看護アセスメントは就職や転職をしたての人にとって悩みになります。どうしたら良いかわからなくて困っている人もいるでしょう。この記事では看護アセスメントをする際の悩みを徹底して解決できるように、「誤解」について説明しています。誤解によって看護アセスメントができない、うまく職場の人と意思疎通できないといったことが多いので参考にしてください。
#看護アセスメントは「情報の収集・分析・統合」
看護アセスメントとは看護協会などのさまざまな機関が定義しています。総合的に見ると「患者についての情報を収集して分析し、統合するプロセス」が看護アセスメントです。看護師がおこなうべき看護プロセスの一部として位置付けられています。看護アセスメントをすると患者の情報について深い理解を得られるでしょう。その情報に基づいて看護プロセスを進めていき、患者にとって最も良い看護をおこなえるようにします。看護アセスメントとは何かをよく考えたことがなかった人は、あらためて基本の定義を理解しましょう。
#看護アセスメントでよくある誤解
看護アセスメントの定義を見て、「自分が誤解をしていた」と思った看護師もいるかもしれません。しかし、「それが当然」と思った人もいるでしょう。看護アセスメントの理解はなかなか一般化されていないので、自分は本来の定義通りに理解していても、周りは理解が進んでいない場合があります。看護アセスメントでよくある誤解を紹介するので、自分の考え方、周りの考え方をすり合わせしてみてください。
・看護プロセス全体=看護アセスメント
看護プロセス全体を看護アセスメントと誤解している看護師はたくさんいます。看護師になったばかりの人の方が、看護プロセスの一部として看護アセスメントがあることは知っているのではないでしょうか。少し現場で経験を積んだ看護師の先輩に「看護アセスメントがちゃんとできていない」と言われたときには、看護プロセス全体のことを指している可能性があります。看護アセスメントは看護プロセスの一部でしかないという認識がない人もいるので、特に先輩や上司との付き合いでは気を付けましょう。看護プロセスは看護アセスメントから始まり、看護診断・看護計画・看護介入・看護評価という段階を踏みます。このすべてを看護アセスメントと誤解している人とは話が合わずに苦労しがちです。
・情報収集~看護診断=看護アセスメント
看護アセスメントを患者の情報収集から看護診断までのプロセスだと誤解している看護師もいます。情報収集は確かに看護アセスメントで欠かせない最初のステップです。その後、分析・統合をして看護診断に進みます。ただ、看護プロセスでは看護診断は看護アセスメントと切り離されています。看護診断はアセスメントを通して患者の状況を把握した後、具体的にどのような問題があるのかを考えて分類するプロセスです。看護介入として何が適切なのかを考える上で重要になります。看護アセスメントを通して患者が苦しんでいるとわかったとしても看護でできることには限界があります。できることは何なのかをNANDA-Iなどを使って看護診断することで看護計画に進むことが可能です。看護アセスメントで見出されたことは看護では解決できなくても、医師が知って治療に役立てられる可能性があります。
・看護評価=看護アセスメント
看護アセスメントを看護評価と考えている看護師もいます。あまり最近の看護について勉強してこなかった年配の看護師がこのような理解をしていることがあるので注意しましょう。看護師長や副看護師長のように役職が付いている人に多い計傾向があります。役職があると評価者としての立場があるので、看護師が働いた成果を評価しなければなりません。結局、「看護介入をしてどのような結果になったのか」ばかり気にするのももっともなことでしょう。評価者になってしまうと看護アセスメントの意味を忘れてしまうことがあるので、看護評価とは違うことを理解してもらえるようにじっくりと話をしましょう。看護師として経験を積めば積むほど、最終的には良い結果を出せるようにしなければならないという気持ちを持ちます。そのため、看護評価までの一連のプロセスを看護アセスメントと誤解してしまいやすい傾向があります。
#看護アセスメントの誤解がもたらす問題
看護アセスメントは誤解があるとさまざまな問題が引き起こされます。自分が誤解しているときももちろんですが、他の看護師が誤解している場合にも現場でトラブルが起こりがちです。看護アセスメントの誤解がもたらす問題について詳しく理解しておきましょう。
・看護師同士の意見の不一致
看護アセスメントの誤解が起こっていると、現場で看護師同士の意見が一致しなくなります。看護アセスメントの結果を受けて看護診断をして、これからの看護計画を立てて仕事をしていきます。看護プロセスの全体像を看護師全員が共有していないと、それぞれが独立した形で看護アセスメントをしてしまいがちです。看護師は1人の患者に24時間365日張り付いていられるわけではありません。看護師は共通認識を持って患者に対応できることが大切です。看護アセスメントの認識がずれていると誤解が生じてしまい、意見が合わなくて患者の看護対応もそれぞれが違うやり方をしてしまいます。職場できちんと統一した考え方を持ち、意見が一致するようにするのが重要です。
・看護師同士の不仲
看護アセスメントの誤解が生じていると看護師同士の不仲が起こります。看護アセスメントは情報収集と分析・統合と思っている看護師と、看護介入もして評価してアセスメントになると思っている看護師では話がかみ合わないのは明らかでしょう。現場で誤解している看護師がいると、他の看護師と意見がいつも合わなくて関係が悪くなりがちです。看護アセスメントをした結果について相談したのが原因で喧嘩になることもないわけではないので切実な問題です。
特に看護師長や看護主任が看護アセスメントについて正しい理解をしていないと、上司と部下という関係の間でトラブルが起こりやすくなります。プリセプター制度などの先輩が後輩の相談役になる教育制度が整っているときにも、看護アセスメントの誤解があるとトラブルになりがちです。
・看護師の評価の不平等
上司と部下という関係で看護アセスメントの認識違いが起こってしまうと、評価が不平等になるのが問題です。評価者になる看護師長が看護アセスメントについて正しい認識を持っていて、現場で働いている看護師が看護アセスメントを誤解しているというのであればあまり大きな問題にはなりません。しかし、上に立つ人が誤解をしていると、本来あるべき看護アセスメントを認識している看護師が低い評価を受ける場合があります。
例えば、看護師長から「今期は看護アセスメントの質が低かった」と評価される場合があるでしょう。しかし、実際には看護アセスメントは的確にできていたけれど、看護診断をして看護計画を立てたときに十分な内容ではなくて患者が改善しなかったということもあります。看護介入にかかわった他の看護師のケアにミスがあって、患者の容態が良くならなかったという場合もあるでしょう。最終的に看護評価をした結果が良くないという判断になり、原因は看護アセスメントの不備だったと言われてしまうと心外でしょう。看護アセスメントをせず、自分から指示を受けて看護介入を担当していた看護師が高く評価されたら不平等と思うのは当然です。看護プロセスでは看護アセスメントがすべてではないですが、きちんとプロセスの詳細を切り分けて評価することは重要です。看護アセスメントについての誤解があると、アセスメントスキルが高い看護師が不当な扱いを受けてしまうことになります。
まとめ
看護アセスメントのよくある誤解について、どのようなトラブルが引き起こされるリスクがあるのかも含めて解説しました。看護師として働く上で重要なポイントだとわかったでしょうか。自分自身は看護アセスメントについて正しい理解を持つのがまず大切です。その上で、他の看護師が誤解している可能性があることも念頭に置いてうまく付き合っていきましょう。
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