看護師の転職活動においては面接は、転職活動の中でも採用結果を左右する重要な要素のひとつです。これまで培ってきた経験やスキルを面接官に伝えるとともに、自分の強みや人間性をアピールできるため、しっかりと準備をして臨みたいところです。今回は、転職やママさん看護師の経験を活かし、就職・転職活動の面接で気を付けるポイントについて詳しく解説します。皆さまの就職・転職活動の参考にしていただけたらと思います。
① 看護師の面接のための事前準備
・就職先の情報収集
就職希望先のクリニックや病院・施設には理念や方針、特徴が必ずあります。これらは最低限把握しましょう。経験上、ほとんどの面接で志望動機を聞かれますので、理念や特徴を絡めて回答することで、「ここで働きたい」という熱意が伝わりやすくなるでしょう。
・面接時の服装・身だしなみ
「人の第一印象は出会って3~5秒の間に決まり、その印象の55%は視覚からの情報が左右される」というデータもあります。表情や動作といった話し方の雰囲気のほか、服装も含まれます。つまり、ほんの数十分の印象が採用・不採用を決める面接では、抜かりのない服装で臨む必要があるということです。看護師は人と接する機会がとても多く、患者様への丁寧な対応ができる人柄や清潔感があるか求められるため第一印象を大切にしていきましょう。学生の就職活動であればリクルートスーツがベストでしょう。ただ、転職の場合にはリクルートスーツではなく落ち着きのあるフォーマルスーツを選択していきましょう。
②面接のポイント
・自己紹介
自己紹介のポイントは、「自分の名前(フルネーム)」「最終学歴」「職務経歴」の3点を必ず含めて簡潔に答えることです。最終学歴と職務経歴は、学校名や病院名を略さずに正式名称で伝えましょう。面接官に好印象を与えるには、自己紹介の最初に面接の場を用意してくれたお礼を伝えたり、志望動機や自分の強みを一言添えたりすることもおすすめです。ただ、志望動機や強みは後々の質問で聞かれることが多いので、長々と語らないようにしましょう。自己紹介の最後は「本日はよろしくお願いいたします」で一旦終えましょう。
大卒の例: 「本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。病院花子と申します。○○大学を3月に卒業予定です。本日はよろしくお願いいたします。」
転職の例:「本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。病院花子と申します。○○大学を卒業後、××病院消化器内科で◯年間勤務しました。今後はがん疼痛認定看護師を目指し知識と経験を深めたいと考え、緩和ケア病棟のある御院を志望いたしました。本日はよろしくお願いいたします。」
・自己アピール
自身の性格や強みを把握するための質問です。「あなたはどのような性格ですか? 」「あなたの強みを教えてください」のように質問される場合があります。自身が思う性格や強み、長所・短所をどのように仕事に活かせるかという点も含めて回答しましょう。転職の場合には、前職での経験やスキルを交えて話すのがおすすめです。「体力がある」「行動力がある」「冷静に行動できる」「コミュニケーション能力が高い」など、どのような看護業務をしてきたのか、どのような場面で活かせるのかアピールポイントを見つけていきましょう。
・志望動機
履歴書に書いてあるので問われないこともありますが、ほとんどの面接で志望動機は聞かれる確率が非常に高いです。ほかのクリニックや病院、施設ではなく、なぜここでなければいけないのか明確な理由を答えましょう。他病院等にも当てはまるような曖昧な内容ではなく、経営方針・規模・看護体制などの特徴を上手に織り交ぜながら伝えていきましょう。
また、自分を採用することで病院側にどのようなメリットがあるのかを添えられるとベストです。ポジティブな印象になる回答を心がけましょう。
・退職理由(転職者の場合)
退職・転職の理由は、確実に聞かれる質問です。これまで転職活動をしてきましたが必ず聞かれました。なぜこの質問をされるのかというと、責任感のある人物か判断し、同じような理由で離職しないかを確認するためです。また、この質問によって、人柄や仕事に対する価値観や思いを把握するためでもあります。
