看護師になるためには、必ず学校に行かなくてはなりません。そこで社会人にとって大きな岐路になるのが「今の仕事を続けながら学校に行くのか。」もしくは「辞めて学業に専念するのか。」などの選択を迫られることです。ここでは社会人が看護師を目指す上で知っておきたい3つの選択肢とオススメの方法をご紹介します。
社会人から看護師を目指す上で知っておきたい選択肢は以下の3つです。
選択肢(1)今の仕事を継続しながら看護学校に通う方法。
選択肢(2)仕事を退職し、学業に専念する方法。
選択肢(3)今の仕事は辞め、病院で働きながら学費0円で看護学校に通う方法。
オススメは「選択肢(3)今の仕事は辞め、病院で働きながら学費0円で看護学校に通う方法。」です。
いくつかの条件がありますが、学費の自己負担が実質0円で看護師になれます。
それぞれを解説するにあたり、まずは「看護師にはどうやったらなれるのか?」「いくら費用がかかるのか?」という点からお話していきます。
■看護師にはどうやってなるのか?
看護師になるためには次の3ステップが必要です。
Step1.看護学校に入学する。
Step2.所定のカリキュラムを修了し、受験資格を得る。
Step3.資格試験に合格する。
この3つをクリアすることで看護師の免許が得られます。
まずは看護学校を選ぶことから始まりますが、一概に看護学校と言っても大学や専門学校など様々な形態があります。
ここでは「社会人から目指す」ということを念頭におき、代表的な4つを紹介します。
ケース1:「大学」
大学の4年間で看護師を目指すため、じっくりと学ぶことができます。
また、大学によっては助産師や保健師を目指せる課程もあるので将来の選択肢を増やせます。
ケース2:「短期大学」
3年制のため大学より1年早く看護師になることができます。短大は大学という側面があるため、看護系の授業に加えて一般教養を学ぶことができます。
また、卒業後に大学へ編入する制度が備わっています。
ケース3:「専門学校」
短期大学と同じく3年制ですが、カリキュラムが異なります。
即戦力の育成を念頭においた授業構成になっており、実習が多いのが特徴です。
※准看護師専用の専門学校は2年制と3年制があります。
ケース4:「准看護学校」
2年制で学校で、准看護師の免許取得を目指します。
上記の3つと比較して大きく異なる点は、学生の8割が働きながら通学している点です。
また、学生の年齢構成が幅広く、下は18歳から上は40・50代で、様々なバックグラウンドの人が集まります。
ー押さえておきたいポイントー
「正看護師と准看護師とは?」
看護師は国家資格の正看護師免許と、都道府県知事免許の准看護師の2つに分類されます。
正看護師と准看護師では様々な違いがあり、
待遇面で言うと正看護師の方が給与水準が高いです。
さらに正看護師限定の求人があったりと、正看護師の方が働き口の選択肢が増えます。
※准看護師でも暮らしていくには十分な給与が出ますし、求人数もかなりの数があります。
「准看護師専用の専門学校とは?」
准看護師が正看護師を目指すための専門学校です。准看護師の資格を持っていないと入学できません。
多くが2年制(一部3年制もあり)で、准看護師のステップアップのための学校という位置付けです。
以上が看護学校の形態についてです。
正看護師であれば最短で3年で取得ができ、准看護師であれば2年で取得が可能です。
■いくら費用がかかるのか?
