看護師にとって欠かせないのがアセスメントであり、避けては通れませんが若手はもちろんベテラン看護師でもアセスメントに苦手意識を持つ人も多いです。しかしアセスメントは看護過程において重要であり、ここでは上手くなるためのコツを紹介しています。
看護師とは切っても切れない関係となるのがアセスメントであり、アセスメントは情報収集と分析、そして統合を意味しています。看護師のアセスメントは実際には看護診断をして計画、実施そして評価を一つにまとめてアセスメントとして考えている看護師が多いです。
アセスメントと看護診断を関連づけて捉えている場合には、情報の分析や統合により問題を明確化しても、これにより導き出される診断ができないとアセスメントが浅いと判断されてしまう可能性もあります。先輩看護師にアセスメントでダメ出しをされて凹んでしまうケースは珍しくありませんが、そもそもアセスメントの定義をはっきりさせていないといつまで経っても望んでいる結果にはならないので気をつけましょう。アセスメントの定義とは何かが人により違えば、いくら自分にとっては最適なアセスメントであっても相手の意向に沿ったものにはならないので、いくら頑張ってもアセスメントが浅いと言われてしまうことになるので、まずはアセスメントの定義を共有するようにしましょう。
丁寧に行うという言葉にしてもその丁寧さの度合いは人により異なり、数字にして現れる物ではないことから食い違いが生まれてしまうように、アセスメントに関してもどのように考えているかによる差は必ず生まれます。自分はアセスメントをこう捉えて考えているけれど、あなたはどう捉えて考えているのかということをはっきり確認しておくことも、意思疎通をして看護師や医師とみんなで協力していく上では重要なポイントになってくるのではないでしょうか。相手はどのように捉えているのかを最初に聞いておくことが必要です。よりはっきりとさせるためにも幾つか事例を挙げて話をすることで、相手の考えているアセスメントの捉え方や考えを知ることができ、認識の食い違いを防ぐことができるようになります。
アセスメントが上手くいかなかったりどうしても苦手という意識が強い場合には、先輩看護師のアセスメントを参考にするという人も多いのではないでしょうか。アセスメントを得意としている人を参考にするのは良いことであり、看護問題に対する考え方だったり、客観的情報を収集するポイントを理解することができるというメリットがあります。前回の記録があれば、以前の患者さんの状態と現在の患者さんの状態を比較することができるのでよりアセスメントしやすくなることは間違いありません。看護問題に対する評価をする際にも時系列で確認できることによって、よりアセスメントが細かく実施できるようになり新たなニーズがわかるのも利点です。
ですがもちろんメリットばかりというわけではなく、気をつけなくてはならない点もあります。先輩看護師の記録を参照することにより同様の視点からの看護記録になるので、視野が狭い評価につながってしまいがちです。突発的な新しい問題が発生した際に、記録に残りにくくなってしまったり問題の対応で戸惑ってしまうことにもなりかねません。アセスメントには自分の癖が出やすいので、アセスメントが苦手と感じている人は自分の癖を知るためにも身近な存在であるアセスメントが得意な先輩を参考にすることが多くなるのは当然のことと言えます。しかし新人看護師が先輩看護師の記録を参考にすることにより、自分の看護観やアセスメント能力だったり、看護記録を書く力が育ちにくくなってしまう可能性があるということも頭に置いておくようにしましょう。教科書の関連図といった資料を先に見てしまい、起こりうるすべての可能性を理解し把握しておこうとしがちですが、実際に起きている患者の現象から何が推測されるのかを関連付けるほうが結果的により現場に即した対応をしやすくなることが大半です。
一般的なアセスメントの順番としては、まず情報収集を行い分析や統合をし、その後看護診断となっていますが、まずは診断を自分の中で仮定して診断に至るために必要な情報収集をしていき、再度統合や看護診断の確定をするの一つの方法となっています。アセスメントの目的やゴールというのは看護師の職場によって違いがあるということも、しっかり理解しておかなくてはなりません。アセスメントを実施する前にはまず、何のために必要な過程なのかを明確化するようにし、目的やゴールの達成に必要な情報を収集していくようにしましょう。
アセスメントの目的は必要なケアを特定すること渡韓声がちですが、職場によってはそれがアセスメントの目的ではないケースもあります。訪問看護ステーションの場合には、利用者が在宅生活を継続できるかや医師の診察は必要かなのかといった判断が必要であり、アセスメントの目的となります。アセスメントを上達せるためには、まずは現場で起こりうる症状や病態に対して考えられる要因と観察項目を把握していくことを学んだ上で、徐々に知識を増やしていくようにしましょう。
医療従事者の中でも看護師は患者さんと接する機会が最も多くなるケースが多く、患者さんにとって最も身近な医療従事者となる場合が大半です。医師にはなかなか話せないことでも、看護師相手なら話せるという患者さんも多いのではないでしょうか。だからこそ患者さんの情報収集の際にも患者さんとのコミュニケーションはかなり重要であり、コミュニケーション能力の高さが求められることになります。当然のことですが患者さんとうまくコミュニケーションを取るためには信頼してもらうことが重要であり、信頼していない人に心を開いて話をしてくれる人はほとんどいません。患者さんから信頼してもらうためも医療や看護を的確に行うことはもちろんのこと、それだけではなく患者さんに寄り添うスタイルがポイントとなってきます。笑顔で接したり話しやすい雰囲気を作り、患者さんが寄り添ってもらえていると感じてくれることで徐々に心を開いてもらえるのではないでしょうか。
患者さんの変化に気が付くためにもバイタルサインの正常値や異常値、使用している薬やその副作用だったり、疾患の症状を知っている必要があります。知識をもとにして患者さんの身体全体を観察し判断することになるので観察力を養っていくことが必要不可欠となってきます。より安全に患者さんの健康管理をして、状態悪化を回避することに繋がっていきます。
アセスメントが苦手な人でも新人で先輩や周囲に相談できたり、アドバイスをもらえる時には良いですが周囲には最適な人がいないとなれば、一人で悩んでしまいがちです。しかしアセスメントは癖が出やすいからこそ一人で悩んでいても解決につながらないこともあります。そんな時にはセミナーなどに参加してみるのも一つの手段です。他人のアセスメントを参考にしたり、自分とは全く異なる視点の意見を聞くことによってアセスメントに対する苦手意識が軽減したり、新たな可能性を見出せるケースも珍しくありません。
まとめ
アセスメントは看護師にとって重要であり、アセスメントに対する苦手意識を克服するためには先輩を参考にしたりアドバイスをもらうことはもちろん良いですが、それだけではなく自分の力で頑張ってみることでアセスメント力を育てることにも繋がっていきます。アセスメントの目的もそれぞれですが、患者さんとのコミュニケーションが重要になることは間違いありません。
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