認定看護師になりたいけれど、何から手を付けたら良いかわからない方もいるでしょう。看護師になってからどうしたら良いのか、資格を取ったらどうやって生かしたら良いのかが疑問になりがちです。ここでは認定看護師になる大まかな流れと事前調査をする必要性について紹介します。
#認定看護師になるまでの大まかな流れ
認定看護師になるにはどのような手続きを踏んでいく必要があるのでしょうか。認定看護師になるまでの大まかな流れをまとめると以下の通りです。
・看護師国家試験に合格して看護師になる
・実務研修を認定分野で3年以上、合計で5年以上おこなう
・指定教育機関に通って教育を受けて卒業する
・認定看護師認定審査を受けて合格する
看護師国家試験に合格して看護師として登録をすることが大前提です。そして、病院やクリニックで働いて医療業務に従事します。認定看護師になるには希望する認定分野での実務研修が必要です。通算で5年間の看護業務を経験し、そのうち3年間は認定を受けたい分野での経験でなければなりません。看護師になってから最短5年間でこの基準を満たし、認定看護師になるための教育を受けられるようになります。
日本看護協会が認める教育機関で約800時間の教育を受けて、必要な教育カリキュラムをこなして単位を取得することにより認定看護師の認定審査を受けられるようになります。審査はマークシート方式の試験で、一般問題と状況設定問題から構成されています。審査を受けて合格したら認定看護師として登録できます。
通算すると看護師になってから最短で6年が必要です。認定看護師認定審査は年に1回しか実施されていないので、もし不合格になってしまうと1年間は資格を取れないので気を付けましょう。
#認定看護師を目指すなら早めの調査が必要
認定看護師を目指したいと思っている人はできるだけ早めに調査を進めるのがおすすめです。今は看護学校に通っている段階か、看護師として働き始めた段階か、経験を積んできた段階化によって必要な調査には違いがあります。以下の調査方法のポイントを一通りチェックして必要な調査を進めましょう。
・認定分野で3年以上の実務研修が欠かせない
認定看護師になるには指定教育機関に入学するために同じ認定分野での3年以上の実務研修が必要です。認定看護師制度は変化してきているので、適切な認定分野を選べなくなるリスクがあります。透析看護認定看護師になろうとしてきた人は近年の再編によって糖尿病看護を選ばざるを得なくなりました。より広い範囲での経験がないと実務研修として認められない可能性があります。このような変化に合わせて実務研修を進めることが必要なので、制度の変化についての情報調査は怠らないようにしましょう。
・認定分野ごとに講座を開講している教育機関が違う
認定看護師になるには教育機関に通わなければなりません。ただ、認定分野によって開講状況が大きく異なるので調査が必要です。大学や研修センターが中心になって講座を開講していますが、複数の教育機関で認定看護師の講座を受講できる分野はあまりありません。福岡県でしか受講できない、岡山県にしか開講している教育機関がないといったこともあります。教育を受けるときには最長で1年間、平均的には9か月程度は通い続けなければなりません。近隣に教育機関がない場合には、一時的な住まいを借りる必要があります。単身赴任に近い状況になることを想定しなければならないので、家族の了承を得なければならないでしょう。教育機関の開講状況と地域についても調査して、無理なく認定看護師になれるかを考えるのが大切です。
・分野ごとのニーズが刻々と変わっている
認定看護師になるときにはニーズの変化を考えて選ぶのが重要です。看護師として興味を持っている分野を選ぶとモチベーションを上げやすいでしょう。ただ、ニーズが変わっていくことも考慮しなければ、認定看護師の資格を取った意味が半減してしまいます。がんや生活習慣病、高齢者医療やICUといった分野はニーズが絶えませんが、新たな分野が入ってくる可能性もあります。逆に抜本的な治療法が確立されて認定看護師の必要性がなくなることもあり得ます。分野ごとに認定看護師のニーズが刻々と変わっていくことを想定して、資格を生かせるニーズの高い認定分野を選ぶのがおすすめです。
#認定看護師の資格を最大限に生かすポイント
認定看護師の資格を取得して最大限に生かすには具体的にどうしたら良いのでしょうか。最後に認定分野の選び方やキャリアの築き上げ方について簡単に紹介します。
・資格取得後の医療のあり方をイメージして分野を選ぶ
認定看護師の資格取得後にどのような医療が進んでいるかをイメージするのがまず大切です。看護師として経験を積んできた人でも教育機関で勉強するのに1年近くかかり、認定審査を受けるタイミングを逃した場合にはもう1年くらいかかります。これから認定分野を選んで資格を取りたいと思っている人は、5年前後は見越して取り組む必要があります。このような長い期間がかかるため、医療のあり方も変わっていく可能性があります。数年後にニーズがさらに上がっている分野を選んで認定看護師になるのが理想的です。
・実務研修中に制度が変わったら分野を見直す
認定看護師になるために分野を決めて実務研修をしている間に、制度が変わる可能性があることは十分に注意しましょう。もし認定看護師制度に変更があったら、新しい認定分野の中でどれを選ぶのが良いかを再検討する方法がおすすめです。認定看護師は更新が必要になるため、いつまでも旧体制で更新を続けられるかどうかはわかりません。できるだけ新しい認定分野から選んで資格を取得しましょう。新しい枠組みでは別の分野の方が興味があるという場合には、今までの研修期間にこだわらずに新しい分野にチャレンジした方が認定看護師になって活躍する醍醐味が大きくなるでしょう。
・実務研修のために転職するなら支援制度がある病院を選ぶ
認定看護師になるには認定分野での実務研修が必要なので、転職したいと思う看護師もいるでしょう。実務研修をするために転職するなら、支援制度がある病院を検討しましょう。キャリア支援制度やキャリアアップ制度などの名称で、福利厚生として支援体制を整えている病院も増えています。認定看護師になるには教育機関で1年近く勉強しなければならず、その間は働くことが困難です。支援制度の中には給料の一部を支給してくれる、あるいは休職扱いにして復帰できるようにしてくれる制度があります。後者の場合にも教育費を負担してくれる場合もあるので、金銭的な負担を軽減することが可能です。このような病院を選んで実務研修を受ければ認定看護師を目指しやすくなります。
・支援制度を利用しないなら資格取得後に転職する
病院の支援制度を利用すると、原則として認定看護師の資格を取得したら現場で一定期間は働くことが求められます。ただ、認定看護師になったら資格を高く評価してくれる病院に行った方が活躍のチャンスが多く、給与などの待遇面も高くなるのが一般的です。支援制度を利用せずに認定看護師になる場合には、資格取得後に転職すると活躍する道を切り開けるでしょう。必ずしも転職が必須というわけではなく、実務研修をしてきた病院こそ活躍できる場ということもあります。ただ、同じ職場にこだわらずに広い視野で認定看護師の資格を生かせる舞台を考えた方が良いでしょう。支援制度を利用した場合にも、制度で定められている年限を過ぎたら転職できます。数年経てば医療の状況は大きく変わるので、そのときに活躍できる職場を探してみるのもおすすめです。
まとめ
認定看護師になるには事前調査をしてどの認定分野にするかを慎重に考えるのが大切です。興味がある分野を選ぶのも大切ですが、数年後にニーズが変わったら認定分野から消えてしまう可能性もあります。長期的な視野でニーズがある分野を選んで学びましょう。支援制度のある病院に転職するのも良い方法なので、認定看護師を目指すなら検討するのがおすすめです。
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