働く場所は病院以外に福祉分野と言う選択肢も魅力的

看護師が働いている場所は病院をイメージされる方は多いでしょう。実際に看護学校卒業後に最初に就職しキャリアをスタートさせるのは病院です。ですが病院以外にもニーズが高いのがこの資格であり、誰もが病院勤務を続けられるわけではありません。奉仕の精神は素晴らしい事ですが、自分の時間、人生を豊かにする事も大切です。老人福祉分野は、看護師と言う激務のイメージを払拭してくれる価値がある働き場所ではないでしょうか。

・看護師の働く場所は病院だけではない

看護学校を卒業して最初に働く場所は病院である方は多く、ほぼ卒業生は当たり前の様に病院で働きます。医療系の資格は学歴ではなく資格と経験が重要となります。病院では当然配属される科が多種多様ですが、看護師としての基本的な業務内容を修得できる場所として認知されており、病院経験がない方は逆に経験が疑問視される業界でもあります。多くの方がイメージされている看護業務は病院勤務の業務であり、当たり前の様に病院で道を選ぶでしょう。
しかし働く先である病院の大半は入院施設なので夜勤があったり日勤時の患者対応数が非常に多く、業務は一般社会で言われている様に切迫した現状です。その為、日常生活に支障をきたす方も多く、ライフワークバランスを整える事は非常に難しい仕事ではあります。その分大いにやりがいを感じられますし、給料面でも男女共に国内労働者の平均給料よりも多く頂けます。ですが人生において社会に尽くす事だけが幸せではなく、自身の心身を犠牲にする生き方が美しいとは限りません。奉仕の精神は何も病院だからや、ニーズが高い場所だから満足できるものではありません。看護師の業務はどこでもやりがいがあります。もし病院だけが働く場所と考えているのならば、それだけではなく、場所によって得られるものは異なり、自分の時間や体を酷使せず看護師としての使命を全うできる働き場所がある事は知っておく事は大切です。

・老人福祉分野はライフワークバランスが良く人気な分野

看護師の資格は場所によっては設置義務資格とされており、老人福祉分野では居ないと事業を続けられない事が大半です。自身のプライベートを大切にされたい方に適している現在では人気の分野が老人福祉分野です。
この分野は介護保険ができた2000年以降より、全国で多数できたデイサービスや老人施設が求められている場所です。一昔前は結婚退職して復職する際に家庭との両立の為に就職される方が多い分野でしたが、現在は病院からの転職者も多いです。バリバリの現役看護師からも注目されているのですが、その背景には業務負担が軽く労働時間が安定してる事が挙げられます。
デイサービスの場合は９：００～１７：００が多く、残業する事はほとんどありません。病院では早出や準夜勤、夜勤に遅番など名称や時間帯は病院ごとに異なりますが勤務時間・出勤時間は毎日バラバラです。しかしデイサービスでは時間は固定であり、毎日同じ時間に出勤し、退勤していきますので生活リズムが作りやすいです。こうした背景から福祉分野への転職価値が高く人気となっています。

・実際に福祉分野への転職はどの様なメリットがあるのか

デイサービスを例に挙げましたが、住宅型老人ホームや介護付き有料老人ホームなども転職メリットは多くあります。勤務時間が安定しているデイサービスですが、給料面でも優遇されており、病院勤務時よりも夜勤分が減る位で基本給はそう大きく違いがあるわけではありません。いないと運営できないので例えパートでも時給はよいです。夜勤がないので続けやすく、日曜日もしくは土日共に休みである事業所も非常に多いです。労働時間・勤務時間が安定しており、夜勤もなく主に平日業務である事でプライベートの時間もゆっくり取れます。また、デイサービスでは身体看護の業務はほぼなく、介護士さんが担ってくれます。身体的にご利用者の介護をする事はなく、軽介助位になります。
デイサービスとは異なり、住宅型有料老人ホームや老人保健施設、介護付き有料老人ホームでは少し病院と似た様な労働環境にはなります。施設により夜間看護師常駐しているので、夜勤がある所はあります。また早出や日勤、遅出といった勤務形態もあり病院と似ています。しかし残業はほとんどなく、夜間も介護士さんが介護を中心的にしてくれるので、看護師は言わば緊急時対応が主となります。夜勤は病院の様になんでもかんでも看護師が対応するわけではなく、負担の多い介助・介護・ナースコール対応はメイン業務とはならないのです。夜間働くので生活リズムがデイサービスなどより安定はしませんが、病院より業務内容は軽く手当も出ます。
休みも安定して多いのも特徴で、急な出勤をする事はほとんどありません。

