看護師は何年間働いたら転職して大丈夫なのかが気になっていませんか。在職期間が短いと転職で不利になると聞いたことがある人も多いでしょう。この記事では看護師の在職期間と転職の有利・不利についての実態を紹介するので、転職活動を始めるタイミングを見極める参考にしてください。
#在職期間が短い看護師は不利になる理由
在職期間が短い看護師は転職しようとしたときに不利になるとよく言われています。なぜ在職期間が短いと不利になってしまうのでしょうか。採用する側の立場になって理由を考えてみましょう。
・採用しても定着しないリスクがあるから
採用側としては内定を出して入職してもらったとしても定着しないリスクがあるから避けるというのが一般的です。前職で1年も働いていないのに転職活動をしているとしたら、採用してもまた1年以内に転職する可能性があると考えられるでしょう。採用するからには施設に長く貢献して欲しいと考えるのが当然で、特に喫緊の課題を解決するために看護師を採用しようとしているときには予期せずに退職されてしまうと痛手です。定着して当面は働き続けてくれる看護師を採用したいのが一般的なので、在職期間が短かった看護師は不安材料があると見なされます。
・人格や性格に問題がある可能性があるから
在職期間が短いのは人格や性格に問題があるのではないかと思われることがあります。特に短期間での転職が2回以上繰り返されている場合には、看護スキルではなく人柄に問題があるリスクが懸念されます。問題行動を起こしたり、人付き合いが苦手でトラブルがあったりしたのが原因で退職せざるを得なかったのではないかと想像されてしまいがちです。看護師は人間関係のトラブルで退職しているケースが多いという背景もあります。そのため、うまく環境に馴染める性格がない、人格的に他の看護師から嫌われてしまうといった問題があるかもしれないと疑われるリスクがあります。
・スキルが身についていないことがあるから
同じ職場で長く働いていた経験がない看護師の場合にはスキルがない可能性があると懸念されます。同じところで長く働いていないとスキルを磨くことは難しいからです。大抵の看護師は新しい職場に慣れて、必要なスキルを身に付けるのに1年~3年くらいかかります。個人差や経験による違いはありますが、数ヶ月で退職したようではスキルが身についていない場合が多いでしょう。そのため、数か月ごとに転職を繰り返している看護師はスキルが何もないのではないかと疑われがちです。
#在職期間は長さによって印象が違う
看護師が転職で不利になるかどうかは在職期間の長さによって異なります。短いと言われる期間だったとしても、少し長さが違うだけで印象が違うので、志望先によっては大して問題にならないこともあります。1年と3年が重要な境界線として知られているので、その前後で何が違うのかを知っておきましょう。
・1年未満の場合
在職期間が1年未満の場合には十分な経験を積んでスキルを身に付けていることはないと見なされます。あまりにも期間が短いので、何か問題があったと考えられるでしょう。結婚や出産、パートナーの転勤などが理由の場合もありますが、職場でトラブルになったという可能性もあると考えられてしまうのが普通です。特に3ヶ月以内に退職していた場合には試用期間中に退職した可能性が高いので、問題を起こした可能性が高いと判断されます。やむを得ない事情がない限りは、在職期間が1年未満だった場合には転職するのがかなり難しいでしょう。
・1年程度の場合
在職期間が1年を超えたくらいになると少し印象が変わります。1年が経過すると職場にも慣れてスキルも身につき始める時期になるからです。1年くらい働くと職場の様子もわかるだけでなく、仕事に対する自分の適性も判断できるようになります。そのため、1年以上の在職期間がある場合には、明確な退職理由があるかを確認しながら採用候補として検討するところも出てきます。
・3年程度の場合
1年を大きく超えて3年くらいの在職期間があると特に転職で問題になることはありません。3年くらい同じ職場で働いていれば必要なスキルは身についていると考えられます。職場からも受け入れられていた様子がわかるため、人格や性格にも問題はないと捉えられるのが一般的です。3年程度の在職期間になったらためらわずに転職活動をして問題ありません。
・もっと長い場合
3年よりもずっと長い期間、同じ職場に在籍していた場合にはまた少し考え方が変わります。ベテランとして重宝される看護師になっているはずなのに、なぜ転職するのかが疑問に思われてしまう点です。周りからも信頼される関係ができ、職場の中での立場がはっきりとしていて過ごしやすい環境が整っている場合が多いでしょう。その環境を捨てて転職しようとしたのはなぜなのか、どうしてここで働きたいと思っているのかが気になるのが当然です。特に問題になるわけではありませんが、転職しようとした理由や志望先として選んだ理由については聞かれるでしょう。理由に問題がなければ採用候補者として見てもらえます。
#在職期間が短い看護師の転職のポイント
在職期間が長くなれば転職で不利になることはあまりありません。ただ、3年未満の場合には不利になるリスクがあり、特に1年未満の場合には苦労することになる場合が多いでしょう。在職期間が短い看護師はどのように転職活動を進めたら良いのでしょうか。
・在職期間が短い理由を明確にする
在職期間が短い理由を明確にして、納得してもらうのが最も重要です。パートナーの転勤や親の介護などのやむを得ない事情があった場合には転職理由を明確に説明できるでしょう。ただ、人間関係のトラブルなどによって退職することになった場合には事実をそのまま伝えるのは得策ではありません。たとえ、自分が原因ではなかったとしても、トラブルが起こる一役者になってしまっていたのなら印象が悪くなります。嘘のない範囲でやむを得ない事情を作れるかどうかをまずは考えてみましょう。難しいようであれば在職期間が短い理由を志望理由にすり替えてしまうのが得策です。魅力的な職場を見つけたからいてもたってもいられなくなって転職活動を始めたという説明をする方法です。理由が明確で納得できる内容だったら、在職期間が短かったとしても受け入れてもらえるでしょう。
・転職エージェントに登録して転職活動をする
転職エージェントに登録するのも看護師にとっては賢い方法です。転職エージェントは人材紹介をしている会社のサービスです。看護師は登録すると転職エージェントから求人の紹介を受けられます。転職エージェントが直接人材紹介の依頼を受けている案件については、病院などの依頼主と直接のコンタクトがあります。依頼主が求めているスキルや経験のある看護師なら、在職期間が短いけれど適材がいるから紹介したいという形で連絡を取ってくれます。そのため、在職期間が短かったとしても採用したいと考えている職場に巡り会える可能性が高いのがメリットです。転職エージェントに登録すると最初にヒアリングがあり、在職期間が短いとなぜ転職しようとしているのかを詳しく聞かれます。その際に必ずしも表面的な回答をする必要はありません。職場で苦しい思いをしたことを伝えても何も問題ありません。同じように苦しい思いをするような職場に転職してしまうことがないようにサポートしてくれます。応募先に転職理由を説明するのがつらいという看護師にとっては特に大きなサポートになるので、転職エージェントに登録して仕事探しをすることも前向き検討してみましょう。
まとめ
看護師は在職期間が短いと転職で不利になるのは確かです。1年未満ではスキルを身に付けられていないだけでなく、人格や性格に問題があるリスクが懸念されてしまいます。3年程度でこのような不安を抱かれることがなくなります。短期間で転職するときにはもっともな転職理由を用意するか、転職エージェントを利用するのが良いでしょう。
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