初めての就職活動を迎える新卒看護師さん、その中で「手術室看護師になりたい」と思っている方に向けて、病院の選び方、自己PRや志望動機の書き方、面接のポイントをお伝えします。これを読めば手術室看護師がどういうものなのか、イメージもついて就職活動の参考になるはず!
まずは簡単に自己紹介させてください。私は新卒で大学附属病院に就職、希望の手術室に配属され、2年間働きました。その後、プライベートな理由で転職、同じく手術室に。2回の就職活動を行なった経験をもとに、「手術室看護師になりたい、興味がある」という方のお役に立てればと思いますので、ぜひ最後まで読んでみてください!
<目次>
手術室看護師は新卒で希望しても大丈夫?
手術室看護師の業務
どのような病院を選ぶか
履歴書のポイント
自己PR、志望動機のポイント
面接のポイント
手術室看護師に興味はあるけど…
【手術室看護師は新卒で希望しても大丈夫?】
全く問題ありません!むしろ、歓迎される可能性すらあります。
履歴書に希望病棟or診療科を書くとき、第1?第3希望に「手術室」と書くと手術室配属になる、と言われているほどです。つまり、人気がない部署なんです…。
この後書いていきますが、履歴書に手術室希望であることを書くと、そのことについて理由を聞かれます。なりたいという理由を、しっかりと言葉にできるようにすれば大丈夫です!
【手術室看護師の業務】
そもそも手術室の看護師は何をするのか。
1、手術中の看護、サポート
1人の患者さんの手術に対して、基本的に2名の看護師が対応します。1人は清潔なガウンや手袋を装着し、医師に器械をわたす「器械だし看護師」。もう1人は手術中の記録をしたり、必要物品を追加したりする「外回り看護師」です。
2、術前訪問
手術を受ける患者さんに対し、術前に手術室看護師が病室に訪問します。目的としては「患者さんが安心して手術を受けられるようにするため」「カルテから得られない情報を得て、手術看護に役立てるため」です。
手術当日は、患者さんとゆっくりと関わることは難しいので、術前訪問はとても大切な時間です。
3、病棟への応援
これは病院によります。土日や夜勤帯のように手術がないときには病棟に応援に行くことがあります。
4、夜勤、当直、オンコール
手術室での夜勤は病棟とは異なります。何をするかというと、日勤帯から行われている手術の引き継ぎや、次の日の準備などです。病院によって当直(病院に泊まり、緊急手術が入ったら対応する)やオンコール(自宅で待機し、緊急手術が入ったら出勤する)もあります。
【どのような病院を選ぶか】
どの病院の手術室で働きたいか、見るべきポイントは次のとおりです。
1、病院の規模、手術件数
病院の規模によって手術室の規模も変わります。手術できる部屋が何部屋あるのか、手術件数がどのくらいなのか、比較してみましょう。
2、診療科
どの診療科の手術を行っているか確認することも大切です。おすすめは、心臓血管外科、脳神経外科が含まれていて、いろいろな科の手術を行っている病院です。なぜかというと、転職に有利になるから。別の病院の手術室に転職するとなると、多くの手術を経験している看護師が欲しいに決まっています。新卒でしっかりと教育してもらえる期間にいろんな手術を経験できると良いですよ。
あとは、ロボット手術が行えるか、最新の機器を使っているのかということも重要な情報です。
3、夜勤か、当直か、オンコールか
夜間はどのような体制なのか確認することも大切です。なるべく自分の身体にあった勤務体制の方が長続きもします。ただし、もらえる手当が夜勤→当直→オンコールの順番で低くなっていくことは頭に入れておいてくださいね。
【履歴書のポイント】
基本的な見た目の綺麗さや、経歴の書き方が大切なのは当たり前です。そこは皆様大丈夫でしょう。
【自己PR、志望動機のポイント】
自己PRを書くときは、謙虚にならないことが大切です。自分で思っているよりも、自分の良いところはたくさんあります。家族や友人に、「自分の良いところってどんなだと思う?」「例えばどんなときにそう思う?」と恥ずかしがらずに聞いてみましょう。自分でも気づかなかった長所に気づくはずです。
もう1つのポイントは、具体的なエピソードを書くことです。そうすることで信ぴょう性も上がり、面接官の印象にも残るはずです。
志望動機を書くときに一番大切なのは、病院の特徴に対して自分のどのような点が合っているのか、役立てるのかを具体的に書くことです。
