介護施設での入所者の血便をアセスメントする 

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#2101 2023/02/15UP
介護施設での入所者の血便をアセスメントする 
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介護施設で入所者をケアしている時に、介護士や看護師が血便を確認することがあります。その時、看護師はどのような観察とアセスメントをしたらいいのでしょうか。ここでは、入所者に血便が見られた時のアセスメントについてお話します。

・入所者の症状として多い血便

介護施設に入所している入所者は、いろいろな症状を呈する事があります。その一つとして、血便があります。一般の人の場合、血便があることによりガンではないだろうかとかなり心配をすることがありますね。実際に、ガンであることもあることから血便があることによりかなり動揺することになります。
ところが、介護施設に入所している入所者の場合は、一般の人の症状と比較すると血便という症状はよくあることなのです。深刻な症状として捉えるよりも、血便がまた現れたと思う事が多いです。それほど、多くの入所者の症状としてよくあることなのです。そのことから、血便があることになれることもあります。
最初は、びっくりしますがその後に慣れてしまうこともあります。また血便がありましたと連絡したり報告をすることがあります。しかしそのように、なれると言うことはとても危険です。
様子を見ていい血便が多い中、緊急性のあるものもあるのでその時にしっかりアセスメントをすることが大切です。

・血便の状態をアセスメント

入所者に血便が見られた時、まず行うこととしてはその便の状態です。量として少量なのか、かなり出血をしているのかを観察します。トイレでそのまま排出することになるので、その後にうっかりトイレを流すことは禁止です。その状態をしっかり把握したいので、そのまま目視でその量を確認します。
また、その色についても確認します。その色としては、鮮血である場合やタール便である場合があります。鮮血であり大量にある場合は、緊急性を要することもあります。そこで看護師としては、血便の色と量、入所者の状態をアセスメントして医師に報告をします。
タール便である場合は、消化管にどこかで出血をしていることになります。また、鮮血である場合は、肛門周囲が亀裂していることにより起きることもあります。女性の場合は、血便と思っていてもそれは膣からの出血であることもあるのでそのこともアセスメントします。

・どこから出血したのか

血便があると、本当にびっくりしますね。入所者の状態に急激に処置をする必要がないと判断した場合は、どこから出血したのかアセスメントします。介護施設では、病院と違い検査を行う事ができません。そのことから、全身の状態をしっかりアセスメントする事ができないのです。
しかし出来る範囲でのアセスメントは大切となるので、そのことを思って観察をします。血便がある場合は、どこから出血しているのかアセスメントします。まず観察するのは、肛門周囲です。これは介護施設であっても、観察してアセスメントに繋げることができます。入所者の場合は、便秘になることが多く排便時に硬い便が排泄されることがあります。そのため、皮膚が弱いお年寄りの場合は、肛門周囲が切れてしまうことがあるのです。目視で確認をします。また女性は、膣からの出血ではないか綿棒等を使って確認をします。

・入所者の状態を観察する

入所者に血便が見られた時に、まず観察をすることとして入所者の状態があります。入所者がケロッとしている状態ならまず心配はいりません。しかしその時に、血圧が下がることもあります。血便が起きることにより、ショックを起こすことがあります。
ショックを起こすと、顔色不良となり座っていることができなくなります。そうなると、緊急性が高くなります。まずベッドに寝かしてバイタルサインを測定します。バイタルサインで異常がない場合は、しばらく臥床させて様子を見ます。もしも、バイタルサインとして血圧が下がっている、頻脈となっている、発熱が見られる場合は処置が必要です。血圧が下がっている場合は、足を高くします。嘔吐が見られることもあるので、側臥位にして様子を観察します。

・医師への報告

血便がみられると、そのことを医師に報告します。その時、入所者の状態と一緒に報告する事になります。医師からは、入所者の状態が安定しているようなら様子を見るように指示が出ます。
しかし血便の量が多い、顔色が悪い等の症状がある場合は、貧血を疑い採血の指示が出されます。その後に、貧血がひどくなっている場合は、内服や注射の指示が出ます。
血便があり、緊急性を要すると判断した場合は救急搬送することもあります。血便がありショックを呈している、何度も同じように血便が見られる場合は、救急搬送となることが多いです。

・既往歴を確認する

入所者に血便が見られた場合は、その後に入所者の既往歴を確認します。それは、なんと言っても、既往歴により再発したと考えることが出来るからです。
既往歴として、消化管の炎症、がんがある場合はまずその再発を疑います。痔核、肛門裂肛、ポリープなども既往歴として確認します。
しかしその既往歴だけでは、十分でないこともあります。そのことから、その後の様子と照らし合わせて総合的にアセスメントするようにします。

・緊急性を伴うものであるのか

入所者に血便が見られた時には、殆どの場合は緊急性がないことが多いです、そのため、そのまま様子を見ることになります。しかし様子を見ることができないこともあり、その時に看護師のアセスメントはとても重要です。
介護施設の場合は、入所者の血便について介護士が発見する事になります。その後に看護師がアセスメントをすることになるので、その緊急性の判断はとても大切です。介護士は、緊急性をなんとなく判断できるものの、その時に対処することがむつかしいです。介護の現場では、入所者が立ち上がれない、言葉を話すことができない、訴えることができないことが多いです。
その中で、介護士の報告内容と看護師の判断はリアルタイムで行う重要性を再度認識する必要があります。

・検査について

入所者に血便が見られた時には、検査を行うこともあります。便の検査や採血を行い、その結果で医師がその治療を検討します。そのほかの検査としては、介護施設で行うことがありません。そのほかの検査が必要となる場合は、病院を受診してそこで行うことになります。

・便秘の有無

入所者に血便が見られた時には、まずその入所者が便秘ではなかったかと疑うことがあります。お年寄りの場合は、大腸の動きが弱くなることから便秘になることがよくあります。また、入所者の動きも少ないので、体の代謝が悪くなり、その結果で大腸をしっかり動かすことができずに便秘になります。また年をとることにより、大腸の働きが劣ることも関係しています。便秘でない入所者のほうが少ないので、ほぼ便秘になると思っていたほうがいいです。
便秘により、肛門周囲が切れてしまう、浣腸や内服によりただれてしまうことがあります。その結果、血便を呈することもあるのです。介護施設では、入所者が便秘になることにより様々な症状を呈することがあるので、便秘にならないように色々とケアを行っています。

まとめ

いかがでしたか?入所者に血便が見られた時には、最初はびっくりしますがその後に慣れてしまうこともあります。しかしそのなれというのは、とても危険です。だんだんとひどくなっていることもあり、そのことをアセスメントして異常の早期発見につとめたいですね。
看護師として、介護士と協力しながら時には利用者に血便が見られた場合は、そのことについてミニカンファレンスを行うなどが議題として取り上げることもおすすめします。

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