アセスメントの基本は三本柱?実践ではここを押えて下さい!

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#2169 2023/04/24UP
アセスメントの基本は三本柱?実践ではここを押えて下さい!
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看護をする上で切っても切り離せないのがアセスメントです。アセスメントをして、患者様の状態を把握し、問題解決のためのニーズを把握することで看護につなげることができます。
ではどのようにアセスメントをしていけばよいのでしょうか。大切なのは多方面からの情報をくみ取ること、思い込みで判断しないことです。 アセスメントの軸として大切なのは呼吸・循環・バランスの3つです。一つずつ説明していきましょう。

〈呼吸〉

まず最初に呼吸について説明します。 呼吸とは、生命活動を維持するのに必要なエネルギーの産生を行うために酸素を取り入れ、 代謝の結果生じた二酸化炭素を排出することです。 アセスメント時には客観的・主観的データどちらも大切になっていきます。 例えば、呼吸回数、呼吸状態、SPO2 、呼吸音、自覚症状などがあげられます。
呼吸回数の正常範囲値はおおよそ12~20回 / 分とされています。 
【異常呼吸回数】
1 無呼吸
呼吸が一時的に 10 秒以上停止した状態で、睡眠時無呼吸症候群でみられます。
2 少呼吸
呼吸回数・深さともに減少した状態で、死亡直前・麻痺でみられます。
3 多呼吸
呼吸回数・深さともに増加した状態で、過換気症候群・肺梗塞でみられます。
4 徐呼吸
深さに変化はなく、呼吸回数が 1 分間に 12 回以下に減少した状態で、尿毒症・頭蓋内圧亢進・糖尿病性昏睡・麻酔時・睡眠薬投与時にみられます。
 5 過呼吸
呼吸回数に変化はなく、深さが増加した状態で、過換気症候群・代謝性アシドーシスで みられます。
頻呼吸とは呼吸回数が 25 回 / 分以上で、浅い呼吸です。
呼吸数が早くなるのは、
・通常の呼吸では必要な酸素を取り込むことができない
・通常の呼吸では二酸化炭素を排出することができない 
という状態です。呼吸回数の増加は、関連する呼吸筋の疲労を招きやすくなるため、さらに仕事量が増大することに繋がります。 
頻呼吸となる原因として、大きく 2 つあります。
 1換気とガス交換の問題 換気が障害される原因としては、
・気道の狭窄や閉塞
・胸郭の異常
・呼吸筋疲労
・中枢性
レントゲン所見やリハビリの進行状況、喫煙の有無等も判断指標にいれながらアセスメン トしていくとよいでしょう。
中枢性の問題は、恐怖心や不安などの精神的緊張による交感 神経興奮によるものが原因として考えられるため患者様の主訴に耳を傾け不安の軽減に努 めることもとても大切な看護の一部であると言えるでしょう。
2外呼吸と内呼吸(ガス交換障害) 
「ガス交換」では、「外呼吸」と「内呼吸」を考える必要があります。 
「外呼吸」は、肺胞と血液間での O2 と CO2 の交換です。 
「内呼吸」は、血液と細胞間での O2 と CO2 の交換です。
外呼吸におけるガス交換障害の原因として、
・肺水腫 
・無気肺
・肺炎
・肺塞栓症
・頻脈などがあります。
内呼吸におけるガス交換障害の原因として、 
・心拍出量や酸素化の低下による酸素供給量の低下
・酸素消費量の増大
などがあります。
レントゲン所見や採血データ等から情報収集をしていきましょう。
【異常呼吸リズム】
1チェーンストークス呼吸
無呼吸期を伴う周期性呼吸で、 15~20 秒の無呼吸から深く早い呼吸・浅くゆっくりした呼 吸が繰り返されます。重症心不全・脳疾患・薬物中毒でみられます。
2 ビオー呼吸
浅くて早い呼吸と無呼吸 (10 ~ 60 秒 ) が交互に出現します。頭蓋内圧亢進でみられま す。
3 クスマウル呼吸 
異常に深くゆっくりした呼吸。昏睡時・代謝性アシドーシス・尿毒症が考えられます
4 失調性呼吸 
リズムが全く不規則な呼吸。呼吸停止に移行する危険性があります。

