看護アセスメントのスキルを上げるには質問力が重要です。患者に対して今までどんな内容を質問してきたでしょうか。どのような質問をしてきたのかも思い返してみましょう。ここでは看護アセスメントで重要な患者への質問について詳しく解説します。今まで、うまく情報が集まらなくて苦労してきた人も、解決の糸口になるのでぜひ読んでみてください。
#医療では看護師は患者の情報を聞き出すのが重要な役割
看護アセスメントをするときには看護師の医療現場での役割を考えて行動することが大切です。看護アセスメントではシステムに登録されている経過観察の内容や、各種検査のデータなどを集めればおこなえるでしょう。しかし、看護師は医療現場でどのような役割を期待されているのかをよく考えて、行動を起こしてから看護アセスメントをするのが大切です。看護師は患者との接点が多く、医療現場で最もよく患者のことを知っている人です。医師も自分では知らない患者の様子を知っている看護師をとても大切にしています。患者としても医師には相談しづらいことも看護師なら大丈夫と思っていることがよくあります。このような看護師と患者の関係を意識して、患者との接点を増やして医療の役に立つ情報を引き出すのが看護師の重要な役割です。
#患者の問診で重要な質問力
看護師は患者に問診をするときに質問力が求められます。患者は必ずしも自分の状況を詳しく説明できるわけではありません。患者の看護計画を決めて実施していくためには、看護師が質問をして患者から状況を聞き出す必要があります。看護アセスメントは情報を収集するのが最も重要なポイントです。患者の性格や様子に合わせて適切な言葉を選んで質問し、詳しく聞き出せると医師にとっても役に立つ情報をたくさん得られるでしょう。自分が患者から聞き出して看護アセスメントに使った内容は、医師や他の医療スタッフにとっても貴重な情報になります。このような意識を持って、患者に質問をして容態を正確に把握しましょう。看護アセスメントに苦手意識がある人は質問力を磨くのがおすすめです。
#看護アセスメントで質問すべき7つのポイント
質問力を上げるには質問の内容と聞き方が重要になります。ここでは看護アセスメントのときに看護師が患者に質問すべきポイントを7つに絞ってまとめました。看護アセスメントをする上で欠かせない質問内容です。質問の仕方も簡単に紹介するのでぜひ活用してみてください。
・発症したときの状況
患者が外来でやってきたときや、新しい症状が出てきたときには、発症したときの状況を患者に質問しましょう。症状が起きたと自覚したときの状況についてできるだけ詳しく聞き出すのがポイントです。例えば、頭痛で苦しいと患者が訴えているとしましょう。頭痛は突然始まった、何となく違和感があると思っていたらだんだんと痛みが強くなってきたといった、朝起きたら痛かった、お見舞いに来てくれた家族が帰ったら痛くなり始めたといったさまざまなケースがあります。「突然頭が痛くなりましたか?」といった質問をして、発症したときの状況を思い出してもらいましょう。
・部位や範囲
看護師が患者に質問するときには症状の部位や範囲を聞き出すのが大切です。頭痛といってもおでこの辺りが痛いときもあれば、後頭部が痛いときもあります。どこが痛いのか、どのくらいの広さで痛いのかを質問を通して確認しましょう。「頭全体が痛いですか?」、「特に痛いのはどこか指で指せますか?」といった質問が効果的です。痛みの場合には言葉で説明できない人も多いので、手や指で指してもらうとわかりやすくなります。
・性質や状態
症状の性質についても質問を通して聞き出しましょう。患者の症状と性格に合わせて質問の仕方を変えると詳細な状態を確認できます。例えば、「痛みはずっと続いていますか、ときどきおさまってまた傷むようになりますか?」、「痛みは刺されるようにズキンとしますか、ズキズキと長く傷みますか、それとも重い感じの痛みですか?」といった質問の方法があります。痛みの性質を患者に表現してもらおうとしても難しい場合が多いので、いくつかの選択肢を出して質問し、どれに該当するかを分類しましょう。鈍痛や激痛といった表現をしてもわかりにくいので、わかりやすい言葉を選んで質問するのがコツです。
・程度や量
看護アセスメントでは症状の程度についても把握し、緊急性について確認するのが重要です。痛みの程度は最も質問しやすく、「我慢できないくらい痛いのを5としたときに、今の痛みはどのくらいですか?」、「痛くなり始めたときの状態を5としたときに、10段階で今はどのくらいの痛みですか?」といった聞き方ができます。下痢であれば発症してからトイレに行った回数、吐き気であれば吐いた回数を具体的に聞くと様子がわかります。
・経過
症状の経過を把握するのは最初の問診のときには欠かせません。「いつから痛くなりましたか?」と質問しましょう。なかなか答えられないときには、「今朝でしたか?昨日の夜でしたか?」といった助け舟を出して、イエス・ノーで答えられるようにするのが効果的です。「昨日の夜寝る前は痛くありませんでしたか?」、「今朝起きたときは元気でしたか?」、「朝食を食べた後は痛かったですか?」といった形でいつ発症したのかを特定しましょう。経過を追う上でもこのように細かく時間を区切って質問するのは効果的です。「夜は痛かったけれど、朝起きたら痛くなかった。朝ごはんと食べたらまた痛くなってきた。」といった答えを得られると、症状の経過がよくわかるからです。変化を克明に説明してもらうのは難しいので、質問を通して聞き出しましょう。
・影響する要因や因子
看護アセスメントでは症状に影響する要因について患者から聞き出すのも大切です。「歩いていると痛くなりますか?」、「呼吸をすると痛みが強くなりますか?」、「ご飯を食べると痛みが増しますか?」といった質問をすると様子が見えてくるでしょう。患者によっては「歩くくらいなら大丈夫だけれど、階段を昇ると痛くてつらくなります」といった痛みの度合いまで説明してくれる場合もあります。できるだけ限定された状況で症状の変化があるかどうかを質問しましょう。症状が悪くなるときだけでなく、軽くなるときも聞き出すのが大切です。「横になっていると痛みは和らぎますか?」といった質問もして、改善できる方法を見出すと看護をしやすくなります。
・随伴症状
看護師にとって重要な役割の一つとして随伴症状の確認があります。医師が「他に症状がありますか?」と患者に質問しても、患者にとっては最も気になっている症状を優先して治してもらいたいという気持ちがあるので、「特にないです」と答えることがよくあります。しかし、実際には他の症状も抱えて苦しい思いをしていることもあるので、看護師が質問するのが大切です。「他に気になっていることやつらいこところはありますか?」という質問から始めましょう。さらに、患者の症状から考えて可能性がある症状を具体的に質問します。「首の痛みはありませんか?」、「熱っぽい感じはしませんか?」、「手足の指先がしびれていませんか?」といった質問をしましょう。主訴の症状ばかりきになっていて、まったく気づいていないこともあるので重要な問いかけです。
まとめ
看護アセスメントでは看護師ならではの役割を果たしながら、看護過程を考えるための情報を集めるのが大切です。看護師は患者に質問して、症状について詳しく聞き出すのが重要な役割です。質問力を鍛えていくと看護アセスメントを簡単におこなえるようになります。医師からも重要なことを患者から聞き出してくれる看護師として信頼してもらえるでしょう。
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