患者さんが過ごすベッドについては、安心して過ごすことができるように看護師の管理が必要となります。その時、ベッド周囲の安全管理に目を向けることにより、インシデントを少なくすることができます。ここでは、患者さんのベッドの安全管理はできているのかそのことについて、お話します。
・一日のほとんどをベッドで過ごす患者さん
患者さんは入院をしてくると、1日のほとんどをベッドで過ごすことになります。その時、快適に過ごすことが出来ることはもちろんのこと、安心して過ごすことができるように、看護師はベッドの周囲のアセスメントを行い安全管理を行うことが大切です。そうすることにより、患者さんの安全を守ることができます。
ベッドというのは、休息をする場所です。しかも入院をしている患者さんは、状態として危険を察知することができません。時には、意識がない患者さんもいます。ベッドのうえや下について、見ることもできないので危険と思う気力も体力も備わっていません。そのことからも、看護師がベッドの上や下などをアセスメントし安全管理を行うことになります。
・ベッドの床頭台に危険なものがないか
ベッドの周囲として、気になるのはなんといっても床頭台です。床頭台には、色々な物を入れることになります。現金については、鍵のかかる場所に入れることになっています。しかし現金をそのままにしている患者さんもいます。盗難にあう危険性があるので、見かけた際には鍵のかかる場所に入れるように伝えます。
また床頭台には、はさみやナイフ等をいれていることもあります。それは入院をしてきた時点で、患者さんの持ち物として確認をすることになっています。しかし、その後に持ち込むこともありナイフが入っていることもあります。ナイフは果物などをカットする際に使うものであることが多いです。しかしそれを使っている時に、手等を傷つけることもあります。
また病院というところでは、安全な場所として刃物は禁止しています。入院パンフレットにもそのことを記載してしますが、忘れてしまう等して持ち込むこともあります。
・ベッドは固定されているか
患者さんのベッドについては、ストッパーがついています。そのため、移動した際にはそのストッパーをはずすことがあります。特に使用するのは、部屋を変わる時です。手術をしたり状態により、大部屋等から個室に移動することがあります。その時には、ストッパーを外して移動することになるのです。その後には、きちんと固定がされるように、再度ストッパーを固定します。
しかし急いでいるときなどに、そのまま固定がされていないこともあります。すると、ベッドを動かした際にとても危険です。そのことは患者さんが動かすこともあるのです。ふとした時に、ベッドにもたれたりした時に動くことがあるのでとても危険です。
ベッドは移動させた際には、きちんと固定をするようにしましょう。
・ベッド周囲の危険性について指導する
患者さんはベッドの上で過ごすことが多いですが、トイレに移動したりそのほかのことでベッドから離れることもあります。その時、患者さんが一人で歩く場合に、危険を伴います。
まず危険であるのは、ベッドから降りる時です。ベッドから降りる時に、患者さんが想像していた以上にベッドの高さがあることから、その際に転落したり転倒してしまう危険性があります。
患者さんは、私たちと違い寝ていることにより足腰がとても弱っているのです。そのため、入院する前の状態のままお利用とすると転落することもあります。そのことについては、患者さんに指導することをおすすめします。
またベッド周囲に水をこぼさないことも重要です。水をこぼしている場合は、看護師が拭き取ることにしていますが気づかない場合もあるので気をつけてもらえるように伝えます。
・ベッド柵は必ず行う
ベッド柵については、必ず設置することになっています。ベッド柵を設置することにより、寝ている患者さんがベッドから転落することを予防することができます。また寝具についても、そのベッド柵があることにより寝具の下への落ち込みを防ぐことができるのです。
ベッド周囲は、汚れていることもあり下に落ちてしまうと寝具が汚れてしまう事と、もう一つ感染をしてしまうこともあります。病院の床はいつも掃除をしてキレイにしていますが、汚れているということを前提にして患者さんに伝えるようにしましょう。
・採血後の物品忘れに注意
患者さんの処置として、最も多いのは採血です。採血をすることにより、患者さんの状態の変化をしっかり知ることができます。そのため、入院をしてくる患者さんには必ず定期的に採血を行います。その際、採血を行う場所としてはベッド上になるのです。
ベッドの上に、採血の必要物品をおいて実施することになります。採血を行う際には、とても緊張します。そのため、採血が終了するとホッとすることになりその後の確認が十分にされないこともあります。
その確認というのは、なんと言っても物品をきちんと回収したかということです。物品そのままベッド上に置いたままになるととても危険です。一番危険となるのは、針です。針を置き忘れることは滅多にありませんがゼロではありません。針があると、患者さんを傷つけてしまうことになります。
また皮膚の弱い患者さんの場合は、駆血帯やアルコール綿、そのほかの採血器具により少しの刺激でも肌荒れを起こしたり傷つくことも有ります。
看護師の採血物品の置き忘れに関しては、必ず過失になるので十分気をつけたいですね。
・シーツのシワに注意
患者さんが一日のほとんどを過ごしているベッドは、汚れたときや定期的にベッドシーツの交換を実施しています。その時、シーツに関してシワになっていないようにきちんとセットすることが望まれます。それは、なんと言ってもシワがあることにより、皮膚に皮下出血を起こしたりひどい場合は褥瘡を起こしたりすることがあるからです。
歩ける患者さんの場合は、そんなに心配することはありませんが寝る時間が多い患者さんの場合は、要注意です。私たちが考えている通常のシワで、患者さんの皮膚が変化することがあります。特に寝たままの状態だと、看護師も気づかないうちに、皮膚が傷ついていることもあります。
毎日清拭をしたり、皮膚の変化についてチェックをしていますがそんなこともあります。少しのシワでも、褥瘡が起きることを思い、ベッドシーツのシワについても注目してアセスメントしていきます。
・側臥位での窒息に注意
寝たままの患者さんの場合は、自分でいろいろなことができない場合があります。そして特に注意をしたいのは、意識のない患者さんです。意識のない患者さんの場合は、自分で動くことができません。そのことから看護師は、特にベッド上での危険な箇所について目を光らせることが必要です。
その中で、体位変換を行った際にクッションなどが顔に当たっていないか注意をします。側臥位になり、顔の周囲に何もない状態がベストです。顔の周囲にクッションがあると、そのクッションがたちまち凶器になってしまいます。それがふとした時に移動して、患者さんの顔を塞いでしまうからです。すると窒息してしまいます。それはとても危険なことであると、今一度アセスメントをしっかり行うことが大切です。
まとめ
いかがでしたか?患者さんのベッド上は、看護師の観察により守られています。その観察ができなくなると、たちまちインシデントやアクシデントを起こすことになります。
患者さんの安全は、看護師がしっかり守ることを常日頃から意識をして行動したいですね。時には、カンファレンスをして危険な内容について情報共有することをおすすめします。
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