看護アセスメントで重要なゴードンの健康機能パターンとは?

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#2177 2023/05/02UP
看護アセスメントで重要なゴードンの健康機能パターンとは?
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看護アセスメントにはさまざまな理論があります。ゴードンの健康機能パターンは看護アセスメントをするときに初心者でも使いやすい理論です。この記事ではゴードンの健康機能についての11パターンについて紹介するので参考にしてください。

看護アセスメントによく利用されている理論としてゴードンの健康機能パターンがありますが、これからアセスメントに取り組んでいく看護師にとって何がメリットなのかが気になるのではないでしょうか。看護アセスメントをするときになぜゴードンの健康機能パターンを使うと良いのかをまずは解説します。その上で、各項目の考え方を紹介するので、看護アセスメントに実際に使ってみてください。

#看護アセスメントにおけるゴードンの健康機能パターンの意義

看護アセスメントをするときには情報を集めて分析・評価をする必要があります。ゴードンの健康機能パターンは情報を収集するときのフレームワークです。看護アセスメントの経験がまだほとんどない初心者の看護師の場合には、どのような情報を根拠にしてアセスメントをしたら良いのかがわからずに悩んでしまうでしょう。ゴードンの健康機能パターンは看護師あるいは医師が患者についてどのような情報を収集すれば理解が深まり、適切な医療をおこなえるかをまとめています。他のフレームワークに比べると、ゴードンの健康機能パターンは医学や看護学という視点でまとめられているのが特徴で、客観的に情報を整理して合理的な判断を下すのに適している方法です。

#ゴードンの健康機能の11パターンの考え方

看護アセスメントでゴードンの健康機能パターンを活用するときには、11の項目についてどのような考え方をするのか、何をチェックするのかを知る必要があります。ここでは11パターンについてそれぞれ何を見て何を考えるべきなのかを簡単に解説します。
##健康知覚・健康管理
健康知覚・健康管理とは健康状態に関する本人の意識や過去の既往歴などの情報です。現病歴や現在の健康状態、アレルギーの有無などの基礎情報が該当します。また、患者の病気に対する理解度、治療に対する意欲、健康に対する意識なども含まれます。運動や飲酒、喫煙などの医療に影響を及ぼす習慣についても健康知覚・健康管理に含まれる項目です。看護アセスメントでは基礎情報として取得するだけでなく、患者の治療意識を理解するのに活用するのが大切です。

##栄養・代謝
栄養・代謝は食習慣や体の基本状態、血液検査を主としたさまざまな健康指標の状態についての情報です。食事の時間や内容、水分の摂取量や嗜好品の内容などが食事に関する項目としては典型的です。食欲の有無、嘔吐や悪心の有無、ASTやALT、HDLやLDLなどの指標がよく着目されています。また、食事制限がある場合には実施状況も重要な項目です。慎重や体重、体脂肪率やBMIなども栄養・代謝に該当する重要な情報です。栄養的に問題がないか、代謝に異常がないかを細かく見るのがアセスメントでは重要になります。

##排泄
排泄は尿や便などの状況に関する回数や患者の感じ方の情報です。一日の排泄回数だけでなく、尿の色や臭い、便の性状や量などもチェックする項目です。排泄のときに不快感や痛みがあるか、eGFRに問題がないかといった点も排泄に関してアセスメントに使える重要な情報になります。腹部膨満感や腸の蠕動運動の様子についても、患者の疾患によっては確認することが必要です。消化管や腎臓の機能に問題がないかどうかをアセスメントすることが重要です。

##活動・運動
活動・運動はバイタルサインや運動機能に加え、身体活動量や呼吸状況、心臓の機能などについての情報です。患者によって生命活動が重要か、十分な運動ができるのが大切かは異なります。活動・運動の項目では患者の希望に合わせて機能的に問題がないかを確認するのが看護アセスメントをするときに重要なポイントです。呼吸や血圧などについてモニタリングをして、改善の余地がある場合には患者に伝えることが必要になります。

