新卒で精神科看護師になった私が新卒で精神科看護師になりたい人に伝えたいこと

会員登録 ログイン
メニュー
#2487 2024/03/02UP
新卒で精神科看護師になった私が新卒で精神科看護師になりたい人に伝えたいこと
更新情報を受け取る mail このエントリーをはてなブックマークに追加
mail

学生の皆さんはどうやって就職先や希望の配属先を決めましたか?実習をする中で興味を持った分野、将来の目標に向けて学びたい分野、周囲に進められた分野など様々な基準で就職先を決めたことと思います。看護師はフィジカルアセスメントができなければいけない。その為にはまずは身体科で学ぶべきといわれることが多いですが、私が新卒で精神科に就職して実際に感じたことをお伝えします。

そろそろ看護師国家試験の時期ですね。毎年バレンタインの頃に実施される国師、浮かれている場合ではない学生の皆さん達いかがお過ごしでしょうか。すでに就職先が決まっている方も多いでしょう。中には新卒で精神科を選択した方もいるのではないでしょうか。循環器や救急、ICUのような花形ではありませんが、メンタルヘルスが重要視されている昨今では精神科に注目する学生さんもいるかと思います。
そこで、今回は新卒で精神科看護師を目指す人向けの情報をお伝えしたいと思います。
まず最初に新卒で精神科看護師になる方法ですが、とりあえず精神科病院や精神科病棟に就職することです。総合病院や大学病院に就職する場合は配属先の希望が通らないこともあるので、精神科単科の病院に絞ることが間違いなく精神科看護師になれる方法です。
精神科単科の病院に就職した場合、精神科特有の病態や看護を学ぶことができます。統合失調症、躁うつ病、認知症、発達障害、不安神経症、各種依存症など。
実務経験が5年以上になれば精神科認定看護師や専門看護師、認知症専門看護師なんかも目指せます。実際に私の働いていた病院でも専門看護師や認定看護師資格を取得する人がいましたよ。

●精神科で身につく看護技術

精神科では看護技術は身につきにくいと言われることが多いですよね。それが心配で新卒から精神科看護師を目指す人が少ないのかもしれません。
しかし、近年は高齢化の波もあり認知症の患者さんが増えています。という事は、基礎疾患を抱えた高齢患者さんが多いという事です。
また、急性期病棟に配属となった場合は、急性期症状が落ち着くまでは全身管理が必要な患者さんも多く気が抜けないことも多いです。ICUや救急科のような難しい医療機器の操作はありませんが、精神科看護師といえども傾聴や生活支援だけでなく採血や点滴、尿道カテーテルの留置、経管栄養、血糖管理、褥瘡処置、排泄介助などのスキルは十分身につきます。
もちろん内科や外科に比べれば頻度は少ないですが、精神科だから技術が身につかないということはありません。
看護技術が身につくかどうかはその人次第です。精神科だし看護技術は覚えなくていいやと考え積極的に看護技術に関わっていかなければ上達はしません。
また、看護技術が苦手だから精神科に行こうと考えても高齢化社会の今、ある程度看護技術の習得は必要になることが多いです。苦手ながらも逃げすに向き合うことができれば患者さんのためにも自身のためにもなると思います。
頑張って下さい。きっと大丈夫です。

●精神科特有の看護

精神疾患の急性期では幻覚や妄想、認知機能障害によって患者さんと意思疎通が取れないことも多く対応に窮してしまうこともあります。
精神科看護師は患者さんが妄想や幻覚が原因でどのように生活に支障が出ているのか、どんな気持ちでいるのかを想像し寄り添います。意思疎通が取れないときこそ、患者さんの微妙な変化に気づけるよう日々の観察が大切になります。
また、質問方法を工夫したり、声掛けのタイミングやトーンを変えてみたり、一人一人に合わせたコミュニケーションの工夫が大切です。
しかし、思わぬ暴言や暴力に合うこともあり看護師自身の感情コントロールが難しくなることもあります。そんな時、素直に周囲に助けを求められることも必要なスキルです。
こんなことを書くと怖いと感じてしまう人もいるかもしれませんが、幻覚も妄想も疾患からくる症状です。治療によって症状が落ち着き、一緒にオセロやレクリエーションができるようになった患者さんを見ると嬉しい気持ちになり、やりがいにつながります。
精神科では、普段の生活では出会わないような人々と出会います。
幻覚妄想など看護師には想像することしかできない症状に悩まされている人が多いことに驚くこともあります。
先入観を持たず、自身の感情コントロールをして細かく観察することで治療に役立つ情報が得られることもあります。大変ですが周囲を頼りながら一人で抱え込まずに頑張ってください。

