今、女性の雇用者数が一番多い業種は医療、介護と言われています。その中でも看護師の割合は高く、ワークライフバランスをうまく取りながら定年まで働く看護師も多くいます。
その一方で、子育て時期に離職する女性も多いのが現実です。
医療現場における看護師の女性の割合は9割以上と言われており、仕事だけでなく家庭も守りながら働いている女性が数多くいます。独身時代と異なり、子供の送り迎えやお弁当の準備、夕食の支度などの家庭のイベントも多く、日々時間に追われながら働いている看護師もたくさんいるのではないでしょうか。
仕事も頑張りたい、でも家のこともこなさなければいけない。そのようなジレンマを感じながらみなさん日々頑張っています。
私も夫が単身赴任の中、2人の子育てをしながらフルタイムで働いてきました。私が実際に行ってきた方法、おすすめしたい世の中、病院の制度などを書いていきたいと思います。
私は1人目出産後までは病棟勤務でしたが、2人目出産を機に外来勤務を希望し現在も外来で働いています。病棟勤務の時は三交代、土日勤務もあったため、夜勤や保育園が休みの時には実家の母に来てもらい子供のお世話を頼んでいました。自宅近くの保育園を利用していたため、迎えが間に合わない時なども母にお願いしていました。
夫も単身赴任の中私1人での仕事と育児の両立は現実的にかなり厳しかったため、母親というサポートしてくれる存在があって初めて両立出来たと言っても過言ではないくらい頼りにしていました。私のように家族の協力、サポートが得られるのであれば大いに甘えるのも手だと思います。
家族の協力が難しい場合、お金はかかりますがベビーシッターなどを利用し送り迎え、夜勤の際の付き添いなどを依頼する方法もあります。
私は子供が1人だけの時は母のサポートで何とか頑張れましたが、2人目出産後はその方法も厳しくなり、夜勤免除を申請し外来勤務となりました。
外来勤務でも業務時間に終わらず、時間内に保育園の迎えに間に合わなかったことも何度もあります。その場合にとても助かったのが院内保育園です。一般的に院内保育園は保育料が地域の保育園より高めの場合も多いですが、私の病院の保育園は時間外を柔軟に対応してくれたり遅くなる時はおやつを出してくれていたりと、働く母親をサポートする体制が整っていたためお金には代えられない便利さがありました。
また院内保育園だと体調不良時もそのまま自分の働く病院を受診させることもでき、休ませる程ではなくとも受診が必要な時などとても助かりました。何より同じ敷地の中に保育園があるので、それだけでかなりの時短になっていました。
病児保育などもうまく利用するとさらに便利だと思います。
我が家の場合、小学生になってからは学童保育を利用し、子供は学童保育でおやつ、宿題を済ませ夕方迎えに行き家に帰る毎日でした。
私は利用していませんでしたが、育児短時間勤務制度を利用する看護師もたくさんいます。夕方2時間早く帰れるよう申請する人や朝30分と夕方1時間など時間を分けて申請する人など、その家庭や子供に合わせた時間を取得し個別の働き方をしています。
加えて夜勤免除も申請し、日勤のみという方法もあるかと思います。
このような制度は働く病院、施設によって異なるかと思われるので、ご自分の職場の制度を確認してみて下さい。
様々な制度やサポートを利用し出産前と同じように働ける人もたくさんいるでしょうが、現実的にはなかなか難しいパターンもあるでしょう。その場合には思いきって働き方を変える方法や働きやすい環境に転職という方法もあります。
大学病院や総合病院でのフルタイム勤務は難しい場合でも、子育てが忙しい間だけパート勤務をするなど勤務形態を変える方法、日勤だけのクリニックに転職する方法など様々な働き方があります。収入の面を考えると正職員としての雇用を維持したい人も多いかと思います。その場合は短時間正社員制度を採用している職場への転職も良いでしょう。