##睡眠・休息
睡眠・休息は睡眠時間や不眠・熟眠についての状況、睡眠導入剤の使用の有無などの情報です。夜間に十分な睡眠を取れていて、昼間も活動量に応じて適切な休息を取れているかを意識して看護アセスメントをする必要があります。入眠障害や中途覚醒などの睡眠障害や睡眠時無呼吸症候群による熟眠障害も念頭に置いて、睡眠や休息のトラブルがないかどうかを確認するのが重要です。

##認知・知覚
認知・知覚は患者の意識があるか、認知できる状況か、痛覚などの感覚の異常がないかといった情報です。視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚といった五感に支障が生じていないかどうかも患者の疾患によっては重要になります。五感については患者本人がどう感じているかが最も大切なので、看護師が普段から聞いて確認することが大切です。また、認知症患者や高齢者の場合には記憶力や理解力なども重要なアセスメント項目になります。

##自己知覚・自己概念
自己知覚・自己概念は患者の性格や疾患に対する意識、周囲からどう思われていると感じているかなどの自己意識に関する情報です。看護アセスメントでは患者の表情や話し方、感情についても読み取ることが重要になります。患者が置かれている環境や患っている疾患によっては絶望感や無力感を抱いていることもあります。患者の自己知覚・自己概念にはできるだけ早く気づいてケアをするのが大切です。

##役割・関係
役割・関係は家庭や社会、学校などの患者の位置付けや、経済状況、趣味、コミュニティでのコミュニケーションなどについての情報です。家族とのコミュニケーションがうまくいっているか、社会生活で納得できる立場を確立できているかは患者の心理に大きな影響があります。経済状況が苦しくて親から借金をしている、趣味がなくて誰ともコミュニケーションを取っていないというときにも治療の障害になることがあるので注意しましょう。

##性・生殖
性・生殖はセクシュアリティにかかわるセンシティブな情報で、看護師でも患者から聞き出すのが難しい場合もあります。産婦人科では特に重要で、子供の有無や更年期障害の状況、不妊の悩みなどを聞き出すことでアセスメントに使えるでしょう。生殖器の状態や月経周期のトラブルなども重要な内容で、他の診療科でも治療のヒントになる可能性があります。患者に聞きにくいのは確かですが、看護や医療に必要だという姿勢で質問をすれば、気になっている内容だったとしたら答えてくれるでしょう。

##コーピング・ストレス耐性
コーピング・ストレス耐性は日常的なストレスの状況やストレス耐性の状態、ストレス発散の方法などについての情報です。ストレスが原因でさまざまな病気を患ってしまうケースは多いので、ストレス因子についてのヒアリングをするのは看護アセスメントで欠かせません。ストレスの有無だけでなく、相談相手がいるか、気晴らしになる趣味があるかといった観点で患者に聞くと、ストレスが原因で不調になっている可能性が高いかどうかを判断できます。

##価値・信念
価値・信念は価値観や信仰している宗教、人生目標などに関する情報です。外国人患者の場合には日本とは違う価値観を当然のように持っていることがあるので注意が必要になります。宗教についても重要で、患者自身が信仰している場合には医療のあり方も宗教のしきたりに合わせなければなりません。患者が信仰しているのではなく、家系的な影響で進行せざるを得なくなっているのがストレスになっている場合もあります。宗教についてはセンシティブな内容なので聞きづらいですが、看護にも医療にもかかわるのでヒアリングをするのが大切です。

まとめ

ゴードンの健康機能パターンについて11項目を詳しく紹介してきましたが、内容は理解できたでしょうか。看護アセスメントをするときには11パターンのそれぞれについて情報を集めていくと、客観的な視点で分析・判断ができます。看護アセスメントに必要な情報を集めたいけれど、具体的にどうしたら良いかわからないときにうってつけのフレームワークなので活用してみましょう。

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