認定看護師資格の審査を受けるためには、 ①看護師の資格を保有していること ②看護師免許取得後、実務経験が通算5年以上あること ③認定看護師教育機関での課程を修了していること が必要となります。資格を取得するためには、半年以上通学することが必要となります。資格取得後も5年ごとに更新が必要となるため認定看護師を目指す際には先を見据え、しっかりと計画を立てていくことが重要となります。
私が認定看護師資格を取得した時の経験を元に、認定看護師の資格を取得するまでの流れと、取得後のどのように更新していくかの方法についてお伝えしようと思います。 まず、認定看護師の審査を受けるためには、いくつか条件があります。 ①看護師の資格を保有していること ②看護師免許取得後、実務経験が通算5年以上あること そのうち3年以上は認定看護分野での実務経験が必要 ③認定看護師教育機関での課程を修了していること 修了期間は6ヶ月以上で、学習時間は615時間以上 ①の看護師の資格を保有については取得されている事を前提として省きます。 ②の実務経験についてですが、認定資格は現在21分野(2026年度に19分野へ統合予定)あり、それぞれの分野での実務経験が必要です。様々な分野がありますが、5年以上看護師として継続した勤務を行っていれば、おおむね取得できます。ただし、ご自身で取得したい分野があるのであれば、就職時や勤務変更を行う必要があります。加えて、現在は特定行為の取得が前提となっている分野(褥瘡など)もあり、もし認定看護師目指しているのであれば、どの分野を取得するのかは十分に検討することが必要です。 つぎに③認定看護師教育機関での受講について述べます。 まず、認定看護師の教育課程を受講するに当たっては試験が必要です。私の場合は5事例ほど専門分野の事例を提出した上で、簡単な資格試験を受けました。試験内容はその分野に関しての一般的な知識を確認する内容だったため特別な事は必要ないと思います。試験の難易度は多くの分野で共通しているようです。不安があるのならば、看護学校で学んだ内容で良いので学び直した方が良いかもしれません。 また、教育課程を取得できる機関は限られています。認定看護教育機関は全国に約100か所ありますが、全ての学校で全ての分野が開講されているわけではありません。褥瘡や感染管理などは比較的多くの機関で対応していますが、国内で1つのみという分野もあります。将来的にオンライン研修などが整備されていく可能性もありますが、多くの場合は、教育課程を受講する6ヶ月間、県外で生活する必要がでてきます。私自身は病院から補助を受けながら取得する事ができましたが、同期の中には仕事を辞めて受講する方もいましたし、その方は受講費用なども自費で負担を行っていましいた。研修の間、どのようにして生活していくのかは自身と所属する医療機関で相談が必要となります。認定看護師の資格取得を目指す際には注意しましょう。 続いて、教育課程に受かった後、どのような講義が行われ、どのような認定試験が行われたか、そしてどのようにして更新していくのかについてお伝えしようと思います。 ① 認定審査(筆記試験) ②認定看護師認定証交付・登録 ③ 5年ごとに更新 (看護実践と自己研鑽の実績について書類審査) まず①の認定審査までの流れについてです。 講義は各分野専門の専門家、認定看護師や専門医が行います。難易度に関しては、それぞれの分野において開かれている学会を参考にすると良いと思います。それぞれの認定看護師が多く参加している学会を参考にしましょう。学会では教育講演が開かれているはずです。教育講演では看護学校より専門的な内容の入り口程度の難易度の講義をしているかと思います。始めて参加した際は何を話しているのか理解できない事もあるかもしれませんが、ご自身で興味のある事だけで良いので、一度調べてみると大体の難易度がわかるかと思います。 試験については、看護協会で過去1年分の過去問が公開されているため、そちらを参考にするのが良いと思います。ダウンロードすることが可能なので、設問の解答だけでなく、設問、解答、周囲の知識を勉強することが重要です。また、先輩の認定看護師の方などから確認するのも良いと思います。講義も、全てではないですが、試験の内容を踏まえて行っているものもあります。受講した際に積極的に聞いてみることをおすすめします。 また、参考書としては各種ガイドラインなどをおすすめします。設問はガイドラインを参考としているものも多くあります。また、資格取得後の活動でも、ガイドラインの内容を頭に入れて置くことは無駄にはなりません。ガイドラインは学会が出しているものを選んで使用することをおすすめします。 ②の認定証交付・登録についてです。試験に無事受かった後は、申請が必要となります。看護協会のホームページに手順が記載されているため、そちらを参考にして進めていきましょう。これに関して書類の郵送などが必要になる程度で、それほど難しいことはないかと思います、ただし、登録には20900円必要となりますが、費用負担は自身で行うケースがほとんどで、私自身も自費で行いました。費用が必要となることは覚えて起きましょう。 最後に③の更新についてです。 認定看護師の更新は、5年ごとに行われ、更新の際には審査があります。私も数年前に、5年目として必要な準備を整えすべてを提出しました。 審査の方法は大きく3つあり、1つ目は看護実戦時間です。 5年間で2000時間以上の看護実践時間が必要となります。これは通常の看護師として働いている時間を指しており、2000時間はおおよそ1年強の勤務時間に相当します。資格取得後にどのようにして働くのかは、個々人によってかわるかと思います。一つの施設のみで勤務している方は問題ないかと思いますが、複数の施設で勤務さえた方は、それぞれの施設から証明書を発行してもらう必要があります。書類の作成には時間が必要なため、前もって申請などを行っておくよう注意が必要です。 二つ目は50点以上の自己研鑽実績です。これは年間で50ポイントの研鑽活動を行う必要があります。研鑽活動としては、学会での発表や地域での公演、学会への参加などが挙げられます。どのような研修や学会参加が必要となるのかについては、それぞれの分野で違いがあるため確認が必要です。特定の学会で発表や、自施設での学習会を行った証明が必要となります。資格取得後は、学習会を定期的に開催する事に加え、その際には証明書を発行してもらうよう施設に依頼を行っておきましょう。施設外部で行った際も点数となりますので、自施設・他施設問わず確認・依頼を行うことが必要です。 三つ目は実践の実施報告書です。認定看護師の活動内容を実践と相談・指導の2つの枠組みで記載するレポートを書く必要があります。文字数は1400?1800字で、審査の際には字数が足りないか、オーバーしていないかに注意が必要です。事例をまとめる際にはどのような看護を行ったのか、コンパクトに記述する必要があるため、日頃から学会へ参加するなど、学びをまとめておく習慣が必要となります。私は患者教育の症例でレポートを作成し、審査申請をしました。実践として多く関わったテーマを選ぶのが良いと思います。また、各種書類は看護協会のHPから特定の時期限定でダウンロードできます。COVID-19の感染が蔓延した時期は変更となった事もありましたが、概ね5-6月ごろにダウンロード開始となります。更新の時期などを前もって確認しておくことが必要です。加えて更新の審査を受けるには、審査料として3万8000円が必要です。こちらも登録時の費用と同様に自費となることがほとんどです。各書類の準備費用と共に用意をして起きましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。 認定看護師の審査・更新を行うためにはいくつか条件があります。受講するだけならば5年以上勤務していれば概ね達成できますが、資格取得をするためには半年以上の講義を受ける必要があります。受講できる機関には限りがあり、どの認定分野やどの学校を選ぶのか、通学の計画を立てる際には十分な検討が必要です。また、資格取得後も5年ごとの更新が必要となります。認定看護師の資格取得・更新を行うにはかなりの時間と計画が重要であり、ハードルが高い資格であると言えます。認定看護師資格取得には、それらの手間や費用を払っても行いたいと思う看護を持っていることが何よりも重要だと言えます。
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