看護師に興味を持っていても社会人になってしまうともう目指せないと思うかもしれません。しかし、社会人になってから看護師になっている人もたくさんいます。社会人から看護師になるには選択肢が複数ありますが、どれが最も合理的なのでしょうか。
看護師になるためには看護師国家試験に合格しなければなりません。社会人から看護師になるには国家試験の受験資格を手に入れて、試験勉強をして合格するというハードルを越えなければなりません。社会人から看護師になる方法として典型的なのが以下の3つです。
・看護師養成校に通って卒業し、看護師国家試験に合格する
・准看護師養成校に通って准看護師の資格を取り、通信制の養成校を利用して看護師になる
・准看護師養成校に通って准看護師の資格を取り、定時制の養成校を利用して看護師になる
この3つを比較したときに最も合理的なのは退職して看護師養成校に通う方法です。退職するとなると大きな決断なのでためらってしまう人も多いでしょう。それなのになぜ社会人から看護師になる方法として、最初から看護師養成校に通うのが良いのでしょうか。他の方法の問題点も含めて詳しく見ていきましょう。
#社会人から看護師になるには退職するのが合理的な理由
社会人から看護師になる方法として、看護師養成校に通うために退職するのはなぜ合理的なのでしょうか。現実的な問題として退職しないと難しい現状があるので、詳細を確認していきましょう。
・最短で3年間で看護師の資格を取得できるから
まず、社会人から看護師になる最も近道になるのが看護師養成校に通う方法です。短大や看護師の専門学校であれば最短で3年間通えば看護師国家試験を受験できるようになります。合格率も一般的に90%台の後半なので、きちんと単位を取って卒業できれば看護師になれると考えて良いでしょう。社会人になってから看護師を目指したいと思ったときに、看護師資格を取れるのが10年後というのではあきらめるのではないでしょうか。1年でも早く働けるようになりたいと考えるのがもっともなことなので、看護師養成校に通うのがおすすめです。また、もし看護について詳しく学んで将来的に研究にも携わっていきたいと思うなら、4年間かけて大学の看護学科を卒業する道もあります。卒業後の年収が少し高くなるメリットもあるため、余力があるなら選べる道として検討してみると良いでしょう。
・看護師養成校の通学は仕事との両立が難しいから
看護師養成校に通うときには仕事との両立が難しいため、退職して学業に専念する必要があります。看護師養成校は全日制で朝から夕方遅くまで学校で講義を受ける必要があります。実習期間中は病院やクリニックなどの現場に行く必要があり、場合によっては土日祝日や早朝、夜間なども実習をしなければなりません。そのため、一般的な平日昼間の仕事をしている人はもちろんのこと、夜の仕事をしている人も実習をこなすのが困難です。夜の仕事をしている場合には講義を受けることは可能で、シフトの調整ができれば実習を受けられる可能性があります。昼間は授業を受けたり実習に参加したりして、夜は働くという流れで3年間も頑張れるでしょうか。体力も精神力も求められるので、やり通せるかどうかはケースバイケースです。現実的には厳しいことが多いため、看護師養成校似通って最短経路で看護師になるなら退職する必要があります。
・退職すると経済的に苦しい場合でも対策は可能
退職してしまうと経済的に厳しい場合もあります。独身の人や配偶者が働いていない人の場合には何らかの方法で収入を得て生計を立てなければならないからです。ただ、ある程度の貯えがあるのなら、余計な支出を増やさずに済むことはできます。例えば、看護師養成校に通うには学費がかかりますが、学資ローンを組んで卒業後に返済するという方法があります。また、平日は学業に励み、土日だけアルバイトをして生活費を稼ぐことも可能です。配偶者がいるなら就職して働いてもらうという選択肢もあるでしょう。3年間をしのげれば良いというスタンスで考えると、経済面は解決できる可能性が十分にあります。他の方法では厳しい状況が長期的に続くのが大きな問題になるため、3年間限定で努力すると考えると前向きな気持ちで看護師を目指せるでしょう。
#他の社会人から看護師になる方法の問題点
社会人から看護師になるには看護師養成校に通う以外に、准看護師を経て看護師を目指す方法があります。社会人になってから准看護師になるのは、看護師になりたいときには一般的にあまり合理的ではありません。なぜなのかを詳しく解説するので参考にしてください。
・まず准看護師にならなければならない
准看護師になってから看護師になるという道を進むには、まずは准看護師国家試験に合格しなければなりません。准看護師国家試験を受験するには准看護師養成校で2年間の授業を受けることが必要です。准看護師養成校は全日制、昼間の定時制、夜間の定時制があります。夜間の定時制なら平日の昼間に働いている人も仕事と学業を両立させることができるでしょう。2年間にわたって仕事をしてから学校で学ぶ毎日を続けられれば、准看護師になれます。ただ、2年間もずっと残業で学校に通えなくならないように対策をしなければなりません。職場によっては現実的に難しいでしょう。職場から学校までの距離によっては物理的に授業に出られない場合もあるので注意が必要です。准看護師養成校は全国的にたくさんあるというわけではなく、通える範囲に見つからない場合もあるので気を付けましょう。
・通信制では准看護師として7年間の実務経験が求められる
准看護師養成校に2年間通って国家試験にも合格したら准看護師として働けます。転職して准看護師として働きながら、次は看護師を目指すことになります。看護師になるためには看護師養成校で教育を受けて国家試験の受験資格を得なければなりません。全日制、定時制、通信制の選択肢がありますが、准看護師として働きながら学びやすいのは通信制でしょう。准看護師として病院や特別養護老人ホームなどで働いている場合には勤務時間が不規則で全日制や定時制の養成校に通うのは困難だからです。しかし、通信制の養成校を卒業したとしても、看護の実務経験が7年間以上なければ国家試験を受けられません。准看護師になる過程も考えると、看護師になるまでに最短で9年間もかかってしまいます。
・定時制の場合には3年間の教育期間が必要になる
定時制の養成校なら准看護師として働きながら教育を受けられることもあります。病院や特別養護老人ホームのように夜勤が必要になる職場では難しい場合が多いですが、クリニックやデイケアセンターのように日勤のみで働ける職場を選べば仕事と学業を両立させられるでしょう。ただ、昼間は仕事をして夜は学業に励む日々をさらに3年間過ごさなければなりません。准看護師になってから看護師国家試験を受けられるようになるまでの期間は、定時制の場合には最初から看護師養成校に通った場合と同じです。全日制か通信制なら2年間で済みますが、全日制で昼間に通学するのは仕事をしていると難しいでしょう。夜勤専従で働いて昼間は養成校に通うという方法もないわけではありませんが、体力的に厳しくなりがちです。定時制の養成校を選ぶと最短で5年間が必要で、その間はずっと昼間は働いて夜は学校に通う日々を送らなければなりません。准看護師を経て看護師を目指すと仕事を続けて収入を得られるメリットはあるのは確かですが、看護師になるまでの道のりは険しいと言わざるを得ないでしょう。
まとめ
このように社会人から看護師になる方法を比較すると、本気で社会人から看護師になるには退職して看護師養成校に通うのが合理的だとわかったのではないでしょうか。ただ、経済的な不安がある場合には准看護師から看護師を目指すのも良い方法です。今後のキャリアについてもよく考えた上で、どの道筋を選ぶかを決めましょう。
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