老人ホームでは、話せないお年寄りが居るなど、そのコミュニケーションが大切となってきます。普段に何気なく会話をしている看護師も、老人ホームの利用者に対しては会話をするときにコツが必要です。ここでは、そのコツやアセスメントについてお話します。
・挨拶は必ず行う
言語が正常に機能しない場合は、その人がいっていることを聞き取れないことがあります。また話をしても、無表情であると聞いていないかもと判断してしまうこともあるでしょう。そのように、こちらの判断によりコミュニケーションの障害を感じることがあります。
しかしこちらが、聞くことができないと思っているのは間違いです。聞くことができる利用者もたくさんいます。聞くことが出来るけど、そのことについて理解できない、判断できない、話すことができないこともあります。そのことから、相手が理解できないので挨拶をしないというのは、間違いです。
どんなに反応がない利用者でも、しっかり挨拶をするようにしましょう。そのように行うことにより、ある利用者は挨拶を返してくれるようになったという嬉しい結果もあります。
・ケアをする前には説明をする
利用者には、たくさんのケアを行います。その時、相手が反応しないのでそのまま実施することもすくなくありません。しかしそれは、利用者の尊重していないことにつながります。
人として尊重し、ケアを行う前にはきちんとそのケアの説明を行うことが大切です。利用者に説明を行うことにより、利用者がリラックスすることもあります。そのリラックスするということは、当然の事ですね。私たちも、いきなり体に触れられるとびっくりしてとても緊張してしまいます。緊張してしまい、拒否反応を示してしまうのです。そのことと同じように、利用者も緊張してしまい四肢を動かすことがむつかしくなります。
声掛けを行うのは、そんな利用者をリラックスさせる意味もあります。
・話すときは目線を合わせる
利用者と話す時には、目線を合わせることが大切です。目線を合わせることにより、こちらの話す内容を理解してもらえているのか知ることが出来るからです。その時、利用者が頷くことがあります。頷くというのは、理解している事なのです。また利用者が何も反応していない場合も、目の動きを見てみましょう。目が少しでも動いた場合はある程度聞こえて居ることがあります。聞こえて居るということは、とてもいいことですね。そのことからも、しっかり目を見て話すことを心がけましょう。
車椅子を使っている利用者も多いので、その目線に立つことは容易ではありません。その時、少し屈んで話すことになりますね。しかし屈むことにより、利用者としては理解しやすくなります。そのことを思い、利用者の視線に入るように工夫をして話すようにしましょう。
・耳元で内容を伝える
老人ホームに入所している利用者は、耳が遠くなっています。そのことから、普通に話すようにすると、全くわからないこともあるのです。年を取ると、若い人の話し声が聞き取れないことがよくあります。
まずば、しっかりとおおきな声で伝えるようにします。小さい声だと、ほとんど伝えることができません。そして耳元で伝えるようにしましょう。耳元で伝える時には、ゆっくり少しトーンをおさえた低い声にします。そのように低い声にするのは、利用者が聞きやすいからです。高い声になると、聞き取りにくくなるので女性の場合は聞き取りにくいと思い、少しトーンを下げて低めに話しかけるといいですね。
・いろいろなコミュニケーションを活用する
老人ホームに入所している利用者の場合は、スタッフがいろいろなコミュニケーション方法をとることが大切です。特に看護師の場合は、利用者の健康状態を守る役目があることから、利用者の訴えをしっかりと把握することが大切となります。
しかし話すことができない利用者の場合は、一般的なバイタルサインやそのほかの症状で把握することになります。その時、情報として足りないと思うことがあるのです。情報がないと、それらについてアセスメントすることがむつかしくなります。
特に利用者の話す内容というのは、とても重要です。それにより認知の進行度を把握することができるのでとても重要視しています。
コミュニケーションをとる時には、背後から話しかけるのではなく正面からしっかりと話しかけるようにします。背後からいきなり話しかけられると、びっくりさせてしまうことになりますね。老人ホームの利用者の場合は、不安が強いこともあり驚かせたりすることは禁止です。
コミュニケーションとして、タッチングを欠かすことができません。これも、利用者の見える部位をタッチングします。話すことができない利用者の場合は、用紙に文字を買いてもらうこともあります。
・スタッフ間の情報共有の大切さ
老人ホームでは、それぞれ多くのスタッフがそこで働いています。看護師は、そこで働いているスタッフと十分に情報共有することが大切です。特に介護士からの情報は毎日しっかりと共有するようにします。
利用者の場合は、あまり変化がないと思いがちです。しかしその変化がないからと思っていると、ふとした時に後から振り返るとあの時におかしいことがあったと思うこともあるのです。
例えば利用者が突然話をしなくなったという場合は、認知症が進行している、脳梗塞を発症しているなどが疑われます。その時、一番身近でケアをしている介護士が、その変化に気づくことになります。介助をしていて、足が動かない、涎が出ている、顔つきがおかしいと思う変化について瞬時に読み取り連絡してくれるのです。そのことから、情報を頼りにしているところがあります。
話ができない利用者の場合は、特に小さい気づきを行うことでその異常を発見する事ができます。
・否定をしないで話を聴く
老人ホームに入所している利用者の場合は、一般的に思うと話が通じないとイライラしてしまうこともあるでしょう。しかしその場面は、老人ホームではよくあることとして認識しています。
話をした時に、自分が聞いた答えではなく全く関係ないことを話し出す利用者もいます。それはこちらが話をしたことに対して、聞こえていないことも考えられます。
また聞こえていたとしても、そのことを理解することができずに違う話をしだすこともあるということです。病院などでは、そのことについてとても異常と思うことがありますが、老人ホームではアセスメントをして日常にある会話として受け止めるようにしています。
そして話しを繰り返したり、全く会話がかみ合わないと思う場合でも、そのことを否定することなく時間がある限り傾聴するようにしています。
・利用者が好きな話題を話すようにする
老人ホームでお年寄りなどと話をする時に、大切にしていることとして利用者が好きな話題を話す事です。利用者の好きな話題を話すことにより、いつもは寝ることが多い利用者でもそのことについて目を輝かせて見ることがあったり、話しだすこともあります。そのときは、本当にこの話が好きなんだなと実感する事ができます。そのことから、この利用者はこのような話題が好きということを理解して、アセスメントするようにしましょう。利用者が目を輝かして話をするところを見ることにより、介護や看護をするスタッフも嬉しくなります。
まとめ
いかがでしたか?老人ホームに入所している利用者の場合は、話をしている中でいろいろなアセスメントすることがあります。しかしその話をする中でも、些細な変化について看護師は見逃さないように気をつけることが大切です。また、老人ホームでの生活は、生活の場所として利用者が少しでも楽しいと思える雰囲気を作り上げていくことは、看護師の仕事の一つでもあるでしょう。
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