家庭を持ってママになっても、看護師の仕事を続けたい・・・続けられるのか・・・
女性であり看護師であれば、皆さんが悩まれることだと思います。結論としては、ママになっても看護師は続けることが可能です。私は現在二児の母です。子供2人を出産後も病院勤務をしていました。今回は子育てをしながらどのように看護師として働いていたか、私の経験談をお話しさせて頂きたいと思います。
私は結婚出産前から、大学病院で働いていました。大学病院の利点としては、福利厚生が充実している点と、スタッフの数が多いので休みの調整が取りやすいという点が挙げられると思います。まず出産時には産前産後休暇を十分に取らせてもらうことができました。
私は出産後も病棟勤務で夜勤もしていました。ここで大切なことは、育児休暇から復帰する際に、どのような働き方が可能であるのか病棟の責任者(看護師長)に十分相談し理解してもらうということです。
各家庭によって、両親のサポートが受けられるのか、夫婦のみで協力してやっていかなければいけないのか、はたまたシングルマザーなのか、状況は違うと思います。その中で、家庭・職場の双方に過度な負担がかからないように、職場に配慮してもらいたいことがあるか事前にまとめ、それを責任者へ伝える必要があります。仕事と家庭・子育ての両立をするためにはどのような方法があるか、しっかりと考えることが大切です。
私の場合は、夫の仕事の関係上、夜勤ができる曜日に限りがあったので週末夜勤に固定してもらいたいこと、休日勤務は難しいことを事前に伝えました。当時の看護師長は快く理解してくださいました。
また、看護師は残業が非常に多い職業だと思います。私も独身の頃はサービス残業が当たり前にありました。ですが、ママになってからも残業ばかりだと家庭に皺寄せが行きますし、子供との時間が取れないことにフラストレーションを抱えることになります。行く行くは働き方自体を考え直さないといけなくなるかもしれません。そうなると、家庭にも職場にも迷惑がかかります。
そういった状況を避けるためにも、勤務時間内にきっちりと仕事を終わらせ、定時で退勤するという割り切りも必要になってきます。
職場に同じママナースがいると心強いです。私も先輩ママナースが同じ職場にいましたので、常に励ましあって仕事に取り組んできました。
メンバー業務の際は大きな問題なく仕事し定時で退勤することも可能でしたが、リーダー業務を任される際はそうはいかないことも多々ありました。ただそういった場合も、周りのスタッフとしっかりと連携を取り、協力し合い、できる限り残業する時間を減らすことができるように頑張っていました。
看護師は患者さんの命を預かっているという大きな責任があります。リーダー業務となるとチームの取りまとめをしなければいけないので、責任もさらに大きくなります。大変ですが、やりがいも大きいものです。
病棟勤務だとスタッフが多いので、子供の急な発熱や受診の必要があった際にスムーズに対応して頂くことが可能でした。ただ、急なお休みをもらうことへの罪悪感はあります。申し訳ない気持ちもあります。そこは、仕事でしっかりと恩返しをするという方法を取っていました。周りのスタッフへの感謝の気持ちは忘れてはいけません。常に協力し合って看護するように努力していました。
病棟勤務で、家族や周りのスタッフに協力してもらいながら夜勤勤務をしてきました。具体的な夜勤前後の流れをご紹介します。私の勤めている病院は2交代制で、夜勤入りは16時30分からでした。朝は普段通りに起床し、まず子供を保育園へ送っていきます。その後仮眠を取り、家事をこなし、勤務開始前には保育園へお迎えに行きます。夫が帰ってくるまでの間子供は義母へお願いしていましたので、義実家へ送っていきます。その後、出勤です。
翌日勤務終了後、義実家へ子供を迎えに行きます。その後自宅へ帰宅し子供と過ごします。大体は一緒にお昼寝をするという流れでした。
何とかこの流れで夜勤をこなすことができていましたが、やはり夫の協力や、可能であれば自分の両親・夫の両親の協力が必要になってきます。
家族への感謝の気持ちも大切にしたいものです。家族や支えてくれる人(保育園の先生など)がいるからこそ、働くことができるのです。
