手術をした患者さんなどは、手術後に排液を促すためにドレーンを挿入することがあります。そのドレーンについては、いろいろな観察を行うとともにその管理を行うことも大切です。ここでは、そのドレーンの安全な管理についてお話します。
・患者さんの状態について
ドレーンを挿入している患者さんについては、症状により治療目的で行っている場合と感染を予防するために実施している場合、排液量を把握するために挿入雨している場合などがあります。
その時、患者さんの状態のそれぞれ違いがあり、そのことについてもアセスメントを行いながら観察を行うことが重要です。
・挿入されている部位について
ドレーンを挿入している患者さんについては、そのドレーンを挿入している部位も違います。手術をした部位により、その位置が決まることがあります。脳外科の手術では頭部、腹部の手術ではその手術をした腹部の部位、心臓や肺の手術の場合は、その部位にドレーンが入っています。
・ドレーンが挿入されていることを理解できているか
ドレーンを挿入している患者さんについては、手術後であることが多いです。手術後に排液を促したり、その排液の観察を行うことができるからです。またドレーンを挿入している患者さんは、状態が変化している時にその処置を行うことが多いです。そのことから、状態が不安定であると言えます。そのように具合が安定していないことと同時に、感覚としても鈍くなっています。せんもう状態である患者さんであったりするため、ドレーンが挿入されていることに気づかないこともあります。
そのため、ドレーンを異物と認識してそれを排除しようとすることもあります。ドレーンを引っ張り抜いてしまうこともあるので、注意が必要です。ドレーンが挿入されていることを理解できる患者さんの場合は、そんなに注意をすることはありませんが、理解されていないとアセスメントした場合は、特に注意をして観察を行いましょう。
・ドレーンの外れやすい部位について
ドレーンを挿入している患者さんについては、ドレーンが抜けないようにしっかりと管理することが大切です。そしてそのドレーンについては、テープなどを使ってしっかり固定を行います。そのテープで固定を行っていても、外れてしまうこともあるので、訪室したたびにその固定が十分にできているのか確認をします。確認をして外れかかっている場合は、速やかに固定をし直します。
ドレーンを挿入している患者さんについては、そのドレーンについて自分の加体についている不快なものと認識してしまうことがあります。そのように認識してしまった時には、抜去されてしまうこともあります。特に抜去されてしまう部位としては、患者さんの手が届きやすいところになります。手が届きやすいところについては、抜去の危険性があると常に認識してアセスメントを行います。
・屈曲していないか
ドレーンを挿入している患者さんについては、ドレーンからの排液をきちんと観察する事が大事です。その時、排液がないからといっていいと言う事はありません。ドレーンからの排液がない場合は、まず確認するようにします。排液はない理由の一つとして、なんといってもドレーンが屈曲していることがあるからです。屈曲していることにより、本来はたくさんの排液があるにも関わらず詰まっていることがあります。
そのようになると、感染してしまうこともあるので要注意です。ドレーンについては、屈曲していないか挿入されている箇所まできちんと確認をするようにしましょう。
・ドレーンの排液の観察
ドレーンについての確認の一つとして、その排液の内容があります。まずは、排液されているか確認します。排液がない場合もありますが、ない場合でも屈曲等のトラブルがないか確認をしてから記録をするようにしましょう。
ドレーンを挿入している患者さんについては、ドレーンの排液の量、性状などを観察します。それにより、手術をした日数と照らし合わせてアセスメントを行います。
・ドレーンによる皮膚のトラブル
ドレーンを挿入している患者さんについては、ドレーンを挿入していることによる皮膚のトラブルの観察も重要です。まずは、挿入されている部位の観察を行います。その部位の皮膚について、発赤がないか、その周囲の熱感の有無、浸出液の有無等を確認します。そして、赤くなり熱感を伴う場合は、感染を起こしている可能性もあるので医師に報告をするようにしましょう。
そして感染を起こしている場合は、輸液のよる治療が行われたり内服治療が行われることがあります。ドレーンに関しては、輸液と同じように体のなかに挿入されていることから、感染を起こしてしまうととんでもないことになる危険性もあります。ひどい場合は、敗血症になることもあるのでとても注意が必要です。
皮膚のトラブルに関しては、挿入している部位とは別にドレーンを固定しているテープで炎症を起こすことがあります。テープによる炎症の場合は、テープによる固定をやめることもあります。また肌荒れをしにくいテープを使って固定をすることもあります。ドレーンを抜けないように固定をすることは必要となるので、そのことをアセスメントして患者さんの皮膚の状態により固定方法を考えるようにします。
・搬送時の注意
ドレーンを挿入している患者さんについては、搬送時に注意をする必要があります。搬送をする時には、どこにどんなドレーン類は入っているのかしっかり把握しておくことが重要なのです。
搬送する時には、ベッドごと行うこともありますがベッドから車椅子に移動することもあり、その時に注意をします。ドレーンがたくさん挿入されている場合は、そのドレーンが外れることがないようにしっかり固定を確認しましょう。また排液パックも外れることがないように、接続部の確認を行います。
・歩行時の注意
ドレーンを挿入している患者さんについては、歩行を行える状態の場合もあります。その時、どの部位にドレーンが入っているのかを患者さん自身にも説明を行います。それは歩行している時に、外れてしまうこともあるからです。外れてしまったと思う場合は、速やかに処置が必要であることを説明しておきましょう。
・感染兆候はないか
ドレーンを挿入している患者さんについては、最も注意をすることとして感染防止があります。感染を起こしてしまうと、手術後の経過として術後の回復がかなり遅くなってしまいます。その感染した部位について、処置が必要となりその処置後の経過も見ることになるからです。
また感染を起こしてしまった患者さんの場合は、発熱や、倦怠感、疼痛等の症状が発症することもあり、その際には安静度がぐっと下がってしまいます。術後に回復していて、歩けている患者さんが歩けなくなる等、とても辛い状況になります。患者さんの感染症状をできるだけ早期に回復させることができるように、看護師は心身のケアを行い患者さんができるだけ早く回復する事ができるようにサポートを行います。そのために看護師は、感染を起こさせないように滅菌操作を慎重に行うことやドレーンが挿入されている部位の観察が重要です。
まとめ
いかがでしたか?ドレーンを挿入している患者さんについては、その挿入されている部位の確認や、排液についての確認などを行います。そして最も重要となるのは、なんといっても感染防止です。
看護師のアセスメントにより、感染を防止することができるようにしたいですね。特に手術後は、ドレーンを挿入している患者さんであることを想定してケアを行うことをおすすめします。
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