新卒看護師さんが就職するうえで一つ悩みの種になるものがあるとしたら、それはどこの病棟に行こうか、という事ではないでしょうか。一番馬事目に就職する病棟というのは以降のキャリア形成にも影響してきますので、慎重に選びたいものですね。ここでは、新卒看護師が行くと良い病棟ベスト3をあげてみます。
【新卒看護師が就職すべき診療科ベスト5】
この記事を読まれているということは看護師国家試験を受けられて、まさに看護の世界に飛び出そうとされているところだと思います。自分の思い描いた看護をしたい。それはきっと多くの人が思っていることでしょう。とはいえ、初めての就職で完璧に自分に合った診療科に入れるということは、ないとは言いませんが、あまりない印象を持っています。それは、就職先の病院が、「新卒にはこういうところでまず修行をしてほしい」という思いがあったり、「この病棟には急遽看護師が必要だから新卒を入れよう」と考えていたり、様々な理由で新卒看護師の配置を決めています。
そのため、自分の思っていた病棟と違う病棟に配置されることも多いです。また、希望通りの病棟に入れたとしても、想像していたのと違う、といった具合に、自分に合わずにリアリティショックを受けることも多々あります。つまり、新卒看護師で「自分はこの科でやっていきたい」と専門性を見つけることはなかなか難しいでしょう。とはいっても、配属先が自分に合わないからと言って、就職先を間違えた、とか、キャリアを踏み外した、という風に考える必要はありません。
というのも、看護というものは、どの科にも共通してある、いわばベースとなる技術が存在するからです。新卒看護師さんがどこの診療科に行ったとしても、学ぶべきものを学べ、将来のキャリアに繋げることが出来ます。
しかし、どこの病棟に行ってもよいとは言ったものの、新卒看護師さんに向いている病棟、向いていない病棟、はあると思います。例えばある病棟では離職率が高かったり、別の病棟では指導が行き届いていなくて、毎日が辛い、など、病棟によって経験することは様々です。
そこで、新卒看護師が就職するならどの病棟がいい?ベスト3を紹介しようと思います。もちろん、どの科から始めるのがいいのかなんて人によって違うかもしれません。しかしある程度、新卒看護師が最初に就職する病棟としてふさわしい、ふさわしくないという傾向はあります。
私は看護師の実習指導経験や看護教員をしてきました。その経験を活かして、新卒看護師おススメ病棟ベスト3を書いてゆきます。
☆新卒看護師おススメ病棟第ベスト3☆
~内科~
内科の病気は極めて多岐にわたります。もしかしたら、内科が分化している病院もあると思います。内科の良いところは、様々な疾患について触れることが出来ることです。内科を掲げている病棟なら、呼吸器内科、脳神経内科、内分泌科など、様々な疾患に対応したいわばオールラウンドな科になります。そして、内科の知識というのは他の病棟に異動になったときにも必ず役に立ちます。というのも、多くの患者様は複数病気を抱えていることが多いからです。
看護学生の頃は、患者さんを担当しても、それほど多くの病気を持った患者さんを担当することはあまりないと思います。実習の患者さんを決めるときには、やはり持っている病気の数が少ない方が、看護学生としては看やすいので、看護教員も実習指導者もそういう患者さんを実習担当に選びます。しかし、就職してしまうと山ほど病気を抱えた人をバリバリ看護していかねばなりません。そうすると必然的に、病気の知識を沢山持った看護師の方が、将来キャリアを築く上で有利になるのは疑う余地はないでしょう。
内科で患者さんを見ると、否が応でも様々な疾患、そして様々な検査や治療について勉強することになります。言い換えればかなり多岐にわたって技術を鍛え上げられるといったところでしょう。最初は辛いかもしれませんが、内科でしっかり看護が出来れば、次にどこの病棟に行こうとも、恐れることはありません。自分の行きたい病棟や診療科が見つかったとき、内科を経験していれば、自分の持っている基礎的な看護力というものをどっしり持つことが出来ます。ですので、最初に内科で働くというのは、多少勉強量が多いかもしれませんが、1年目の時に学んだことは吸収しやすく、それはこの先何十年と働く上で活きてくるので、内科は非常におススメできるところです。
