経験経験年数3年未満のオペ室看護師の皆さんは、「経験年数が浅いのに転職できるのかな?」と疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。ここでは、2年弱でオペ室看護師を辞め、転職活動をした私がオペ室看護師の就職・転職事情を解説します。
この記事を読めば、オペ室看護師の転職に有利な履歴書の書き方やアピール方法が分かります!
オペ室看護師の就職事情
1.オペ室看護師とは
オペ室看護師とは、病院のオペ室(手術室)で勤務している看護師のことです。総合病院に勤務している看護師は、大きく病棟勤務、外来勤務、オペ室勤務に分けられます。手術を行っている形成外科クリニックや美容外科クリニックの看護師も、オペ室看護師として区分されることもあります。
病院で行われるすべての診療科の手術を担当するタイプの病院もあれば、診療科ごとに看護師が振り分けられ、脳外科担当、整形外科担当と分けられている場合もあります。
2.オペ室看護師になるには
オペ室看護師になるために、看護師資格以外に特別な資格は必要ありません。最も一般的なオペ室看護師になる方法としては、オペ室勤務がある病院に新卒で入職することです。
新卒時の就職試験では、ほとんどの病院で配属先希望を取ります。その際に「手術室」と書けばほとんどの場合、オペ室に配属されるでしょう。
新卒でオペ室勤務を希望する看護師は少数で、配属希望欄にどの優先順位で「手術室」と書いたとしても、ほとんどオペ室勤務になるはずです。そのくらい、オペ室看護師を志す人は少なく、希少な人材だと言えます。
3.オペ室看護師の仕事
オペ室看護師の仕事は多岐に渡ります。患者さんがオペ室に入室してから退室するまでのすべてのサポートを行います。医師の手術介助を行う器械出し看護師、カルテを書いたり、患者の全身状態に気を配る外回り看護師に分けられます。
一方で看護師の一般的な仕事である点滴や採血をする機会がほとんどないため、基本の看護技術を身に着けられない点で不安を感じる人も多いです。
①器械出し看護師
器械出し看護師は、簡単に言えば医師に手術器械や針糸を渡し、手術のスムーズな進行に尽力します。ただ器械を渡すのではなく、手術の進行を予測して新しい器械を出したり、必要な薬剤を確認して出しておきます。
手術終了前には器械やガーゼの体内への遺残がないかのカウントを行うことも、器械出し看護師の重要な役割です。手術中の医師はピリピリしていることが多いですが、臆せずに必要なコミュニケーションが取れる意思の強さが必要です。
②外回り看護師
外回り看護師の役割は、患者さんの全身状態の観察、褥瘡予防、カルテの記載など多岐に渡ります。局所麻酔の手術では外回り看護師が麻酔の管理も行います。
器械出し看護師や医師から薬剤やガーゼの追加を頼まれたり、使用した薬剤の記録やそれによるバイタルサインの変動の観察をしながらカルテの記載や褥瘡予防のための除圧を実施します。
外回り看護師は段取り良く業務をこなさないと手術が円滑に進まなくなってしまいます。
幅広い業務と広い視野が必要であるため、病院によっては外回り看護師の業務は器械出し業務よりも遅れて始まることがあります。
オペ室看護師の転職事情
1.オペ室しか経験したことがない。転職は可能?