・実際に福祉分野では看護師はどの様な業務を行う事になるのか

デイサービスでは業務的には他のデイサービススタッフさんと同様の業務を行い、その中で看護師有資格者しかしてはいけない事や資格上頼られる業務を行う事になります。例えば送迎対応や入浴支援、運動指導や健康相談などが挙げられます。来られた利用者のバイタル測定や機能訓練の指導を行ったりもします。デイサービスは現在では非常に多種多様あり、理学療法士や作業療法士の様なリハビリスタッフが常勤している場所もあります。いない所では運動指導やプログラムを作成し、リハ職がいるところではその補助や医療面のサポートとなります。また緊急時の対応や病院付き添いは看護師が行う事になります。
福祉施設では入居者の薬の仕分けや施術、健康管理を主として行います。これは病棟看護師とほぼ同じ業務となりますが、身体介護を看護師が行う機会は病院より極端に少ないのが特徴です。介護スタッフさんがメインで居てくれるので、介護関連は任せられます。薬や食事量等健康管理や通院管理、往診時の医師の対応や協力医療機関との連携・調整が主となります。
調整仕事も相談員がいる施設にはいるので、なんでも看護師がメインで行わなくても大丈夫です。

・福祉分野にある訪問看護はより医療色が強い

福祉分野では訪問看護もあります。医療保険以外に介護保険でも利用が可能です。主に医師の指示に沿って対象者宅に訪問し、指示された内容の上で看護を行います。健康確認や薬の確認、療養上の相談に医療機関やケアマネージャーさんとの連携、医療的な処置が主な業務として挙げられます。基本的に看護師のみで訪問し、医療的な課題がある方の対応を行うので、病院の業務の様な医療色は強いです。
勤務時間は事業所毎とに決められており、基本的に日勤帯で業務は終了します。働く場所は訪問看護ステーションで、昨今では地域医療の頼りとされている機関なので、依頼は多く1日6件以上は訪問していく事になります。看取りも重要で訪問看護ステーションとして果たすべき責務です。夜間急変時にも対応できる様に、事務所には詰めませんが持ち回りで携帯を持って帰ります。
訪問看護ステーションは国や地域より非常にニーズが高く、看護師としてのやりがいや頼られがいがあり、訪問型の仕事なので開放的な業務形態より陰湿な人間関係の悩みなどからも解放されています。

・福祉分野に行くなら知っておいた方が良い事

福祉分野の看護師のニーズは高く、どこも主戦力として頼られる事になります。給料面は夜勤がなかったり手当が少し下がる事から、病院時より下がる場合もあります。ですがその分精神的にも身体的にも楽になりますし、多くの人を捌く様な、時間と業務と人に追われる事はなくなります。自分の生活リズムを作りやすく、プライベートを充実させる時間的余裕も生まれます。
その分野行く場合は、基本的には看護師として病院勤務してきたり、学校で習った事、実習で学んだ事で十分ではあります。ただ介護保険関連やリハビリ、運動機能関連の知識は補充しておく事は必要です。医療分野から福祉分野に移るので、メインとなる仕組みや対応方法など病院や医療職としての考え方一辺倒では通用しませんし軋轢を生む結果になります。

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