病院、クリニックだけの医療現場だけでなく、保育園や介護施設など看護師が活躍出来る場所は他にもたくさんあります。比較的時間外が少ないデイサービスや訪問看護などもおすすめです。
ここまで子育てをしながら働く方法をお知らせしてきましたが、ここからは現実的なことも書きたいと思います。
家族のサポートが得られ様々な制度を利用し、忙しいながらも日々働くことが出来ていたとしても、必ずといっていい程子供は体調を崩します。風邪や下痢などはしょっちゅう、時には中耳炎や発疹、遊んでいる際のケガなど様々なことが起こります。
自分は働き子供は家族にみてもらう、先ほど案内した病児保育などが可能な場合もあるかと思いますが、思いきって仕事を休むということも時には必要だと思います。職場の環境的に難しい場合もあるでしょうが、看護師の代わりはいくらでもいても母親の代わりはいません。仕事も大切ですが、子供のために側にいてあげることも大切です。職場にも子育てを経験してる先輩もたくさんいるでしょうし、理解は得られるのではないでしょうか。
私も子供が体調を崩した時上司に「休みます」という連絡をすることがとても気が重く、毎回申し訳ない気持ちでいっぱいでした。でも「普段が忙しく一緒にいられる時間が少ないからこそ、子供が体調を崩している時くらいは休んでもいいんじゃないか」と自分に言い聞かせ休ませてもらうことも何度もありました。
今は大きくなった子供からも時々「具合は悪いけどお母さんが一緒にいてくれて嬉しかった」と言われることがあり、その時は後ろめたい気持ちもありましたが今はそれで良かったんだなと思えます。
看護師として働く中での子育て期間は長いですが、本当に手がかかる期間というのはとても限られた時間だと思います。就学前は持ち物から着替え、食事などすべてに手がかかり毎日同じバタバタですが、小学生になるとある程度は自分で出来るようになります。また中学生、高校生となるとその辺りはすっかり自立し、お弁当作りや部活の送り迎えなどまた違った忙しさは出てくるかもしれません。
私自身、仕事を続けながらの育児は大変だったので仕事を辞めようかと思ったことも何度もあります。でも、子供が大きくなった今、その時期は限られた時間であって過ぎてみればあっという間だったなと思います。
私の場合は看護師としてのキャリアも積みたいという希望も持っていたため、サポートを得ながら仕事は辞めずに続けてきました。続けてきたからこそ今仕事でやりたいことが出来ており、何とか続けてこられて良かったと思っています。
ただ、仕事、家庭、どちらに重きを置くかはそれぞれ異なり、どちらが正解だということもありません。子供のために一時的に働き方や職場を変える、一時的ではなく独身時代とはまったく異なる働き方をしている看護師もたくさんいるのではないかと思います。
なかには仕事も家庭もすべてを完璧に、理想通りこなせる方もいるでしょうが、現実はなかなかそうはいきません。周りの人とは同じような選択が出来ず、時には何かを諦めたり妥協することも必要となる場合もあるでしょう。でも、それはその時に必要だったことであり、逃げることでも負けることでもないと私は思います。
看護師は頑張り屋さんが多く、様々な困難を乗り越えてきている人も多いため、周りに弱さを出さず何とか頑張ろうと考える方もいるかもしれません。子育て期間を両立していくためには1人で抱え込まず、周りや制度に助けてもらいながら頑張れる期間を少しでも長く保つことが大切です。そして、子育て期間が終了した際には、ぜひ周りの子育て世代をサポート出来る先輩看護師であって欲しいと思います。
まとめ
私の経験も踏まえ長々と書かせて頂きましたが、いかがでしたか?
自分の時間を自由に使うことが出来た独身時代と違い、子育て世代が仕事を続けるためには周りのサポート、制度の利用が必須となってきます。
子供との時間を大切にしながらも自分の夢も叶えるという、育児と仕事の両立が出来る看護師が増えて欲しいと思っています。
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