結論として、オペ室看護師しか経験がない場合でも、転職は可能です!オペ室からオペ室の転職も、オペ室から病棟への転職も可能です。
実際に私が転職活動を開始した時も、第二新卒という形で多くの総合病院からオペ室看護師としての募集がありました。3年未満で転職する際、経験年数が少ないことはネックになりますが第二新卒として就職できるメリットもあります。
今回はオペ室からオペ室への転職方法を解説していきます。
2.オペ室看護師としての転職。準備するもの
①履歴書
履歴書は基本的に自分で用意します。スーパーやコンビニで購入します。転職サイトに登録した場合は、ひな形をくれる場合もあります。趣味や特技を書く欄には、自身の好きなことを書きましょう。面接時にアイスブレイクに使われることがあります。
好きだったとしても、「ギャンブル」や「飲酒」などと記載するのはイメージダウンにつながるため避けましょう。
②ポートフォリオ(自己PR)
ポートフォリオは自分が何を学んできたか、何が出来るかを記載したシートです。病院によっては提出不要な場所もありますが、自分の強みを整理するためにも書いてみましょう。
③スーツ
就職試験時のスーツで構いません。スカートでもパンツでも良いでしょう。派手なシャツや短すぎるスカート、ヒールの高すぎるパンプスは避けましょう。
カバンも黒で統一すると無難ですが、その限りではありません。華美でなければ黒以外でも構いません。
3.面接でのアピール方法
面接では、転職理由と自分の強み、どうして転職先の病院がいいのか、という点は必ず聞かれます。この3つは十分に対策をしましょう。
転職理由はポジティブなものを答えましょう。実際には「人間関係が悪かった」「サービス残業がつらい」などだったとしても、「ステップアップ」や「多くの症例を学びたい」などポジティブな理由を考えましょう。
自分の強みは、性格的な長所や今までのオペ室業務で学んできたことを話しましょう。第二新卒といえど経験者ですから、病院側はある程度即戦力になってくれることを期待しています。「器械出し業務は〇〇科以外すべて経験している」、「ダヴィンチ手術の経験がある」など働いている様子を具体的に想像できる内容を盛り込みましょう。
4.ポートフォリオ(自己PR)の書き方
現在の病院の概要、病床数、特徴を記載した後、自分の所属部署の看護師の人数や手術室の数、オペ件数、オペを行う診療科を記載します。
診療科の係をしていた場合はその係と仕事内容、新人指導の経験があればその内容は大きな強みになるので必ず記載しましょう。
プリセプター業務をした経験がなくても、新人看護師と一緒にオペに入ったり、相談事をされた場合は指導経験としてその内容を記載すると良いでしょう。
経験したオペの種類も余すことなく記載します。診療科ごと、またダヴィンチ手術や火の鳥の手術の経験もあれば記載しておきましょう。
器械出し看護師、外回り看護師で経験の差がある場合は、どちらに特化しているかも記載しましょう。病院によっては転職直後は慣れているほうの役割で仕事をさせてくれる場合もあります。
5.オペ室看護師のおすすめの転職先
①オペ室
まずは再びオペ室ですね。一番転職しやすいのはオペ室です。もともといた病院から少し規模の小さい病院に転職する方法が特に転職しやすいでしょう。病院によってどの診療科のオペが多いかは偏りのある場合もあるため、自分が得意な診療科のオペが多い病院を探すのも手です。
②美容クリニック
若い看護師に人気なのは美容クリニックです。美容整形も行っているクリニックではオペ室経験があると重宝されますが、美容看護師は現在非常に競争率が高く経験年数が短いと転職活動は少し難易度が上がります。しかし転職できる可能性は十分にあるので、複数の求人をチェックしておくことが重要です。
③病棟
内科病棟、外科病棟共に転職することは可能です。オペ室看護師から病棟に転職する際には、看護技術が身についていないことが弱点です。
しかし第二新卒としての強みを生かし、一から勉強したいという意欲を見せれば転職が困難ということはありません。オペ室を経験していることで得た、解剖やオペの知識、手術前後のリスクに関する知識があることは、病棟勤務でも強みになるはずです。
④外来・クリニック
病院の外来やクリニックで働くという選択肢もあります。夜勤がないという点で魅力的に感じる人もたくさんいるのではないでしょうか。
外来やクリニックは患者さんの回転率も重視されるため、そこで看護技術を一から学ぶのは現実的ではありません。したがって、オペ室しか経験がなく看護技術に不安のある看護師さんは外来・クリニックにすぐに転職することは難しいかもしれません。
⑤老人ホーム
老人ホームも看護師の転職先として人気があります。老人ホームは看護技術がほとんど必要ない場所があったり、必要だったとしても外来やクリニックよりもゆっくりと身に着けることができます。
しかし若い看護師の転職先としては「もったいない」と言われることがあります。その理由は、若いうちに病棟や外来でいろいろな疾患を勉強したり、ばりばり働いたりできるのでは?という理由です。
まとめ
オペ室看護師は、看護師の中でも特に専門性が高い分野です。今まで学んできた高い専門性のある知識を効果的にアピールして転職活動を行えば、必ず良い就職先が見つかるはずです!
転職活動は準備が重要!履歴書、ポートフォリオ、面接準備をしっかりとして希望の転職先をつかみ取りましょう!
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