【異常呼吸音】
1 連続性副雑音
高い音(笛音) 
喘息発作・気管内異物時に聴取できる 低い音から移行した場合は狭窄が進行した危険な兆候
低い音(類鼾音)
慢性気管支炎で聴取できる 移動しにくい分泌物が、気管支壁に広範囲にわたって付着している状態
2 断続性副雑音 
粗い音(水泡音)
COPD 、肺炎・気管支炎・肺うっ血で聴取できる 気道に水分が貯留している状態で、ドレナージによる喀痰の排出を行う
細かい音(捻髪音)
閉塞性疾患(吸気前半 )、 拘束性疾患(呼気前半)で聴取できる
これらと患者様の自覚症状などから身体のなかで何が起きているのか考察しケアにつなげ、 ケアの効果があったのかモニタリングを行い次のアセスメントへつなげていくことが大切です。

〈循環〉

次に循環についてです。 
循環とは心臓・血管や、リンパ管のことです。
心臓は身体へ酸素や栄養を運ぶためのポン プ機能を担っており、血管・リンパ管はいわば運搬の道路のような役目を担っています。
 循環のアセスメントとして大切なのは脈拍回数・リズム・血圧・末梢冷感・拍動の有無・ 自覚症状などがあげられます。
1脈拍 
頻脈の原因として挙げられるのは主に疼痛が多いため自覚症状の有無を確認し必要であれ ば疼痛コントロールをしていきましょう。
また、心電図で AF になっていないか、血圧の 異常はないか確認しましょう。
徐脈時にも心電図や意識レベルの評価をしてブロックの出現の有無、血圧の変動の有無を観察しましょう。
2低血圧・高血圧
術後 24 時間以内に急激な低血圧がみられた場合は、生命に直接かかわる術後出血のことがあります。 
血圧異常では疼痛による高血圧や、迷走神経反射による血圧低下や徐脈になったりするこ ともあります。
 麻酔薬による心機能の抑制や、薬剤による末梢神経の拡張作用でも血圧は低下します。
不整脈があるときは心臓が十分にポンプ機能を果たせていないため、やはり血圧が下がることがあります。 
心電図変化の有無や意識レベルの評価を行いアセスメントにつなげていきましょう。
3抹消循環 
末梢循環は冷感や拍動で情報を得ることができます。末梢まで循環が保てていないとその先は壊死組織となってしまうこともあるため観察していくことが大切です。

〈バランス〉

最後に水分バランスについてです。 人間の体の約60%は水分だと言われています。
水分が少なければ脱水へ、過剰ならば心不全や浮腫、溢水へ?がります。
一日の尿量や輸液量を把握して行くことが大切です。
健康人では体重 1kg あたり、1時間に約1mLの尿が排泄されます。成人の1回の排泄尿 量は200~400mLほどで、1日の総量は1,000~2,000mLほどです。
また、尿量だけでなく、尿の性状として色や混濁の有無も評価していきましょう。
異常尿の分類として
1多尿
尿量 2,500 ~ 3,000mL/ 日以上の場合。糖尿病、尿崩症、水中毒、急性腎不全利尿期、慢 性腎不全多尿期などでみられます。
2乏尿
尿量 400mL/ 日以下の場合。原因として、腎血流量の低下(腎前性 )、 腎障害(腎性 )、 尿管・膀胱などの尿路閉塞(腎後性)があります。
3無尿
尿量 100mL/ 日以下の場合。腎皮質壊死、急性糸球体腎炎極期、ショックなど重篤な病態でみられます。
4尿閉 
尿路の通過に障害があり、膀胱にたまった尿を排出できない状態。
原因として、前立腺肥 大症、前立腺癌、膀胱・尿路腫瘍、神経因性膀胱などがあります。 
下痢や嘔吐・出血量のこの水分バランスに含まれるので換算することを忘れないようにしましょう。
また、看護者として、尿測する患者様の羞恥心の配慮も必要です。
尿測の必要性の説明を実施し、羞恥心や不安の軽減に務めましょう。

まとめ

アセスメントの主な軸として呼吸・循環・バランスを上げましたが、これらは決して一つ 一つ考えるのではなく関連しあっているものです。 
例えば頻呼吸になれば脈拍や血圧が上がります。血圧が保たれるということは腎臓への血 流も活発になるため尿量増加につながります。仮に多尿になった場合脱水をきたし頻呼 吸・頻脈につながるリスクもあるでしょう。 
このようにアセスメントとは一つの分野だけでなく多方面からの関係因子が重なりあうということを理解しましょう。
よりよい看護を提供できるようアセスメントを行い、少しでも回復に繋げられると良いと思います。
最後まで読んでくださりありがとうございました。

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