難しい患者さんや常日頃から何らかの不安を抱えている患者さんも多いです。
他人に対して不信感を抱いている患者さんもおり、そういった人は治療を拒否するケースも珍しくありません。
患者さんにしっかりと治療を受けてもらうためにも信頼してもらうことは重要であり、患者さんとのコミュニケーションは必要不可欠と言えます。
仕事内容
観察や判断、与薬、日常生活のサポートといった内容が基本の仕事内容です。精神疾患を持っている患者さんの中には、自分の体調や心情を言葉にして上手く伝えられない人がいるのはもちろんのこと、中には自覚もできていない患者さんもいたり、治療を拒否したり受けたくないという理由から嘘の申告をする人も少なくありません。
看護師は常日頃から患者さんの様子を観察し、状態を把握して些細な異変を見逃さないことが求められます。異変があればすぐに医師に報告をし適切な治療を行なっていかなくてはなりません。
精神科は薬物治療が主であり、薬の管理や与薬はも当然看護師が行います。薬を拒否する人や過剰摂取をする人などさまざまな患者さんがおり、薬の管理は重要なことは間違いありません。
薬を渡すのみではなく、飲み込んだか最後までしっかり確認しましょう。点滴で与薬する場合には、点滴の針を抜いてしまったり針やチューブで自傷行為をしないのか、他の患者さんに危害を及ぼさないのかなど様々な点に注意を払わなくてはなりません。
医師が診察をする時には同席して、患者さんの言動や表情を観察することも業務の一つです。入院している患者さんならば日頃の生活や言動を観察し、患者さんの訴えや言動の異常を医師に伝えることもあります。
入浴介助やトイレ誘導、歯磨きといった日常生活のサポートや、整髪や買い物の代行、お金の管理などといった様々なサポートを行わなくてはなりません。
患者さんが社会復帰をするためのリハビリにもつながるので、必要以上に介入しすぎることなく患者さんの生活をフォローするイメージで行うことがポイントです。
メリット
精神科で働くことにより患者さん一人ひとりに寄り添うことができ、治療過程も見守ることができやりがいにつながるというのが魅力です。
精神疾患の治療はその他の診療科の疾患に比べると長期間であり、入院患者も退院したらそれで終わりではなく、通院が必要な患者さんも多く中には再度入院する患者さんもいます。
長期間関わりを持つからこそ最初は大変でも信頼関係も生まれて、頼ってもらえる存在になることができます。精神科では緊急入院や急変が発生する場面は多くないので、比較的残業が少なくプライベートを充実させたい人や育児と仕事を両立させたい人にとっても働きやすい職場です。医療処置も少ないので、ブランクがある看護師の復帰先としても良いのではないでしょうか。
デメリット
投薬治療がメインになるさり医療処置を行うことはほとんどなく、看護スキルの習得には繋がりにくいのがデメリットの一つです。最新の医療技術や医療機器に触れる機会も少なく、看護師としてのスキルアップにあまり繋がりません。当然のことですが精神的に不安定な状態の患者さんとコミュニケーションを取るのは簡単なことではなく、意思さんとの疎通ができなかったり暴言を吐かれたり暴れるなど体力的にも精神的にも負担は大きくなります。
給料は他の診療科の看護師とそれほど大きな差はないということも頭に置いておきましょう。緊急のオペや急患が少ないく残業も少ないことや、勤める医療機関による違いもありますが時間外手当がつかないので、残業の多い看護師よりも給料が少ない可能性もあります。
精神科認定看護師や公認心理師だったり、臨床心理士といった資格があれば、資格手当がつくことが多いので給料アップのためには資格取得も一つの方法です。
まとめ
精神科の看護師として働くことにより一般的な病棟とは異なる部分は多くなりますが、向いているタイプの人ならばやりがいを感じながら働いていくことができます。仕事内容やメリット、デメリットまで理解した上で最適な働き先を見つけることが大切であり、給与アップを考えるのであればプラスアルファで資格を取得することも視野に入れましょう。
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