患者さんが入院した時に、ほとんどの入院時間をベッドの上で過ごすことになります。そしてその時、ベッド周囲で転倒してしまうことも少なくありません。ここでは、そのベッド周囲の転倒事故はどんなことで起きるのかアセスメントします。
・ベッドの高さを考える
入院をしている患者さんの場合は、ベッドの上で生活しています。私たちはいろいろなところにいくことができるのですが、患者さんの場合はそうはいきません。そのことから、ベッドでの生活を安全にすることが大切です。
そしてそれは、なんといってもそこからの転落を防ぐことが大切です。転落を防ぐために、まず行うこととしてベッドの高さが有ります。ベッドを使いやすいように、その患者さんの高さに調節するようにします。
ベッドというのは、高さを調節することができるので患者さん自身が行うことも有ります。しかしそれはとても危険なことなので、調整できる機器を触らないように説明しておきましょう。
・ベッドで寝ている時
入院をしている患者さんの場合は、ベッドで寝ている時間が長くなります。そのことからベッドから起き上がる時に、必要以上に注意が必要なのです。それは、急に起き上がった時にフラツキなどが起きることがあるからです。ずっと寝ていると、血圧の変動等のより頭がくらくらする事が有ります。
ベッドで寝ていて起き上がる際には、できるだけゆっくり起き上がることを指導するようにします。実際に転倒するのは、ベッドサイドでふらついてこけてしまったということも有ります。ふらついたときには、そのまま倒れてしまうととても危険です。そのことに留意して指導を行うようにします。
・靴について
入院をしている患者さんの場合は、ベッドから降りた時にどんな履物がいいのでしょうか。少し前までは、その履物としてスリッパが一般的でした。スリッパというのは、さっと履けるので入院をしている時に使うことが多いのです。
ところが最近では、スリッパを禁止している病院が多くなっています。
そのスリッパを禁止しているのは、やっぱり転倒する確率が高くなるからです。転倒してしまう原因としては、踵になる部分がないのでそれをはいた時に歩いているとつまずきやすくなるのです。その結果、スリッパを禁止するところが多くなりました。
ベッドから降りた時に使う靴としては、履きやすいものでさっとはくことができて、かかとのある靴をおすすめしています。
・ベッド上でものをとる時
入院をしている患者さんの場合は、ベッドから離れる時に注意が必要です。しかしそれだけではなく、ベッドの上にいる場合も注意が必要となります。その注意というのは、なんといってもベッドの上にいながらそのままものをとる時なのです。
患者さんの場合は、ベッドの上にいろいろなものをおくことがあります。よく使うものを、ベッドの上におくことにより便利と思えるからです。例えば一番多いのは、ティッシュです。ティッシュを直ぐに使うことができるように、頭元におくこともあります。しかしソのティッシュがそこから落ちてしまうこともあり、それを拾おうとして転落してしまうことがあります。下に落ちているものを拾うのは、とても危険です。
また、ベッドから床頭台の上にあるものをとる時も注意が必要です。遠くから手を伸ばした時に、バランスを崩してしまい転落してしまうことがあります。そのことから、看護師は常に患者さんのベッド周囲のアセスメントすることが重要です。ベッド周囲にいくたびに、安全となっているのかアセスメントをしましょう。
・しばらくぶりに歩く時
入院をしている患者さんの場合、安静が必要となることも多いです。例えば、手術をしたあとはその後にしばらく安静が必要となります。そのことから、安静が解除されしばらくぶりに歩行する場合は、特に気をつけるようにします。
しばらくぶりに歩くときには、当然のように看護師が付き添います。看護師が一緒にいることにより、転倒を予防することができるからです。
転倒しやすい理由としては、やっぱり筋力が弱っていることがあります。数日であっても、寝たままでいるとかなりの筋力が弱くなるのです。しかも、手術をしたあとなどは、痛みもあったりドレーンが挿入されているなど、たくさんのリスクがあります。そのことを思い、必ずつきそうようにします。
・ポータブルトイレに座る時
入院をしている患者さんの場合、歩けるようになったらまず歩くこともありますが、それよりも排泄についてポータブルトイレを使うことが多いです。それは、生成り歩いて病棟のトイレに行くのは、とても危険であるからです。
そこまでいくことができるかと言うことと、いくことができたとしてもとても疲れてしまうことがあります。そのことから、歩くことをしないでベッド周囲にポータブルトイレを設置することがあります。