~療養型病床~
療養型病床とは急性期を脱して、安定期にある患者さんがリハビリ的に入院する病棟になります。これは非常に新人看護師さんにお勧めできる病棟です。というのも、看護の基本は、観察だからです。通常、看護師は急性期病棟においては、仕事に追い立てられ、患者さんをしっかり観察するということが、なかなか難しいのが事実です。しかし、療養型病床ですと、患者さんも安定していることが多く、急性期病棟のように作業に追い立てられることもありません。一方で、入退院もそれほど激しくないので、いつも同じ患者さんを看ることが可能になります。すると、患者さんに関わる時間は多くなります。そこで、しっかり患者さんを観察して細かな変化がないかを余裕をもって学べるのが、療養型病床のいいところです。
急性期の病棟にあこがれる新人看護師さんは少なくありません。しかし、急性期の忙しい病棟では、教育も勉強もオーバーワークになってしまい、結局看護師としての土台は揺らいだままキャリアを形成してしまう場合もあります。そうなるならば、むしろ働き始めはゆったりとした療養型病床で、患者さんをしっかり看る、観察する、ということを学ぶ方が良いでしょう。まずは療養型病床で看護師として働き方をゆっくり身に着けていき、ある程度できるようになったら、あこがれていた急性期の病棟に行けばよいかと思います。
~精神科~
以外と思われるかもしれませんが、初めに精神科を選ぶというのも手ではあります。最初から精神科のプロになりたいと思っている方ならありです。
しかし、精神科は処置や検査が少なく、オペもありません。その為、新人看護師はあまり技術を学べないと考える人もいます。そういう方は、まずは一般科から始めて、ある程度体をしっかり看られるようになったら、心を見るために精神科にいくべきだと言います。
確かにそれはある程度当たっていて、精神科の患者さんも精神以外の病気を持っていたり、インスリンが必要な人もいたりします。しかし、精神科で働く看護師の半分くらい(これは私の憶測が入っていますが)は、他の科を経験していることが多いです。そして、そういった看護師は、新人精神科看護師に、体を見ることも大切であることを教えてくれます。つまり、新人精神科看護師は、いろいろ教えてもらえる立場であると言えるでしょう。
でも、やっぱり一年目から精神科看護師をしたら、他の看護師と技術的に差がついてしまうのではないか、と心配になりますよね。でも、それは大方大丈夫だと考えています。精神科から始めて、次に一般科に来た看護師もたくさんいます。そういう方々を見ていますと、案外一般科の業務もこなせることが多いのです。むしろ急性期から慢性期に来て続かなかったという人もいます。
精神科をやってみて、一般科に浮気したとしても、ある程度精神科ができるようになっていれば、ものすごい急性期やオペ室などでなければ、普通に努力すれば一般科もできるようになります。しかし、そもそも一番初めに精神科を選んだということは、精神科に何か思い入れがあるとこと多いと思います。そういう方は、「別の診療科を経験してから精神科に行くべき」という強迫的な考えは捨ててもいいかもしれません。むしろその分、精神科をきっちり学べば、精神科のエキスパートになれます。精神科で働きますと、働きながら大学院に行くということも割と可能なことがあります。そうしますと、働きながら博士号をとり、大学教授になるという道も開けてきます。
まとめ
いかがでしょうか。最初に選ぶべき診療科として、これらがふさわしいものだと感じられたのではないでしょうか。看護実習生を見ていると、多くの人が急性期を経験しなければならないという、ある種の強迫観念にとらわれていると感じることがあります。しかしそんなことはないということがお分かりいただけたのではないでしょうか。広い視野を持って就職先を決めてゆくことが望ましいです。
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