「職場の人間関係が良くなかった」「人手不足のため体力的に辛かった」「残業が多かった」などのネガティブな理由だと、「問題を人のせいにする」「同様の問題が起きたら辞めてしまうかも」と悪い印象を与えかねません。回答のポイントは、ネガティブな内容を避け、ポジティブな表現に変換して伝えることです。ただ転職をするには、それなりの理由があると思います。人間関係においては就職してみなければわからない部分がありますが、人手不足による体力的な問題や残業時間に関しては正直に伝えなければ、転職先でも以前と同様の問題が出てくると思います。そのため、就職先についての事前のリサーチは必要ですが面接時には自身の希望も含めてしっかりと伝えていくことも必要です。
例: 「前職では、総合病院の病棟看護の業務を担当していました。この経験を通じて、基本的な看護師としてのスキルを一通り身につけることができました。今後は、さらにスキルアップをするため、より深い知識とスキルを身につけられる環境に身を置きたいと考えました。前職よりも規模が大きく設備が充実した貴院なら、自分のスキルアップに繋がり、経験を踏まえて新たな業務への挑戦も可能だと思い、転職を決意しました」
③面接官が見ているところ
・態度・表情・コミュニケーションスキル
看護師という職業は、看護師だけでなく医師やリハビリ、栄養士など他職種の医療スタッフと連携して人の命を救ったり、患者様やそのご家族などと関わったりするなど、人と接する機会が多い仕事です。そのため、面接のときには、コミュニケーションを重視するケースも少なくありません。そして、コミュニケーションスキルの中には、人の話を聞いているとき・話しているときの態度や表情も含まれます。
面接の短い時間だけでは「コミュニケーションスキルが秀でて高い」ということは分かりませんが、「社会人としてきちんとした態度で受け答えすることができるか」は言葉遣いや話し方から確認できるでしょう。表情についても同様で、険しい表情・暗い表情はネガティブな印象を与えます。緊張していても明るい表情を意識し、姿勢を正してハキハキと受け答えすることが大切です。
・目を合わせて話ができているか
コミュニケーションスキルの一つとして、目線は十分に意識しましょう。話を聞いているとき、自分が話すときに目線が定まらないと、「この人の話は本当に信じてもよいのか? 」と相手に不安を与えてしまったり、「落ち着きがない」「頼りがいがない」と判断されてしまったりする可能性があります。話を聞くとき、話すときは、しっかりと面接官と目を合わせ、言いたいことがしっかりと相手に伝わっているか確認しながら話を進めるように心がけましょう。
・受け答えがはっきりしているか
看護師の転職面接では人柄を重視して採用可否が決まることも多いため、自分自身の伝えたいことをしっかりと伝えられているかが非常に大事になります。コミュニケーションスキルという点でも、面接中の受け答えははっきりと、端的で明確に回答することを意識しておきたいところです。
また、面接の冒頭ではアイスブレイクのため、面接官がくだけた話し方で接してくることもあります。「相手がそう来たから」と自分もくだけた態度で接するのではなく、丁寧で礼儀正しい受け答えを心がけましょう。
・質問に答えられなかった時
事前にどのような質問をされるのかリサーチ、イメージして質問の受け答えがスムーズにできるように考えていても質問に答えられなかったり、考えてもいなかった質問をされることで答えられない場合もあると思います。その際には、正直に「少し考える時間をいただいてもいいでしょうか?」と伝えてもいいでしょう。緊張していてうまく話せないこともあると思いますが、笑顔で「申し訳ありません、少し緊張をしていまして」と伝えてもいいでしょう。私も転職活動の面接で緊張をしていましたが、上手く答えられない時には上記のように対応したことで落ち着きを取り戻して自分のペースで面接を行えました。
まとめ
看護師の転職活動では、面接が採用を左右するほどじゅうようになってきます。そのため、面接の日程が決まったら事前準備を怠らず、よくある質問に対しては回答を用意しイメージしておきましょう。あらかじめ準備することで、自分がアピールしたい部分を上手く伝えられるようにしていきましょう。
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