看護師はアセスメントをする必要があるのかが疑問になっていませんか。必要がないのに無理にやらされていると思っている人もいるでしょう。ここでは看護師がアセスメントなしでも働けるのかを解説します。アセスメントをするメリットも説明するので、今後どのようにして働いていくかをぜひ考えてみてください。
#【結論】看護師はアセスメントをせずに働くことも可能
看護師にとってアセスメントをするのはとても重要なのは確かです。日本看護協会や看護系の学会でも、看護師がアセスメントをして働いていく必要性をさまざまな角度から発信しています。ただ、結論としては、あらゆる看護師がアセスメントをしながら働かなければならないわけではありません。働き方によってはアセスメントをしようとすることなく働いていくことも可能です。どのような働き方ならアセスメントが必要ないのでしょうか。
・指示を受けて作業をする立場なら働ける
指示を受けて看護にかかわる作業をする立場として働くのであれば、アセスメントは必須ではありません。典型的なのは看護師の上司や医師からの指示を受けて作業をするアルバイトやパート、あるいは派遣看護師の人です。看護助手として働いている人も基本的に看護師からの指示を受けて作業をするので該当します。
看護アセスメントは患者についての情報を総合的に確認して評価し、今後の看護計画に生かすプロセスで評価に当たる部分です。看護師として自分で看護計画を立てて実践していき、その結果を受けてより良い看護を作り上げていくには評価が不可欠です。しかし、他の看護師が立てた看護計画に従って作業をするだけならアセスメントは必須ではありません。もちろん、自分なりにアセスメントをして「こうした方が良いのではないか」と考えるようにすると看護師として成長できます。しかし、作業担当者としてずっと働いていくのなら特にアセスメントをしなくても問題にはなりません。
・看護をしない現場なら働ける
看護師は看護アセスメントをせずに働ける現場もあります。看護をする必要がない現場であれば、アセスメントなしで働いていくことが可能です。例えば、健診センターで働く場合には看護の業務は原則として発生しません。主に健常者を対象として健康診断の対応をします。採血をしたり、検査を担当したりするだけで、黙々と業務をこなしていくのが重要な役割です。健康診断の途中で調子が悪くなってしまった人の看護を任される場合もありますが、病状が深刻で長期的に看護をしなければならないことはほとんどありません。簡単なアセスメントだけで済むことが多く、医師の指示に従うだけでのことも多いでしょう。
この他にも看護師は治験コーディネーターのように資格や経験を活かしながら、臨床現場で直接看護にかかわらない職種で働くことも可能です。看護アセスメントに苦手意識があってつらいと思った人は、アセスメントなしで働ける職場や職種への転職を検討してみましょう。
#看護師がアセスメントをするメリット
看護師は病院やクリニックなどの臨床現場で働くならアセスメントに取り組むのがおすすめです。看護アセスメントをするメリットをここで確認しておきましょう。
・主体的に働く姿勢が生まれる
看護アセスメントをするだけで主体的に働けるのがメリットです。看護アセスメントをするには意識的に患者の情報を集めることが欠かせません。アセスメントの結果をまとめる作業をすると、自分が何をやるべきかが頭の中でも整理されます。この看護をした方が良いという強い気持ちが生まれるので、意欲的に働けるようになります。
・情報に対して鋭敏になる
看護アセスメントは情報がなければできません。看護師はアセスメントをする習慣を作ると情報に鋭敏になれるのがメリットです。患者の様子はどうだろう、今日の検査結果はどうだっただろうとった意識を持つようになり、情報を総合的に考えて適切な看護がえきるようになります。
・仮説検証を通して看護スキルが上がる
看護アセスメントをしていると看護スキルは上がっていきます。アセスメントをしたら看護師は何をすべきかを考えなければなりません。情報に基づいて仮説を立てて、今後の看護を考えて実行して結果を把握するという一連の仮説検証プロセスを実行することになります。看護師としてベストな対応は何かをいつも考えて行動するようになり、仕事を通して自然にスキルアップすることができます。
・専門分野の医療知識が広がる
看護アセスメントをすると専門分野について医療知識が広がるのもメリットです。アセスメントをするときには検査データを理解して解釈しなければなりません。患者と話をする際にも疾患に応じてどのような症状が出る可能性があるのかを知った上で対応することが必要になります。看護アセスメントに取り組むことで知識が広がって、専門性の高い看護師として活躍できるようになります。
・患者とのコミュニケーションが進む
患者との会話の機会が増えて深いコミュニケーションを取れるようになるのは看護アセスメントをするメリットです。アセスメントでは患者がどう感じているかを知ることが大切です。実際に話してみないとわからないことが多いので、自然にコミュニケーションを頻繁に取るようになります。患者としては気にかけてくれているという気持ちが生まれるので、内心で思っていたことを打ち明けてくれることも多くなるでしょう。
・医療スタッフとの連携が深くなる
看護アセスメントに率先して取り組むと、看護師以外の医療スタッフとの連携が深くなって信頼関係を築くことができます。看護師が自分で患者から得る情報だけではアセスメントの精度が上がりません。検査データを見てわからないことがあったら担当スタッフに聞いて確認する必要があります。他の医療スタッフから意欲的に医療に取り組んでいる看護師と認識してもらうことができ、情報共有も進むようになります。自分では気付かなかったことを教えてもらえる場合もあるでしょう。看護アセスメントだけに限らず、他の仕事でも連携を取りやすくなってスムーズに働けるようになります。
・実力が伸びて評価が上がる
看護師はアセスメントに取り組んでいくと実力が伸びるのは明らかでしょう。実力が付くと適切な看護ができるようになり、いろいろな形で成果が出てきます。他の看護師から看護のやり方を聞かれるようになったり、医師や薬剤師から頻繁に問い合わせを受けたりするようになることもあります。周囲から評価されて優秀な看護師だと認められると、給与などの待遇面も良くなる可能性があるでしょう。看護主任や副看護部長などに昇格するきっかけになる場合もあります。評価が上がってキャリアアップを目指す道筋ができるのは看護アセスメントをするメリットです。
#看護師として活躍したいならアセスメントが必要
看護師として現場で働きたいというだけであれば、看護アセスメントができなくても働き方を選べば問題はありません。ただ、これから看護師として活躍していきたいなら看護アセスメントをするのは不可欠です。看護アセスメントは患者の情報を正しく理解して状況を把握するために欠かせないスキルです。さらに自分がおこなってきた看護について客観的に評価し、今後どのような看護をしたら良いかを考える機会になります。一人一人の患者に対して看護アセスメントをするのは大変なのは確かです。ただ、一つ一つの積み重ねによって看護師として成長できます。自ら成長して活躍できる看護師になる方法として、普段から積極的に看護アセスメントをするのは効果的です。特にキャリアアップを目指したい人にとっては欠かせないスキルなので、日常的に取り組んでいくようにしましょう。
まとめ
看護アセスメントができなくても看護師は働けないわけではありません。現実的には看護に携わって活躍していくにはアセスメントスキルは必要です。積み重ねによって身に付けられるスキルなので、努力すれば身につけられます。たくさんのメリットがあることをモチベーションにして積極的に看護アセスメントに取り組んでいくようにしましょう。
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