老人ホームで働いている看護師の場合は、認知症の利用者とのコミュニケーションについて悩むことが多くなります。そしてそのことで、ストレスになることも少なくありません。ここでは、認知症の人への接し方とアセスメントについてお話します。
・攻撃的な利用者
老人ホームに入所している人は、ほとんどお年寄りです。そしてその人たちの中には、認知症と診断されている人も少なくありません。認知症と診断された利用者の中には、人がかわったと思うような行動をする事もあります。人がかわったようになる中で、最も困るのはなんといっても攻撃的になることです。
特に怒りっぽくなるとき、その利用者本人もどうしていいのかわからないこともあります。そのことから、そのような利用者の戸惑いも考慮しながら接することが大切です。
まずその都度どうして起こっているのか、攻撃的になっているのかをその利用者についてアセスメントします。アセスメントをしてその理由について考えられる場合は、まずその内容を改善します。しかし理由もなく、怒ることもあるのでそのようなこともあると理解して接するようにします。
・反応がない利用者
老人ホームに入所している利用者の中には、ほとんど反応がない人もいます。介護度が高くなるほど、そのことを思うことが多いです。反応が乏しい利用者の場合は、何も感じていないのかというとそんなことはありません。反応が乏しいと見えるだけで、頭の中では理解できていることもあります。
そのことから、反応が乏しい、ないということだけで判断することのないようにしましょう。そこでは、反応のある人と同じように接して対応するようにします。
老人ホームの中では、日々の単調な生活の中で少しのことでも感じることが出来るのはとてもいいことです。そのことを常に感じて、言葉かけをしたり介護や看護をするときに、声掛けをして実施するようにします。
・ケアを拒否する利用者
老人ホームに入所している入所者の中には、いろいろなケアについて拒否をする人もいます。拒否をしてしまう理由としては、その人がる人ホームに入所する前の生活習慣が関係しています。
入所する前の生活習慣として、食事、睡眠、入浴、排泄等があります。特に拒否をするのは、なんといっても入浴が多いです。入浴が面倒であるという入所者はたくさんいます。入浴をしなくても、あまり関係なしと思っているのです。入所する前の自宅での生活習慣として、入浴をあまりしてこなかった場合は特に拒否をしてしまうことが多くなります。
しかし入浴というのは、入所者にとってとても大切なケアの一つとなります。入浴をする事により、身体の代謝を高めることができて、心身ともに快適にさせることができ、その結果、認知症のケアに繋げることができます。気持ちがいい、心地よいという刺激は、とてもいいのです。
日々の生活の中で、小さなケアも認知症の利用者にとってはとても大切なことであると理解してケアをしたいですね。
・目線を合わせて会話をする
老人ホームに入所している入所者に対して、どのように話しかけるといいのでしょうか。忙しい中で、ついそのまま話しかけることがあります。そしてそれは、仕方がないこともあります。
しかしベッドで休んでいる入所者に対しては、できるだけその人の目線に合わせて話しかけることが大切です。声を掛けると、そのことについて利用者が反応します。しかし利用者の目線に、声をかけた人がいない場合は反応が乏しくなります。また不安な気持ちにさせてしまうかもしれません。
そのことからも、目線を合わせるようにしてベッドに屈んで話しかけるとよく理解してもらいやすくなります。
・柔らかいトーンで話す
老人ホームに入所している入所者に話しかけるとき、その声のトーンも重要です。それは女性がケアをする時にはあまり関係ないのですが、男性の場合は声のトーンについて少し上げて話すようにします。そして柔らかい口調で話すことにより、利用者を安心させることができます。
耳が聞こえにくい利用者に話しかける時には、低い声よりも高い柔らかい声のトーンの方が届きやすいです。しっかりと話しかけて、よく聞こえるようにしたいですね。
・ケア内容をしっかり伝える
老人ホームに入所している入所者にケアをする時には、声かけをしてから実施するようにします。その時、聞こえにくい利用者に対しては、耳元でしっかりと伝えるようにします。
ケア内容を伝えることにより、安心させることが出来るからです。そしてタッチする時には、敏感な部位をタッチしないようにします。いきなりタッチすると、びっくりさせてしまうことになるからです。
鈍感な部位として、背中などをタッチしてからケアを実施するようにします。
ケアをするときに、まずは声かけをしてタッチングから始めます。そしてだれが入ってきたのかも話しかけるようにします。
自分の氏名を名乗り、その後にケアをします。長く入所されている利用者には、そのことは必要なしと思うかもしれません。しかし、ケアをする前にしっかりと誰が行っているのか伝えることにより、利用者の緊張もほぐすことができます。そのことを思い、ケアをするようにしましょう。
・ケアの後の言葉かけに注意
老人ホームに入所している入所者にケアをした後に、言葉かけをしているでしょうか。ケアを始める前には、しっかりと伝えることがあってもその後に言葉かけをしないこともあります。その時、ケア後に言葉かけをする事によりとても良い効果与えることができることを忘れてはいけません。
その言葉かけというのは、入所者の心にしっかりと届けることができます。入浴をした後の場合は、お疲れ様でしたということが多くなっています。しかしその言葉かけは、入所の心に響かせることができません。それはなんと言っても、マイナスのイメージを与えることになるからです。
それでは、プラスのイメージを与えることができる言葉かけというのは、どんな内容なのでしょうか。それは、キレイになりましたね、さっぱりしましたねという言葉です。その言葉を伝えることにより、入浴はさっぱりしてキレイになることができると認識する事ができます。
また女性の入所者の場合は、より綺麗になったという言葉に反応します。散髪をする、入浴をする時などは、綺麗になったという言葉を掛けるようにしましょう。しかし、認知症の人の場合はその時々で厳しい反応をすることもあります。喜怒性があるので、そのような言葉かけを行っても反応しない場合もあったり怒り出すこともあります。その人の時々の反応により、アセスメントして対応するようにします。
・家族と思い接する
老人ホームに入所している入所者にケアをする時には、自分の家族にケアをしているつもりで実施するといいです。もしも自分の家族だったらという思いをもち、ケアをする事により認知症の入所者に対しても、優しい気持ちで接することができるでしょう。
・カンファレンスを行う
老人ホームに入所している認知症と診断された入所者の場合は、その認知症の進行具合も心配です。少し進行しているかもと思った場合は、その都度アセスメントをして情報を共有する事が大切です。
食事、入浴、排泄等のケアに対して困ったことがある場合は、看護師、介護士、ケアマネジャーなどとカンファレンスを行い、情報を共有してケアを行うようにします。
まとめ
いかがでしたか?老人ホームに入所している入所者が認知症と診断されている場合は、認知症だから仕方がないと思うこともあるでしょう。しかし看護師として、その認知症の進行を遅らせたり、ケアの内容を充実させるためにアセスメントすることはとても大切です。
入所者の安全のためにも、そのことが重要となります。命を守り、少しでも快適な生活ができるように見守り、アセスメントして行きたいですね。
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