看護アセスセントはこうしよう?

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#2074 2023/01/20UP
看護アセスセントはこうしよう?
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看護師として、必要な業務のひとつである、アセスメントですが、なかなかうまくいかず、苦労している方もいると思います。
今回の記事では、アセスメントをする際にどういうことがポイントなのか、私の事例をもとに説明していきます。
コツがつかめるといいのですが…。

・看護師として、アセスメントする時のポイント

ポイントとしては、

・実際にあった事例紹介

こういった患者さんがいました。
専業主婦のIさんは、一年くらい前から、お腹に痛みがあることが多くなりました。
時には、痛みがひどく、動けなくなるくらいだそうです。
血を吐くときもありましたが、しばらくすると痛みが治まっっていたため受診はしていなかったようです。
家族が心配して、病院に行くことを勧められ、しぶしぶ受診に来たのですが、内視鏡検査を行い、胃がんと分かり、入院になりました。
私が、患者さんに質問していく中で、いろんなことが分かってきました。
まず、お腹のどこが痛むのか…。
すると、どこが痛いかわからないくらい痛むときは痛むと答えます。
「親や兄弟、親類の中で、ガンになった方はいますか?」
すると、
「父が、胃がんで亡くなりました。父方の祖父も胃がんでした。」
今の痛みはどうかと聞くと、我慢ができないくらい痛いときもあるが、今日は、大丈夫とのことでした。
私「今、どのような症状が一番つらいですか?」
Iさん「痛みはないのですが、吐き気が凄いです。何度もトイレに駆け込んでいます。」
 私は、
・いつ頃から「最もつらい症状」があるのか
・「最もつらい症状」の原因をどのように考えているのか
・「最もつらい症状」があった時、どのように対応したのか
を聞こうと思い、
「いつ頃から吐き気がありますか?」
「それまでどのような生活をしていましたか?」
「吐き気を感じてから、何か心掛けていたことはありますか?」
と聞きました。
Iさんは、
「1年くらい前くらいから感じていました。夫と2人で海外旅行に行ったりして、食べたことがないものばかり食べていたり、いつもお酒を飲んで寝不足だったりしていたから、そのせいかなと思ってました。早く身体を休めようと心掛けてはいましたが、なかなか出来なかったんですけどね。」
そう答えました。
私「入院中に体力がどこまで回復すれば良いと思ってますか?」
Iさん「吐き気も痛みも治して、夫との生活に戻りたいですね。」
Iさんは、手術で、胃の半分を摘出し、抗がん剤などでの治療をしながら、2カ月ほどの入院の後、転移もなく、無事に退院していきました。
それからは、抗がん剤の治療を続けながら、定期的に通院しています。
通院のたびに、病棟に顔を出してくれ、元気な顔を見せてくれます。

・アセスメントの意義、意味など

アセスメントとは、英語で「assessment」と書きます。
「客観的に評価・査定する」という意味を持ち、看護アセスメントは、看護過程のひとつで、患者さんにあった看護計画を立てるために行われます。
 患者さんの状態を分析・評価することで、患者さんが抱える問題点が明確になるので、治療や看護ケアの方向性を決める判断材料となります。
アセスメントで重要なことは、個人の価値観・考え方・生活習慣などの人間像全体を把握することです。
患者さん本人にとって、望ましい看護でなければ、いかに丁寧な看護ケアを提供していたとしても、患者さんが嫌がると思います。
「患者の情報を収集すること。病状や病気あるいは状況の経過についての患者の主観的な訴えと臨床検査や身体診査・病歴などから得られた客観的データをもとに、疾病やその状況について評価・査定を行うこと」です。
・その他アセスメントに関する情報
アセスメントをするときの注意点ですが、
・「前提」の情報収集をしっかり行う
・看護理論をもとに着目ポイントを整理する
・「S情報とO情報」を正しく理解する
・事実と推測を混ぜない
の4つです。
前提の情報収集をしっかり行うとは、
・診断名
・入院までの経過
・主訴
・入院目的
を聞くということです。
1,最もつらい症状は何か(「主訴」の確認)
はじめに、現在最もつらいと感じることは何か質問します

