老人ホームなどに入所している利用者の場合は、おむつを装着していることも多くそのことについていろいろな症状が起きることがあるのでその都度アセスメントすることが重要です。ここでは、おむつを装着している利用者のアセスメントについてお話します。
・おむつをアセスメントする
おむつをつけている利用者の場合は、そのおむつがまず正しいサイズであるのかアセスメントします。サイズについては、利用者の状態により変化することもあります。寝たままである場合は、緩めのおむつでも大丈夫です。きついと、それだけリスクを伴うことになるからです。
しかしゆるいと言っても、あまり緩くなると今度は漏れてしまいます。漏れてしまうと、利用者が不快な思いをすることになるのです。言葉を発することができない利用者もいるので、その点については十分に気をつけたいですね。
またおむつかぶれなどが起きてしまう事もあり、その時の使用しているおむつについてもアセスメントします。かぶれやすいものではないのか、擦れることはないかなどをアセスメントします。おむつを変える事により、おむつかぶれがよくなることもあります。おむつかぶれが見られた場合は、そのおむつからもアセスメントすることを忘れずにいましょう。
・おむつによる締めつけをアセスメントする
おむつというのは、それを装着していることにより様々な不快な症状が見られることがあります。その時、利用者はそのことを伝えることができないこともあります。気づいていても、そのことについてこちらに伝えることができないのです。そのようなこともあるので、介護士や看護師が締めつけなどないのか確認をするようにします。
締めつけがある場合は、鼠径部などに痛みがあります。痛みがあることと、それに伴い赤くなる、腫れる、擦れるなどの症状を呈することもあります。ひどい場合は、その部位から出血をすることもあるので要注意です。おむつ交換をした時に、締めつけがないか、ゆるすぎないか確認をすることが大事です。
・おむつによる不快感をアセスメント
おむつについては、それをつけていることにより必ずと言っていいほど不快感があります。まずなんといってもあるのは、やっぱり蒸れることです。蒸れないおむつを使っていても、交換回数が少ない場合はむれてしまいます。その結果、肌の炎症を起こしたり気分が悪くなったりします。利用者がその事について、介護士などに伝えることができる場合は、装着しているおむつについてその都度アセスメントするようにします。
そして、必要時はおむつが本当に必要なのかをアセスメントすることもあります。おむつを付ける時間を決めて、そのほかの時間は定期的にトイレに誘導するなどです。そのことにより、少しでもおむつの不快感を少なくする事ができます。昼間は、通常のパンツを装着して夜だけおむつという選択肢もあります。
臀部全体を覆うおむつをやめて、パンツとパットという組み合わせで行うこともあります。
・臀部の炎症
おむつを装着している場合は、ほとんどの利用者が臀部に何らかの炎症をきたすことがあります。その一つとしては、やっぱりおむつかぶれがありますね。尿や便により、その部位がむれてしまい炎症を起こすことになります。炎症を起こしてしまうと、赤くなり腫れる、出血する、剥離するなどがあります。それらの症状がある場合は、おむつ交換をするたびにその炎症の部位を丁寧に洗浄します。剥離部分が大きい場合は、微温湯で流すだけにして処置をします。
剥離していない場合は、その部位について石鹸などでキレイに洗いその後に洗浄をします。臀部の炎症が見られる場合は、その部位を清潔にする事が一番の解決になります。しかしそれでも改善しない場合はその部位に軟膏を塗布します。軟膏を塗布することにより、炎症を改善させることができることと潤いを与えて回復を促すことができます。また、軟膏によりその部位に付けることにより皮膚を保護することにもなります。
・陰部の炎症
おむつをずっと装着している利用者の場合は、陰部の炎症を起こすことがあります。男性の場合は、亀頭が赤くなる、女性の場合は陰部全体が赤くなり腫れるなどがあります。その場合も、臀部の炎症を同じように清潔を維持するためにその都度しっかり洗浄します。必要時は、医師に依頼して処置を実施することもあります。
・血液が見られる場合
おむつを装着している利用者の場合は、そのおむつにより利用者の健康状態の確認を行うこともできます。まずは、尿量を把握することができるので、おむつ交換をするたびに、チェックをして尿の頻度を確認します。その時、尿量が少ない場合は、水分摂取を促すことになります。
またおむつ交換をした時に、おむつに血液が付いていることもあります。そしてそれは、どこから出血をしたのかアセスメントします。尿と共に血液が付着している場合は、血尿かもしれません。血尿である場合は、それにともなう症状を確認します。
また、血尿だけではなく臀部の傷から出血したものもあります。そのほかには、陰部からの出血などがあるので、その際もそれに伴う随伴症状を確認します。
・必要事は頻回におむつ交換を実施
老人ホームでは、頻回におむつ交換を実施したいと思っても、限られた時間の中ではなかなかむつかしい事があります。老人ホームでは、ほとんどの利用者がおむつを装着していることが多いからです。
しかしおむつを装着していることによりそれに伴う炎症が見られる場合は、そのことについて見直しをすることになります。それは、おむつ交換として、交換する回数が少ないとアセスメントした場合は、頻回に実施する事が必要となるからです。そのようにアセスメントしてケア方法を変えることにより、炎症などが劇的に改善することもあり、おむつ交換の意義をしっかり感じることになります。
・水分摂取を促す
おむつを装着している利用者の場合は、自分で水分を取れないこともありそのような人には水分摂取の介助を行います。朝起きた時や、入浴後、おやつの時などに水分摂取を促します。
水分摂取を促すのは、とても重要なことです。入所者の場合は、お年寄りが多糞のことから脱水になりやすいのです。水分を定期的に摂取して脱水予防を図ります。
またトイレに行くことが面倒と思ったり、頻回にスタッフに声をかけることをためらうあまり、水分を控える利用者もいます。そのような場合は、膀胱炎などになりやすくなるので、その前に水分摂取を促し予防するようにします。
・膀胱炎のアセスメント
おむつを装着している利用者の場合は、膀胱炎になりやすいです。おむつをずっとつけている関係で尿路感染をおこしやすい状態となることから、臀部や外因に関して炎症を起こしやすくなるからです。利用者が膀胱炎になると、おむつに付着している尿が濁っている、残尿感がある、排尿時に痛みがある、下腹部が重たい感じがするなど、利用者はとてもつらいことになります。
膀胱炎を起こしていると思った時には、それにともなう随伴症状を観察します。発熱している場合は特に注意をして、看護師は利用者からの訴えなどを聞き医師に報告します。
まとめ
いかがでしたか?おむつを装着している利用者の場合は、それにより様々な症状を呈することがあります。おむつをつけていると思うことは、利用者にとってとてもつらいことであり、その上にまた肌トラブルなどが起きると堪らない気持ちになります。そのことを思い、看護師はそのような利用者に対してアセスメントを行い、ケアを進めて行くことが求められています。
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