看護アセスメントの流れと上達のコツ

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#2064 2023/01/10UP
看護アセスメントの流れと上達のコツ
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アセスメントって難しいですよね。
私も新人の頃は医師や先輩看護師が何を話してるのか、記録に何を書いているのか分かりませんでした。
そこで、私がどんな流れでアセスメントをし、どんなことを意識して行ってきたのかご紹介したいと思います。参考になれば幸いです。

○はじめに

私は看護師7年目の手術室看護師です。病棟経験もあります。
看護師は常に根拠を求められますよね。
根拠を元に患者さんの状態をアセスメント(評価)し、医療・看護を提供します。
看護学生を経験したことのある人なら、1度は言われたことがあるのではないでしょうか?
「根拠は?」と。
アセスメントには根拠があり、根拠とは言い換えれば知識です。
知識は勉強しなければ身につきませんが、アセスメントが上達するコツは知識だけではありません。
上達のコツは身につけた知識を使って、自分なりに患者さんに何が起きているのか予想し、結果がどうだったのか「答え合わせ」まですることです。
当たり前かもしれませんが、案外できていない人もいるかと思います。
「患者さんの状態が悪くなっている」、「何かいつもと違う」ことをただ医師に報告するだけでなく、自分なりに理由も考える。その過程が大事です。
それでは、私のアセスメント開始から終了、答え合わせまでの流れを説明します。

○患者さん本人から必要な情報を取る

アセスメントは「評価」なので、評価する対象の患者さんの情報がないとそもそも評価できません。
看護記録のSOAPでは、S:主観的情報とO:客観的情報の2つがありますね。どちらも大事ですが、まずS情報から説明します。
全身を診察し、症状を細かく聞き取ります。観察は手法がいくつかありますね。

・視診:目で診察する。頭から足先までしっかり観察
・聴診:聴診器を使って耳で音を確認。
・触診:手で触れて硬さや、腫れていないか。痛みはないか観察。
・打診:軽く叩いて内臓の状態を観察。
・問診:どんな症状がいつからあるのか。どんな風にどこがどうあるのか問う。

さらに言えば、鼻で匂い嗅ぐこともできますね。
患者さんの全身を観察するのであれば、こちらも全身を使って看護しましょう。

○カルテから必要な情報を取る

患者さん本人から情報をもらったあとは、カルテから情報をとります。カルテからとる情報は主に検査データですね。
特に看護師が見てわかりやすいのは血液検査です。
レントゲンなどの画像データや、心電図などの生理検査は多くの看護師が苦手としています。看護学校では習わないので。
血液検査であれば多くの場合、正常値の記載がありますし、異常値は色が変わって表示されるなど強調されています。
そのため、一目でどのデータに異常があったのか理解しやすいです。もちろん、どのデータが何の異常を示しているのかは勉強しないといけませんね。
検査データから、体のどこで異常が起きているのか予想します。
「血液検査の日だったからデータを確認してみたら、異常値があった。もしかしたら何か症状があるかもしれない。」
と思って観察をするのと、何も知らずに観察をするのでは大きな差があります。
データを見るのは医師の仕事だと思わず、自ら意識して検査データを見るようにしておいた方がいいですね。
検査データの情報もとれたら、患者さんから得た情報と組み合わせます。

○患者さんからの情報とカルテからの情報を組み合わせる(必要なら医師へ報告)

情報を取り終えたら、組み合わせて診断を予想します。
例)患者さんは熱があるし、咳も痰もでている。肺の呼吸の音も雑音がある。
血液検査では炎症や感染の時に上昇する値も上がってる。レントゲンの写真でも肺が白くなってる。肺炎だろうな。
といったような感じです。もちろん、逆のパターンもあります。
その場合は
1検査データで異常があることに気づく
2観察をしたら症状がある
3診断を予想する
という流れですね。
あくまでも診断は医師がするので、看護師は決定できません。
しかし、自分なりにこのようにアセスメントして、医師の診断を予想してみます。
誰かに言う必要もないですし、メモしたりする必要もありません。ただ自分なりに予想してみることが大事です。
ただし、患者さんの異変に医師が気づいていない場合は、医師へ報告するのが私たちの最優先の仕事です。
「先生。○○さんですが、39℃台まで熱発しています。Spo2も90%台前半まで低下気味です。
(その他咳や痰、胸部聴診音などを加えてもいいでしょう)採血も確認しましたが、ワイセ(白血球)やCRP(炎症を示す値)も上がっています。
何か指示を出されるかと思いまして、確認の連絡をさせていただきました」
といった感じですね。
医師によっては連絡の仕方で怒る先生もいるかと思うので、報告の仕方も難しいです。
先輩に相談して、どういう風に報告するか確認してもらうといいでしょう。

○予想を繰り返し、その都度答え合わせをする

さて、私の普段のアセスメントの流れを説明してきました。
アセスメントは一通り終わりましたが、最後にやることがあります。
それが、自分のアセスメントは正しかったのか確認する「答えあわせ」です。
入手した情報から、アセスメントをするところまで出来たら、それだけでも立派です。
「なぜ患者さんがその状態なのか」を考えることを医師に委ねず、自分で考えるだけでもアセスメント力は向上すると思います。
しかしそこまで出来たなら、もう一歩進んでみませんか?
自分のアセスメントが正しかったのか、間違っていたのか知ることは非常に大事です。
・正しかったら自信になる=やる気につながる
・間違っていたら知識を得ることができる=新たなアセスメントの思考や知識を学ぶことができる。
結果を知る=答えあわせまですれば、アセスメントが正しかろうと、間違っていようと自分の看護師としてのスキルアップにつながります。
逆に答え合わせまでしないアセスメントは、その後同じような場面に直面したときに活かすことができません。
過去のアセスメントが正しかったのかわからないからです。
「何度も考え、答え合わせまでする。」これが着実に看護アセスメント力を向上させる手段です。
何か初めてのことを始めるときはいつもそうですよね?
・初めて料理を作るとき
・部活で初めての経験をするとき
いつだってみんな最初はできません。しかし繰り返し経験し、自分のやっていることが正しいのか間違っているのか知る。
そうやって上達します。アセスメントも同じなんです。

○答え合わせはどうやってする?

いくつか方法があると思います。
・自分で勉強する
・自分のアセスメントは正しかったのか先輩に確認する
・教えてくれる医師がいるのなら医師に確認してみる
・カルテで医師の記録を読んでみる
個人的には、自分で勉強したり、医師記録を読んだりすることが多いです。
今挙げた方法以外にもあるかもしれません。
自分で正しいと思う方法でできれば、方法はどうやっても構いません。
新人さんや、経験の浅い看護師さんは医師に確認するのはちょっと気が引けますよね・・。
どうしても医師に確認したいときは先輩に頼ってみてもいいと思います。
部署に大抵いますよね。コミュ力がものすごい看護師の先輩。
相談したら一緒に医師に確認してくれるかもしれません。

まとめ


簡単に内容を振り返りましょう。
アセスメントをする時は、
1.患者さん本人から情報をとる
2.カルテから必要な情報をとる
3.患者さんからの情報とカルテからの情報を組み合わせる
4.予想を繰り返し、その都度答え合わせをする
という流れで行います。
知識を勉強するだけでなく、情報から患者さんに何が起きているのか予想をします。
そしてその予想が正しいのか、間違っているのか結果を知ることが大切です。
繰り返しやってみて、アセスメント力UPを目指しましょう!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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