看護師が就職・転職をするときには自己分析が必要だという話がよく上がります。本気で取り組んで成功したという人ももちろんいますが、自己分析をしようという意識を持たずに転職している人もいるので、本当に頑張ってやってみた方が良いのかどうかをここで確認しておきましょう。
#自己分析が必要かどうかを判断する5つのチェック項目
看護師が就職や転職をするときには自己分析をした方が良いのは確かです。やって損をすることはほとんどないですが、時間や労力はかかってしまいます。それよりも就職活動や転職活動を進めるのが重要な場合もあります。自己分析に本格的に取り組む必要があるかどうかは以下の5つをチェックするとよくわかるので、自分にとっての自己分析の重要性を見てみましょう。
・自分の強みをすぐに言えるか
看護師として自分の強みが何かと聞かれたときに即答できるでしょうか。即答できていくらでも話せるという人は自己分析をする必要があまりありません。就職や転職で自己分析をする目的として最も大きいのは自分の強みを理解することだからです。強みと言えることが思い浮かばない、1つしか強みがわからないといったときには自己分析をした方が良いでしょう。
・強みはエピソードを通して語れるか
看護師としての強みがいくつも出てくる人でも自己分析をした方が良い場合があります。強みについて詳しく語れるでしょうか。「透析スキル」のが強みだとしても、何が根拠なのかが相手にはわかりません。具体的な症例を挙げて、困難な状況で患者を回復させた経験があるなら誰もが納得できるでしょう。あるいは透析センターで一日に20人の透析を対応してきたといった具体的な数字で経験の豊富さがわかれば透析スキルに強みがある看護師だと理解してもらえます。このような根拠となるエピソードを通して強みを語れる自信がないなら自己分析をした方が良いでしょう。
・看護スキルの有無を根拠に基づいて説明できるか
強みかどうかはともかく、看護師に求められる一般的な看護スキルについて、自分が持っているかどうかを説明できるかを考えてみましょう。自分の看護スキルをリストアップできるだけでなく、それぞれのスキルを持っていると根拠に基づいて説明できるなら自己分析をする必要はあまりありません。しかし、自分にスキルがあるかどうかがよくわからないという場合には丁寧に自己分析をした方が良いでしょう。自分に何ができるのか、何が不足しているのかを正しく理解するのが自己分析の目的の一つだからです。
・自分の弱みを言い換えられるか
就職や転職をする看護師にとって自分の弱みがわかるかどうかも重要ですが、さらに言い換えられるかどうかまで考えてみた方が良いでしょう。もし弱みがわからない、弱みを強みとして言い換えられないというのであれば自己分析が必要です。
・今までの経歴をストーリーにして話せるか
看護師としての経歴を振り返ったときに、すぐにストーリーにして話せるでしょうか。どのような流れで話すと相手に自分の看護師としての魅力が伝わりやすいかを考え、すぐに語れるようであれば自己分析をしなくてもあまり問題はありません。しかし、経歴を語れないようなら自己分析をした方が良いでしょう。
#自己分析が必要な看護師におすすめの方法
自己分析が必要だとわかったら早速始めたいと思うでしょう。ここでは看護師におすすめの自己分析方法を流れに沿って紹介します。一度全体の流れを確認した上で、一つずつ丁寧に取り組んでみてください。
・たった今の自分の強みと弱みを書き出す
自己分析を始めるときには強みと弱みに着目するのが最もシンプルでやりやすいでしょう。自分が看護師として、あるいは社会人としてどのような強みと弱みを持っているかを書き出しましょう。紙を2枚用意して、強みと弱みをそれぞれに書き出します。特に自分の強みだと強く信じているものは上の方に書き、もしかしたら周囲から魅力と思われているかもしれないというくらいのものは下の方に書きましょう。弱みについても優劣を付けて、深刻だという自覚があるものは上の方に、もしかしたら人より劣っているかもしれないというくらいのものは下の方に書きます。
・強みの根拠になるエピソードを考える
就職や転職では自信を持っている強みをはっきりと示すのがまず大切です。書き出した強みから上の方にあるものを選んで、何を根拠にして自分の強みだと言えるのかを考えてみましょう。直感的に強みだと思ったというだけでは相手は納得してくれません。具体的な根拠を、今まで働いてきた中の出来事から探し出すのが重要です。もし仕事の中からエピソードを探し出せないなら、日常生活を振り返ってみるのも良い方法です。複数のエピソードが思い当たったなら、そういう過去があるのなら納得できると相手に思ってもらえるようなエピソードを厳選しましょう。
・弱みの言い換え方を調べてエピソードとのつながりを探す
就職や転職の面接では弱みを聞かれることもよくあります。あるいは弱みと思っている業務についての質問をされることもあるので対策が必要です。弱みを書き出した紙の下の方にあるものから順番に、言い換え方を調べてみましょう。例えば、「神経質」は「真面目」や「几帳面」と言い換えることもできます。このような言い換え方はインターネットで検索すればいくらでも出てくるので、弱みを強みとして言い換えていきましょう。すると、大きな弱みと思っていた点が、実は過去に大きな成果につながっていたことに気付く場合があります。エピソードを探して、弱みが実は強みにもなるという話し方ができるように対策しましょう。
・他の看護師に比べて優れている点をあらためて検討する
採用担当者は施設内にいる看護師や、他に応募している看護師と比較して優れているところが目立つ人を採用しようと考えています。看護師なら誰でもできることを強みとしてアピールしても魅力的な人材だとは思ってもらえません。弱みも強みとして言い換え、過去のエピソードも思い返した時点で、あらためて何が優れているのかを検討しましょう。
今の職場にいる他の看護師と比べたときに、これは自分の強みで他の人よりも優れていると思えるものを探し出すのが大切です。リストをじっくりと見てみて強みを深く考察しましょう。1つの強みに着目すると他の看護師に比べて劣っているかもしれません。しかし、2つか3つを組み合わせてみると、すべての強みを兼ね備えている看護師は他にはいないと考えられるときもあります。看護師の能力は強みの組み合わせによって大きく変わります。その組み合わせからどのような力を発揮できるかを考えて、新しい言葉で自分の強みをアピールすると効果的です。
・強みが自分の志向に合っているかを考える
強みを再考したら、最後に自分の志向に合っているかどうかを考えましょう。就職・転職のときに強みをアピールしたら、採用担当者としては現場でその強みを精一杯生かして働いてくれると期待しています。しかし、その強みを発揮するのがストレスだったらあまり使いたくないでしょう。転職してからやりたいことは違うというケースもあります。そのため、どれだけ強みにできる点だったとしても、志向に合っていないのならアピールしないのが賢明です。自己分析を通してたくさんの強みが見えているはずなので、その中で自分のやりたいことに直結するポイントをアピールしましょう。書き出したリストの中で一番上にあるものを選んでアピールする必要はありません。転職してから自分が働きやすく、モチベーションが上がるようにするのが大切なので、志向に合わせてアピールする強みを決めるのが大切です。
まとめ
就職・転職のときに自己分析をする必要があるかどうかを判断できるようになったでしょうか。自然に自己分析をしている看護師は、あえて求職活動をするときに自己分析に時間を費やす必要はありません。自分のことがよくわかっていない状況の看護師は自己分析をして十分に自分を理解し、強みをアピールできるようになってから仕事を探しましょう。
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