看護アセスメントは施設と訪問では違うとよく言われていますが、理由がわかったでしょうか。基本には違いがないので共通点が多いのは確かです。しかし、検査によって得られる情報などの相違点があるため、看護師にとっては負担が大きい傾向があります。現場経験を積めば訪問看護でも適切なアセスメントをおこなえるので、訪問看護に興味があるなら施設でまず働いてスキルアップをしましょう。
#【結論】施設でも訪問でも看護アセスメントの基本は同じ
結論としては看護師がおこなうアセスメントは基本を考えると施設でも訪問でも同じです。看護師としてのスキルを活かして看護介入をした上で、評価するプロセスがアセスメントというのはどちらでも変わりはありません。確かに病院やクリニックで看護をするのと、訪問して患者の自宅で看護をするのとでは業務自体には違いがあります。しかし、アセスメントの基本は同じなので特に心配する必要はありません。
#訪問看護でアセスメントが違うと言われる理由
訪問看護では施設看護とはアセスメントが違うと言われることはしばしばあります。なぜ訪問看護ではアセスメントが違うと感じやすいのでしょうか。ここでは訪問看護と施設看護での相違点に着目して、アセスメントのやり方が異なっていると言われる理由を解説します。
・施設看護とは情報の量も質も違うから
病院などの施設と患者の自宅では得られる情報の量も質も違うのがアセスメントが違うと言われる理由です。病院なら患者に対してさまざまな検査をおこなえるので多様な客観的情報に基づいてアセスメントを進められます。バイタルサイン測定だけなら患者の自宅でもできますが、血液検査くらいであっても自宅では困難です。CTやMRIなどの機器が必要な検査の結果ももちろんありません。ただ、客観的情報は限られてしまう代わりに、自宅では周囲の目がないので主観的情報を得やすい場合があります。入院していた患者が自宅での療養になってから本音を話してくれることもあるので、主観的情報に基づくアセスメントをしやすいのが訪問看護の特徴です。
・訪問看護では家族の意見を聞きやすいから
訪問看護では患者本人だけでなく家族の意見も聞きやすいのが特徴です。病院やクリニックでの介護では家族が訪れる頻度が低く、なかなか話をするチャンスをつかめません。しかし、訪問看護では毎回のように家族とコミュニケーションを取ることができます。家族の意見も看護計画を立てる上では重要な要素です。患者と家族の間でコミュニケーションがうまくできていないときには、看護師が橋渡しをするのが理想的でしょう。家族の声を聞いてたいおうしなければならないという気持ちが生まれるため、訪問看護は施設看護とは違うと言われています。
・入院患者と在宅ケア患者では意識が違うから
施設と訪問で看護アセスメントに違いがあると思われているのは、患者や家族が求めている内容も異なっているのが理由です。病院に入院して治療を受けるときには、治療を進めて退院できるようにすることが最優先されます。退院できるようになった時点で自宅に戻れるというのが一般的です。退院して自宅に戻ることができたら、より良い生活をしたいという気持ちが強まるでしょう。治療よりも生活の魅力を優先したいという希望が強くなります。そのため、看護アセスメントをするときに患者を取り巻く生活環境を加味して対応する必要性が高くなります。在宅ケアと入院での大きな違いとしてよく話題に取り上げられているポイントです。
#施設と訪問での看護アセスメントの共通点
施設看護と訪問看護では看護師の業務に違いがあるのは確かです。しかし、看護アセスメントをするときの基本には違いはありません。共通点が何なのかをまずは把握しておきましょう。
・SOAPに従って分析すること
看護師はSOAPの流れでアセスメントをすることが基本になるのは共通です。主観的情報、客観的情報を集めて、アセスメントを実施し、具体的にどのような看護をすべきかを考えて実行するという流れには違いがありません。SOAPの流れを体得できていれば、病院で働いていた看護師も訪問看護でアセスメントを進められます。
・フィジカルアセスメントとヘルスアセスメントを実施すること
施設看護でも訪問看護でもフィジカルアセスメントとヘルスアセスメントの両方が必要なのも共通点です。問診・視診・触診・打診・聴診の5つを組み合わせて様子を確認するのは看護師にとって欠かせません。施設では医師が代わりにおこなってくれる場合もありますが、基本的に看護師がルーチンでおこなうべきアセスメントです。
ヘルスアセスメントも重要なのは共通で、会話を通して患者の心理状態を把握したり、生活環境の不安がないかを確認したりすることが欠かせません。フィジカルアセスメントとヘルスアセスメントの結果を合わせて考えて、看護計画を立てることはどちらの場合にも必要です。
・結果を受けて看護の改善を図ること
アセスメントの結果を受けて今後の看護の改善を図ることもまったく共通しています。アセスメントは評価をして今後に生かすためのプロセスです。問題を見つけ出して早期対応をするというのが基本になります。病院で働いていても、訪問看護をしていてもまったく同じ考え方なので、一度板についてしまえば当たり前のようにおこなえるでしょう。訪問看護だからといって特別なことはありません。
#施設と訪問での看護アセスメントの相違点
施設と訪問では細かく見ていくと看護アセスメントに相違点があるのも確かです。ここでは施設看護と訪問看護でどのような点が違うのかを紹介します。
・利用できる主観的情報・客観的情報
入院患者と自宅にいる患者では得られる情報が異なるのは上述の通りです。入院していれば徹底した検査をすることができるので、客観的情報をたくさん手に入れることができます。自宅ではできる検査が限られているため、客観的情報は少なくなります。主観的情報については患者次第ですが、一般的には自宅にいるときの方が本音を話してくれる傾向があります。主観的情報を活用する必要性が高いのが訪問看護の特徴だと考えても良いでしょう。
・患者や家族の目的意識に対する配慮の仕方
患者や家族は退院して自宅でケアをできるようになると病状は良くなったと判断します。少なくとも入院して管理しなければならない状況からは脱却したという安心感があるでしょう。そのため、上述のように治療よりも生活を優先する傾向が生まれます。看護の目的は患者や家族の満足を大切にする必要があるので、どのような意識を持っているかを理解して配慮しなければなりません。入院しているときとは意見が変わることもあるので、看護アセスメントのときにも着眼点を変える必要があります。患者と家族の目的意識への柔軟な対応を求められるのが訪問看護の特徴です。
・一人の環境でのアセスメント
訪問看護をするときには通常は看護師が一人で訪問してケアをします。周囲に他の看護師も医師もいない状況で看護アセスメントをしなければならないのが、施設でのアセスメントとの相違点です。相談できる相手がいない中で、的確にアセスメントをして看護をする必要があります。看護師として経験が浅いとアセスメントにも判断にも苦しんでしまうことがあります。施設看護に比べると現場経験の要求が高いのが訪問看護におけるアセスメントの特徴です。病院やクリニックで経験を積んできた看護師が訪問看護に携わるようになるケースが多いのは、経験が求められるからに他なりません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?外からみるとキラキラして見える美容の世界も、内側からみるとキラキラとは反対の部分もあります。最終的には自分に合うか、自分の将来像に美容看護師が合っているのかを照らし合わせていくことが大切です。美容看護師はとても良い経験だと思うので、機会がありやってみたいと思った方は一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
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