看護師になるためにかかる費用は「学費」+「生活費」です。
・学費について
まず、「国公立」の学校に行くか「私立」の学校に行くかで大きく変わってきます。
国公立は私立に比べて学費が安く設定されています。
それぞれでいくら学費がかかるのかは以下を目安にしてみてください。
※一例ですので、詳しくは希望する学校のホームページをご確認ください。
大学の場合
国公立:入学料 282,000円、授業料等 535,800円(年額)
私立:入学料 270,000円、授業料等 1,340,000円(年額)
短大の場合(国公立はなし)
私立:入学料 250,000円、授業料等 1,370,000円(年額)
専門学校の場合
国公立:入学料 180,000円 授業料等 460,000円
私立:入学料 200,000円 授業料等 960,000円
准看護学校の場合
入学金:250,000円 授業料等 660,000円
・生活費について
生活費は個人ごとの事情で異なってくることが前提です。
もし今の仕事を辞めて看護学校に専念することになれば、当然収入は下がります。
これまでの生活費に学費が加わることで、金銭的な負担が重くなります。
看護学校は最短でも2年かかるため、計画的な生活費の工面が必要になります。
金銭面の事情から退学を余儀なくされるのは避けなければなりません。
それでは基本事項を押さえたところで、冒頭にご紹介した3つの選択肢について、
それぞれのメリットとデメリットをご紹介します。
選択肢(1)今の仕事を継続しながら看護学校に通う方法のメリットとデメリット
メリット
・収入が安定する。
・今の生活環境を継続できる。
デメリット
・選択できる学校が限られる。
・実習が始まると仕事に影響が出るかもしれない。
学業にゆとりにある1年生の時は社会人と学生生活を両立できるかもしれませんが、
やがて実習が始まります。実習をこなしながら社会人としての生活リズムも維持できるか不透明な部分があります。
選択肢(2)仕事を退職し、学業に専念する方法のメリットとデメリット
メリット
・勉強時間を確保できる。
・どの形態の学校にもチャレンジできる。
デメリット
・収入が減る。
金銭的な余裕がある人にはこの方法がオススメです。
収入が減るため、計画的なお金の管理が必要になります。
選択肢(3)今の仕事は辞め、病院で働きながら看護学校に通う方法のメリットとデメリット
メリット
・学費を実質0円にできる。(寮付きの病院であれば生活費を節約できる。)
・臨床の経験を積める。
デメリット
・学校の選択肢が准看護学校に限られる。
・正看護師の取得に最短でも4年かかる。
・御礼奉公の期間があるため、卒業後の縛りがある。
それぞれの選択肢に一長一短がありますが、
わたしは選択肢(3)の方法をオススメします。
学費が実質0円になることや、臨床の経験を早くから積めることが大きなポイントです。
■選択肢(3)について
この方法を実現させるためには次のステップを踏んでいきます。
Step1.准看護学校の費用を負担してくれる病院を探します。
准看護学校の近くで看護助手を募集している病院は、学費負担の制度を設けている可能性が高いです。
本人に代わり病院が学費を払ってくれるため、実質0円で学校に通えます。
寮完備の病院であれば、入寮についても問い合わせてみましょう。入寮可であれば生活費を大幅に節約できます。
Step2.入学後、学校以外の時間は病院で働きます。
准看護学校は午後から授業という日があります。そういった日は午前中は病院で働き、午後から学校へ行きます。
また、授業は夕方には終るので、夕方以降のシフトに入ることもあります。
Step3.そういった生活を2年もしくは4年続け、看護師の資格を取得します。
准看護師免許が目標であれば2年間で、正看護師であれば4年間です。
ー押さえておきたいポイントー
資格取得後は学費を負担してもらった年数分の御礼奉公をします。
例えば4年間学費を負担してもらったら、卒業後の4年間はその病院で働かなくてはいけません。
4年間働くことで学費の返済が免除されます。
もし御礼奉公の途中で辞める場合は、負担してもらった学費分を病院へ返済します。
※学費負担の制度や返済方法は病院によって詳細が異なります。必ず対象の病院へ内容をご確認ください。
まとめ
選択肢を3つ紹介してきましたが、ご自身に当てはまるベストな選択肢は見つかったでしょうか?
金銭的な余裕がなく看護師の道を諦めかけている方にとって、少しでも有益な情報になれたら嬉しく思います。
社会人から看護師を目指すことはとても大きな決断です。
ご自身にとって何がベストな選択かを、まずはじっくり考えてみてください。
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