その時、看護師が介助してそこまで降りることになっています。しかし患者さんがナースコールを押すことを遠慮してひとりで降りることが多いです。その時、足ががくんとなってしまい転倒することがあります。
・看護師を呼ばない理由
入院をしている患者さんの場合、看護師に常に遠慮をしています。それは、でききるだけ、ひとりで行いたいと思う気持ちがあるからです。ひとりで行いたいと言う気持ちと、行うことができるだろうと思うのです。その結果、ナースコールを押すことについて躊躇してしまうことがあります。
そしてナースコールを押した時に、直ぐに来てもらうことができないこともその理由の一つです。直ぐに来てもらう事ができないと、忙しいのだと遠慮することになります。その繰り返しにより、ひとりで行動をすることがあります。
その患者さんの気持ちをアセスメントして、単なる困った患者さんと思うのではなく、気持ちに寄り添えるように指導をすることが望まれます。
・入院の案内を読んでいるか
入院をしている患者さんの場合、緊急入院をしてきた人もいます。それ以外の人の場合は、ある程度どんな入院生活になるのか想像していた事でしょう。そして病院から渡された入院案内の栞についても、目を通しています。
その目を通すことは、とても重要です。それは安全に入院生活を送るために、転倒予防について、その栞に記載している事が多いからです。もしも読んでいない場合は、その内容について目を通してもらうようにしましょう。
・ベッド周囲の環境整備
入院をしている患者さんをアセスメントして、転倒の危険性がある場合はとりあえず行う事があります。それは、患者さんのベッド周囲を整えることなのです。ベッド周囲は、危険がたくさんあります。まずは、水が落ちていないかしっかり確認します。確認するのは、患者さんのベッド周囲にいったたびに行います。
また、ベッドに必要なものが必要なだけあるかということを、アセスメントします。
それは余分なものが、ベッドの上にあることもあるからです。そのことは、患者さんが片付ける事ができません。体力が弱っている患者さんの場合は、寝ているだけで精一杯です。そのため、ベッド上とそのベッド周囲の環境整備については看護師が行います。
まとめ
いかがでしたか?患者さんが転倒すると、入院が伸びることもあります。すると、新しい患者さんを入院させることができなくなるので病院の運営にも響くことになります。その結果、いろいろな事がマイナスとなります。
少しのことで転倒リスクを予防することができるので、いつも転倒リスクについて看護師は目を光らせておきたですね。
こんな記事/動画も見られています
こちらの本が読まれています
あなたに最適な施設
※記事に関連した施設です。大久保病院
横浜市立みなと赤十字病院
加古川中央市民病院
バックナンバー
- #2601看護師のアセスメントについて必要なこと
2024/06/23UP - #2600就職、転職にて目に留まりやすい簡単な自己PRの書き方
2024/06/22UP - #2599転職先の人間関係について!こんな人は失敗する!
2024/06/21UP - #2598子どものコミュニケーションを読み取ってアセスメントにつなげよう
2024/06/20UP - #2597看護師の就職や転職時の自己PRについて
2024/06/19UP - #2596看護師の転職先として人気の就職先の利点と注意点
2024/06/18UP - #2595生成AIは看護アセスメントに使うべき?
2024/06/17UP - #2594精神科の看護師になるためのポイントについて
2024/06/16UP - #2593就職時の面接成功のポイントとは
2024/06/15UP - #2592産婦人科で更年期障害の患者の看護アセスメントをする方法
2024/06/14UP - #2591美容クリニックの看護師になるためのポイントとは
2024/06/13UP - #2590看護師の自己分析にはオンライン適性診断!就職に使える診断サービスは?
2024/06/12UP - #2589看護師は工夫をすれば転職がすぐに決まる!7つの重要ポイントとは?
2024/06/11UP - #2588適応を促す看護アセスメントをしよう!カリスタ・ロイの理論とは?
2024/06/10UP - #2587大学病院の研修は?その内容を聞くと行きたくなる!
2024/06/09UP - #2586看護師は価値観を大切にして就職しよう!バリュープライオリティ分析を紹介!
2024/06/08UP - #2585看護師は医療・介護の企業にしか転職できないのは本当?
2024/06/07UP - #2584看護師の清拭のアセスメント!アセスメントしながら実施しよう
2024/06/06UP - #2583大学病院看護師として管理職になる方法は?
2024/06/05UP
【看護師お役立ちコラム】への応募・問合わせ