看護師という仕事は好きでやりがいを感じていましたが、夜勤をすることで子供とゆっくり過ごすことができないという思いは消えることはありませんでした。
それでも、「フルタイムで病棟勤務がしたい!」と思う場合、それは決して不可能なことではないと思います。
私は日頃の勤務終わりや休みの日には意識的に子供と過ごす時間を大切にしていました。毎晩絵本を読んであげること、少しの時間でも余裕があれば公園に行くことなど、工夫次第で子供との時間を充実させることは十分に可能です。愛情はしっかりと伝わるのです。
仕事と家庭・子育ての両立をするためにはどんな方法があるか、常に自分自身で考えることが大切だと思います。
「できない」ではなく、「可能にするためにはどうすれば良いか」。そのようにプラスに考えることが、ママになっても看護師を続ける秘訣だと思います。
そのように日々模索しながら一人目の子育てをしている中、二人目を妊娠しました。看護師は体力仕事な部分もありますから、妊娠が判明した段階で看護師長へ報告し、他のスタッフへも報告させて頂きました。患者さんをストレッチャーで移送介助する際やその他の力仕事の際に皆さんへ迷惑がかかると思ったからです。早めに報告することで、スタッフの方も理解して頂けスムーズに業務にあたることができました。
またその状況でも夜勤は続けていました。幸いつわりも軽かったので業務に支障はありませんでした。つわりがひどい際には決して無理をせず、上司へ相談することが大切だと思います。
妊娠中はあらためて、周りの方々への感謝の気持ちが大きくなりました。周りのスタッフの方の理解と協力がなければ、一人目を育てながら妊娠期を過ごすことは難しかったかもしれません。
二人目を出産後も病棟へ戻りました。上記のような働き方をしながら、両立をしていました。
数年後、一人目の子供が小学生になるタイミングで病棟から外来へと異動になりました。それからは夜勤がない生活になりましたので、家庭への負担は軽減したのではないかと思います。
外来は家庭を持っているスタッフが比較的多いので、お互いに理解し協力し合いながら仕事をしていました。
家庭の事情で夜勤は難しいとう方は、職場を変えるのではなく外来へ異動させてもらうことも選択肢としてあると思います。
ただそれでもやはり転職する必要があると感じた場合は、無理をせず決断することも大切だと考えます。
看護師の仕事ももちろん大切ですが、患者さんにとって看護師の代わりはいても、我が子にとって母親の代わりはいません。今の職場で仕事と家庭・子育ての両立をすることは難しいと感じた場合は、転職することも視野に入れて考えられてもよいと思います。
看護師という資格を持っている以上、どのような職場でも、どのような形でも働くことは可能です。
私の身近では、健診センターで働いている友人、訪問看護師として働いている友人、クリニックで働いている友人、老人ホームで働いている友人と多岐に渡っています。
どのような場所でも看護をすることはできます。
自分にとって仕事と家庭・子育てを両立できるのはどういった環境か、たくさんの選択肢の中から選ぶことが可能です。
また、ママナースになっても看護師としてのキャリアを築き上げたいと考える方もいらっしゃると思います。それもまた不可能なことではありません。
これも私の身近な人の話ですが、同じ小学生の子どもを育てながら病棟勤務で夜勤をし、主任業を務めている方もいます。もちろん看護師長の中にも子育てを経験された方は多くいらっしゃると思います。
ママになったからと言って、キャリアをあきらめる必要は全くないと思います。確かに家庭への負担はかかるかと思いますが、協力し合って乗り越えることはできると思います。
まとめ
現在は多様な働き方があるかと思いますが、ママになっても同じ職場で好きな看護師の仕事を続けたい、退職は避けたいという方も多くいらっしゃると思います。
その思いは叶えることができます。職場のスタッフの方への思いやりの気持ちを忘れずに・・・仕事も家庭も大切に過ごされる方が一人でも多く増えますように。看護師という、人の人生に寄り添うことができる素敵な仕事を、ママナースとして一緒に頑張っていきましょう。
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