ちょっとわかりづらいかもしれませんね、詳しく説明していきます。
まずは、なぜその病院に就職したいと思ったのかということです。病院の規模、何に特化しているのか、立地、雰囲気、など。それに惹かれたから、採用試験を受けるはずです。そして、それは病院を褒めることになります。例えば「高度医療を提供しているすごい病院だから」「病棟の雰囲気がとても良いから」などです。これらは病院によっては褒め言葉ですよね。
次に、その病院の惹かれた部分に、自分のどのような点が合っているのか、役立てるのかを考えます。例えば「高度医療を提供しているすごい病院だから」という志望動機があったとします。それに対して、「自分にはこういう思いがあり、高度医療を提供しているという点に惹かれた」「この病院の看護師となって、高度医療を提供する一員となりたい」
というように続けていきます。自分がどう役立っていきたいのか、ということまで書けるようにしましょう。
☆POINTおさらい☆
・自己PRは謙虚にならず、具体的なエピソードも加えて
・志望動機は病院の推しポイントに自分がどうマッチするか具体的に
【面接のポイント】
自己PR、志望動機は内容は相違なく、でも丸暗記はだめ。丸暗記だと、面接官に機械的な印象を与えてしまい、「本当にそう思っているの?」と思われてしまうかもしれません。少し言葉を変えたり、エピソードを追加したりして、面接官に話しかけるようなイメージでスラスラと言えるのがベストです。
あとはとにかく練習をすること!友人や家族、学校の先生に頼んでいろんなパターンの聞かれ方を経験できるようにすると、当日に意外なことを聞かれても対応できるようになります。
そして、手術室希望ならではの面接も想定して臨みましょう。
最初に書いたように、履歴書に手術室希望であることを書くと、そのことについて理由を聞かれます。(私の面接の時は、「手術室って希望する人があまりいないから、なんでかなと思って」と、変人?というような雰囲気で質問されました笑)
参考までに、私の志望理由を書いていきます。
「手術を受ける患者さんの緊張が最大になる場面で寄り添いたい」ということです。
私はもともと急性期希望でした。急性期実習では、周術期の患者さんを受け持ちますよね。私は受け持たせていただいた患者さんと術前から関わることができました。その患者さんは、術前から「手術が怖い、緊張する」と発言がありました。そして、手術当日、その緊張はかなり強まっている様子が見受けられました。特に手術室に入って手術ベッドに横になってからは、顔もこわばっていました。その時学生の私は何もできませんでした。しかし、私はこのような場面を目の当たりにして、手術室看護師となって手術室で患者さんを安心させられるように関わりたいと思いました。
このようなエピソードを面接でしっかりと伝え、希望の手術室に配属されました。
ちなみに、転職先の病院では、経験者ということでもう少し事務的な面接だった印象があります。例えば、「手術はどの診療科のものをどのくらいできるのか」「以前の病院の手術室の規模と手術件数はどのくらいか」といった具合です。
つまり、最初に就職する病院の手術室での経験が高度で多いほど有利ということです。
【手術室看護師に興味があるけど…】
手術室看護師は病棟の看護師と行う業務がかなり違います。正直、向き不向きがあります。だからこそ、興味があるのであれば一度は経験して欲しいと思います。
手術室配属後に希望して病棟に異動することも可能。手術室での学びや経験は、絶対に病棟での看護にも役立ちます。逆に、病棟を経験してから手術室への異動もアリ。病棟経験がない手術室看護師が多い中で、とても重宝されます。
ここまで読んでいただいた方にはわかるかと思いますが、手術室看護師として就職することは難しいことではありません。ぜひこの情報を役立てて希望のキャリアを積んでもらえたらいいなと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。手術室看護師として就職するためのポイントをお伝えしてきました。そう難しくないことがわかっていただけたでしょうか。少しでも手術室看護師に興味がある方の参考になれば嬉しいです。これを読んでくださった皆さまが希望の環境で、素敵なキャリアを築いていけますように!
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