2,いつ頃から「最もつらい症状」があるのか(「入院までの経過」の確認)
次に、症状を自覚するようになってから受診・入院するまでの経過についての情報を集めます。

3、「最もつらい症状」の原因をどのように考えているのか(「入院までの経過」の確認)

4,「最もつらい症状」があった時、どのように対応したのか(「入院までの経過」の確認)

5,入院でどこまでの治療を望んでいるか(「入院目的」の確認)

看護理論は、看護における知識を体系化し、看護に関連した現象をより明確かつ具体的に説明するための枠組みです。
看護理論に基づいた枠組みは以下のようなものがあります。

・ヘンダーソンの「基本的看護の構成要素14項目」
・オレムの「セルフケア理論」
・ロイの「適応理論」

この中でも、ヘンダーソンの「基本的看護の構成要素14項目」は、授業で習うので、馴染みがある方も多いと思います。
ヘンダーソンを基に、そこから具体的なデータ収集項目の抽出や、問題を導くうえでの判断を考えていくとわかりやすいと思います。
ヘンダーソンの14の基本的欲求は、
1・正常に呼吸する
2・適切に飲食する
3・あらゆる排泄経路から排泄する
4・身体の位置を動かし、またよい姿勢を保持する
5・睡眠と休息をとる
6・適切な衣類を選び、着脱する
7・衣類の調節と環境の調整により体温を保つ
8・身体を清潔に保ち、身だしなみを整え、皮膚を保護する
9・環境のさまざまな危険因子を避け、また他人を傷害しないようにする
10・自分の感情、欲求、恐怖あるいは”気分”を表現して他者とコミュニケーションをもつ
11・自分の信仰を実践する
12・達成感をもたらすような仕事をする
13・遊び、あるいはさまざまなレクリエーションに参加する
14・正常な発達および健康を導くような学習・発見をする。あるいは好奇心を満足させる

S情報とO情報
・S情報(主観的データ):患者さんが話した言葉そのもの
・O情報(客観的データ):観察した事実

わかりづらいアセスメントの特徴として、「S情報とO情報が間違っていること」が挙げられます。
お腹に手を当て、前かがみになり、眉間にしわを寄せて、「お腹が痛い」と話している患者さんがいます。
この場合、「お腹が痛い」はO情報なのでしょうか?

答えは違います。
「お腹が痛い」は、患者さんが自分自身で感じて、患者さん自身が発した言葉なので、S情報になります。
このケースのO情報というのは、「お腹に手を当て、前かがみになり、眉間にしわを寄せている」という観察した事実ということになります。
S情報とは、Subjective dataのことで、主観的データです。
患者様が話した言葉そのものを「 」 に入れて記入します。
O情報とは、objective dataのことで、客観的データです。
・看護師が観察したことや実施したこと
・医師や家族からの情報
・検査結果 などから得られたS以外の情報
を指します。
「S情報・O情報にない情報からアセスメントをしないこと」も大事です。
わかりづらい記録の特徴として、「S情報・O情報にない情報から解釈したアセスメントになっていること」もあります。
S情報・O情報にない推測が混ざっている状況です。
アセスメントの目的が明確になっていない場合に陥りやすいです。

まとめ

看護アセスメントをする際には、s情報・O情報が大事だということが分かってもらえたと思います。
アセスメントをする際には、この2つに気を付けると、うまく行きやすいです。
・患者さんと向き合い必要な情報を収集する
・そこから、「患者さんに起きている問題」「必要だと思うケア」は何かを考える
ことが大切です。
S情報・O情報を正しく理解し、簡潔に記述することから始めるといいと思います。

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