看護師が行う処置の一つとして、グリセリン浣腸があります。便秘の患者さんに実施することがあり、その時に何気なく実施して危険と思うことも少なくありません。ここでは、その処置についてどのようにアセスメントをしたらいいのかお話します。
・グリセリン浣腸は簡単?
患者さんにグリセリン浣腸を行うことは、よくありますね。そのことから、日常の処置の一つとしてそれほど重要視していないこともあるのではないでしょうか。簡単にできると思っているので、そんなに意識をしないで処置を行うこともあります。
しかしグリセリン浣腸をする時には、看護師が行う処置として気をつけるべきことがたくさんあると認識しておきましょう。いくつかのポイントを抑えながら実施することになります。ポイントとして、一つでも注意を怠ると患者さんの状態が変化することがあります。
簡単と思いながら行うよりも、何か変化があるかもしれないと思いながら実施することをおすすめします。特に、手術後やお年寄りの場合は、グリセリン浣腸を行うことにより急変してしまうことがあります。そのことを思い、実施後はそばを離れないようにすることもあります。
・実施する体位に注意
グリセリン浣腸を実施する場合は、まずなんと言ってもその体位が重要です。患者さんから、トイレで実施して欲しいと言われることがあります。そのように要望するのは、グリセリン浣腸後に直ぐに便が排出してしまうことがあるのでトイレで直ぐに座れるようにしたいからです。
しかしトイレで実施する場合は、立位で実施することになりそのことはとても危険です。立位でグリセリン浣腸を実施してしまうと、穿孔を起こしてしまう危険性があるのです。そのことから、立位でのグリセリン浣腸は禁止となっています。
グリセリン浣腸を実施する場合は、ベッド上で患者さんを左則臥位に知って実施するようにします。左則臥位にすることにより、自然な形でグリセリン浣腸のチューブを挿入する事ができます。
・既往歴を確認
グリセリン浣腸を実施する際には、その患者さんの既往歴を確認することが重要です。医師から指示がだされた時点で、医師よりグリセリン浣腸を実施するさいの注意事項を記載してくれている場合もありますが、自分の目でしっかりと既往歴を確認することも忘れないようにします。そのようにすることにより、グリセリン浣腸による医療事故を防ぐことができます。
既往歴として、注意したいのはなんと言っても直腸がんの患者さんです。グリセリン浣腸の指示が出た時に、そのグリセリン浣腸の注意事項を医師にまず確認をしましょう。そして特に指示がない場合は、細心の注意をして実施することが大切です。
その注意としては、直腸を傷つけることがないようにチューブをどのぐらいを挿入したらいいのかをアセスメントすることです。一人でアセスメントすると、危険なこともあるのでできれば医師と一緒にアセスメントをして実施することをおすすめします。グリセリン浣腸を行うことにより、腫瘍部分を傷つけてしまい出血してしまうこともあります。そのことに留意して、グリセリン浣腸を慎重に実施します。
・温める事
グリセリン浣腸をする場合は、その容器を温めることが大切です。その容器を温める際には、40度前後とします。それ以上にしてしまうと、やけどを起こす危険性があります。またそれ以下の温度にしてしまうと、冷たいことによりショックを起こしてしまうことになります。適度な温度で実施することにより、安全に施行する事ができます。
・実施での挿入の確認
グリセリン浣腸を実施する際に、特に注意することとしてその挿入があります。校門よりチューブを挿入する時に、その長さをしっかり確認することが大切です。挿入する時にその挿入が浅いと、液漏れを起こしてしまうことがあります。一度は、液が漏れてしまったと思う失敗を経験したことがあるのではないでしょうか。液漏れが起きてしまうのは、挿入が浅いということだけではなく、患者さんが動いたりして、うまく注入できなかったことも含まれます。挿入する際には、患者さんが驚くことがないように、しっかり事前に説明をして安心させてあげましょう。
そして挿入する長さとしては、6cmを基準とします。それよりも長く挿入してしまうと、腸管を傷つけてしまうこともあります。グリセリン浣腸の容器にはストッパーがついているので、それを利用するようにします。
・グリセリン浣腸で反応を確認
グリセリン浣腸を実施する時には、患者さんの状態を確認しながら行うようにします。最初に実施する前の確認、挿入したときの確認をします。そして異常がないと判断した時に、グリセリン浣腸液をゆっくり注入します。注入後は、ゆっくりチューブを抜きます。
グリセリン浣腸をすることにより、我慢ができないと患者さんがいう場合もあります。できるだけ我慢をしてもらうことも必要となりますが、できない場合はトイレ誘導を行います。
・ショックが起きる事
グリセリン浣腸を行った際に,とても気をつけることとしてショックを起こすかもしれないと思うことです。浣腸液が入ることにより、その反応で大量に排便が排出されることもあります。
その時、めまいが起きたり気持ちが悪くなることがあります。ひどい場合は、そのまま血圧が下がり倒れてしまうこともあるのです。そのことからも、リスクが考えられる患者さんの場合は、トイレまで付き添いリスクを回避するようにします。歩行する時に、血圧が下がること、気持ち悪さにより倒れてしまう、ふらつきを起こすことがあります。トイレまでの距離でも、転倒してしまう危険性を常に認識しておきます。
患者さんは、恥ずかしいという思いからそのような気分不快を看護師に伝えないこともあります。そのときのことを思い、配慮しながらつきそうようにします。
・トイレでの変化に注意
患者さんがトイレを使用しているときにも、注意が必要となります。看護師は、トイレの外で患者さんを見守ることが必要となるからです。全ての患者さんについて見守りが必要ということはありませんが、リスクと伴う患者さんについては見守ることをおすすめします。
その場合、患者さんに声かけを行います。大量に排便があることにより、気分不良となりそのまま意識喪失を起こすこともあります。トイレの外で見守る場合は、声掛けに反応がない、苦しそうと思う場合は対処します。
・お年寄りは特に注意
グリセリン浣腸を実施した時に、特に注意を要するのはお年寄りです。お年寄りの患者さんの場合は、グリセリン浣腸を実施することにより、血圧低下を起こしやすくなるからです。血圧低下を起こすと、ショック状態となりその後に血圧が測定できないぐらい危険な状態になることもあります。
グリセリン浣腸後にショックが起きると、まずベッド上に寝かせて足をあげ、石に連絡をしてショックに対しての処置を行います。
反応便の観察
グリセリン浣腸を実施したあとは、その反応便についても観察します。お年寄りに多いのはなんと言っても血便です。血便となっていることもあるのでその後の観察を行います。貧血が強くなることもあり、血便のアセスメントを行い医師に報告をします。
まとめ
いかがでしたか?グリセリン浣腸はよくある処置ですが、よくある処置といって甘く見ないことが大切です。いつものように処置の一つとして実施することもありますが、それによりショックを起こすこともあるので、看護師のケアがとても大切です。
グリセリン浣腸を実施後は、その後の患者さんに注意してショックを起こした場合は速やかに処置を行います。
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