●薬物療法

精神科では薬物療法がメインになるので精神科薬の知識も必要になります。どんどん新しい薬も出てくるので知識のアップデートは欠かせません。
まずは精神科で主に使われる薬をピックアップして、自分なりに表にまとめてみるのもいいですね。
はじめはわからなくても、少しずつ分かるようになっていきます。精神科の看護師は優しい人が多いので先輩看護師が怖くて聞けないというようなことは少ないです。ですので、わからないことは積極的に聞いてみるのもいいと思います。
薬物療法を学ぶことで患者さんの状態が見えてくることがあります。
また、精神科の薬を使用することに抵抗感や不安感をもつ患者さんもいます。そんな時、正しい薬の知識を持ち、説明やアドバイスができれば患者さんに安心と信頼を与えることができます。また、薬の効果や副反応、効果発現時期や半減期を知ることで内服前後の患者さんの変化や使用している薬が患者さんに会っているのかなどのアセスメントにもつながります。
勉強しておくととても役立ちますのでお勧めです。
また、薬物療法のほかに認知行動療法やMSEなど精神科ならではの療法やアセスメント技術もあるので調べてみるのもよいでしょう。

※精神科に向いている人

看護師に限らずですが、素直に一生懸命に、これが大切です。人それぞれ、キャラクターがあるので自身のキャラクターを活かした看護ができると精神科看護は楽しくなってきます。すべての人に対して「いい看護師さん」でいようとしなくてもいいのです。もちろん穏やかでいることは大切ですが、喜怒哀楽すべての感情を取り扱うのが精神科看護でもあると思います。
自分がつらかった時、苦しかった時、怒った時、嬉しかった時を思い出して、患者さんが怒っているのは何故だろう?泣いているのは何故だろう?いまどんな気持ちなのだろう?声をかけるのか、見守るのか、薬は必要なのか。症状とそこからくる感情をアセスメントするためにはたくさんの感情を経験することが大切になってくると感じます。
学生時代に実習で壁にぶつかった経験が活きてくることもあると思います。うまくいかなかったことからの学びが看護につながるのです。
楽観的でやや鈍感な人は向いているかもしれません。患者さんからの思わぬ暴言に陰性感情が強くなってしまうとしばらくベッドサイドに行けなくなることもありますから。無関心や無神経とは違いますがある程度鈍感であることも才能かもしれません。
また、前述しましたが実習でたくさん悩んだり困ったり、もう辞めたいと悩んだ人も向いているかもしれません。苦しくつらい経験から感じた感情が相手を思いやる気持ちになることがあるからです。そういった意味では社会人経験のある方も向いていると言えるでしょう。
精神科では自分自身が看護の道具となります。時には辛くて逃げたくなることもあるかもしれません。そんな時は素直に逃げましょう。そして元気を取り戻したらまた患者さんのベッドサイドに戻ればいいのです。看護師らしくあることも必要かもしれませんが、看護師が一人の人間として自分を大切にしながら患者さんと関わることができればいいなと感じます。
ベテランになってくると惰性で仕事をしたり、慣れすぎて見えなくなってくることもあります。新卒だからこそ先入観を持たずに患者さんと関係が築けることも多いのです。新卒ならではの初々しさと素直さと一生懸命さがきっと患者さんに伝わるのだと思います。

まとめ

新卒で精神科看護師になるためにはという視点で記事を書いてきましたが、いかがだったでしょうか。
1,精神科で看護技術が身につかないという考えにとらわれないこと
2,精神科特有の看護を知ること
3,薬の知識を学ぶこと
理想と現実は違うことも多いですが、できることからコツコツと心身の健康に留意しながら長く看護師を続けていけるといいですね。
新卒で精神科を選択することは看護師のキャリアとして不利日働くことはありません。高齢者が増えている今、不穏やせん妄の看護ができると在宅や施設看護でも強みになりますよ。自信をもって自分の選んだ道を歩んでください。応援しています。

こんな記事/動画も見られています

 

こちらの本が読まれています

意見をメールする 更新情報を受け取る

バックナンバー

 

【看護師お役立ちコラム】への応募・問合わせ

名前【必須】
電話番号
Eメール【必須】
Eメール(確認)【必須】
問合わせ・応募内容
【必須】

 

Facebook Twitter email
看護師の転職・求人。病院を動画で確認!ミスマッチを防ぎます Pagetop