自分が今後働き続ける職場を決めるということは非常に覚悟がいることだと思います。本当にこの職場に決めてしまっていいのかな?働いてみて怖い先輩ばかりだったらどうしよう?このような悩みがつきない就職活動中の看護学生の皆様に、少しでも力になれるよう、自分に合った職場の見つけ方を紹介していきます。
長く大変だった看護学生としての生活も終わりに差し掛かり、就職活動について頭を悩ませている方もいると思います。さて、皆さんが思い描いている理想の看護師として働くために、切っても切れないものが職場環境です。どれだけ高い志を持っていても、どんなに努力をして多くの知識を持っていたとしても、ブラックな職場や人間関係が悪いような職場では心を病んでしまったり、ハードな労働環境により体調を崩してしまったりするかもしれません。
実際、看護師として働きだして数か月で、職場の環境が合わず、人間関係に悩まされ、適応障害やうつ病を患い、休職しなければいないような新卒看護師さんは沢山います。あの辛い実習を乗り越えて、大量の課題や記録、他にも様々な困難を乗り越えた人でさえも、そのようになってしまうほど過酷な職場もあります。もちろん、どこの病院でもそれなりに苦しいことや辛いことはあります。しかし、大変なことはありながらも、やりがいを感じて、看護師として誇りをもって働いていけるような職場を見つけてほしいと思います。
そこで、皆さんの就職活動における気になる病院の情報収集のポイントについて紹介していきます。どうか入念に準備を行って、安心して楽しく働ける職場を見つけましょう!
①口コミサイトで気になる職場を調べてみよう!
看護師の口コミサイトというものを見たことがありますか?看護師の口コミサイトというものは、現在その病院で勤務している看護師や、過去にそこに勤めていた経験のある看護師が病院の口コミを投稿しているものです。
では、いったいどのような口コミが投稿されているのでしょうか?具体的な例を挙げてみていきましょう。
―給与について―
紙面上の給与から税金等の金額が引かれ、実際に手取りとしてどのくらいの額が貰えるのかということや、夜勤に入らず日勤のみの勤務だった場合どのくらいもらえるのか等の詳しい情報が書かれています。仕事内容にやりがいを感じること、人の役に立ちたいと思い働くことはもちろん望ましいことですが、やはり働くことのモチベーションの1つとして欠かせないものがお金だと思います。自分が気になる病院の給与は知っておくとよいでしょう。
―残業について―
忙しい職場や人手不足の職場では残業がつきものです。大体目安として月にどのくらい残業をしているのか、残業申請はできるのか等の情報を探してみましょう。数としては少なくなってきていますが、古い病院などでは、タイムカード制度を未だに導入しておらず、紙面にて残業申請をする必要があるところもあります。その場合は自己申告する必要があるため、申請しづらく、結局サービス残業をするということにもなりかねません。なかなかタイムカード制度の有無まで書いてくれている投稿に巡り会えることは少ないかもしれませんが、少なくとも残業が多い職場なのかどうか、若手でも残業申請ができる環境なのかという観点はチェックしておくとよいでしょう。
―人間関係について―
看護師の口コミサイトには、職場で働いている人の年代や人間関係についてまで記載されています。中には若い看護師が少なく、主婦層が多く占めている中堅看護師が多いという口コミを見かけることがあります。このような内容は必ずしもとは言えませんが要注意です。なぜなら、若手が入ってきても、中堅看護師の権力があまりにも強く、若手が耐えられずに辞めてしまうという職場である可能性があるからです。
実際、私の職場にも過去にそのような口コミが投稿されていました。そして、先輩から聞いた話によると、6~7年前までは実際に新卒が入ってもパワハラやいじめによりすぐに退職というような状況が続いていたみたいです。今は改善され、職場の雰囲気も良好ですが、その当時に入職した新卒看護師さんたちはとてもつらい思いをされたかと思うと心が痛みます。このような職場を避けるためにも、入念に情報収集をすることは非常に重要です。
中には、投稿された時期まで書かれている口コミもありますので、そこもしっかりとチェックしてみましょう。私の体験のように職場の環境が変わっていることもありますので、あまりにも古い投稿は気にしすぎず、直近3年間くらいのものは参考にするとよいでしょう。
また、診療科別に書かれている口コミも重要です。ここの病棟の雰囲気は良いけど、前の実習の病棟の雰囲気は怖かった等、実習に行った際に病棟によってかなり雰囲気が異なるという風に感じたことはないでしょうか?福利厚生や給与の面では病院の中で統一ですが、実際、人間関係については病棟によって全く異なります。ですので、そのような口コミは職場が決まり、診療科の希望を出すときに参考にしていきましょう。
②働いている先輩や実習に行った友人に話を聞いてみよう!
気になる病院で勤務している知人がいる場合、実際に連絡を取って話を聞いてみましょう。学校の行事として、卒業した先輩の話を聞ける機会があることもあります。もしそのような会が設けられているのであれば、積極的に参加してみましょう。その場合、自分が行きたい病院だけでなく、他の病院についての情報を得ることも大事です。なぜなら1つの病院に絞ってそこだけに焦点を当ててしまうと、その病院の良し悪しが見えにくくなってしまうためです。他の病院についての情報を得ることで「他の職場よりも残業多そうだな」ということや「有休消化率は低い方なのかもしれない」ということに気づくことができます。
また、そのような場には卒業して1~2年目の若い看護師さんが呼ばれることが多いので、気になることや聞きたいことは、気軽に沢山質問をしましょう。きっと先輩方も数年前に同じように悩んでいた経験がありますので、親身になって相談に乗ってくれることでしょう。
また、学生時代は地元を離れていたけれど、就職は地元に戻ってしたいと考えている場合、地元の友人に連絡を取ってみましょう。もしかするとその病院での実習経験があるかもしれないし、知人から評判を聞いていることもあるかもしれません。何か少しでも情報が得られるように、頼れる人を頼って、安心して職場を決めていきましょう。
③インターンや病院見学に参加して、実際の職場環境を自分の目で見てみよう!
コロナ流行以前は、多くの学生が夏休み等の長期休暇を利用して、自分が行きたい候補の病院(1~3つ程度)に参加していました。現在は、コロナ禍でインターンを中止している病院もあるかと思いますが、“百聞は一見に如かず”という言葉があるように、可能であればインターンに参加して、実際に病院の中を歩いてみて、そこで働く看護師の姿を見て、自分の肌で感じてみることができるかと思います。もし、インターンを中止している病院であったとしても、オンラインでの病院説明会を開催していることもあります。実際に病院に行ってみることと比べると雰囲気や職場環境が分かりづらいとは思いますが、私がオンライン説明会に参加した際は、先輩看護師さんに質問する時間が設けられたり、座談会のように先輩方が雑談されている様子を見ることができたり、職場の人間関係を想像しやすく、参加してみて良かったです。
上記に挙げた3つのポイントを参考にしながら、自分が気になる病院の情報収集を始めてみましょう。そして情報収集をしたことをノートなどにまとめておくと、後で見直すことが出来たり、他の病院と比較したりすることができるので良いかもしれませんね。
もし情報収集していく中で、気になる病院、志望していた病院を変えたいと思うことがあったとしても、決して落ち込む必要はありません。今後自分が働いていく職場としてふさわしくないということを就職する前に気づくことができたのは、非常に素晴らしことなのです。あなたが自分としっかり向き合って、自己分析をして、入念に情報収集をしたから気づくことができたのです。病院、施設、企業等、あなたが働く場所はいくらでもありますので、またゆっくりと情報収集から始めて、自分に合った職場を探していきましょう。
まとめ
いかがでしたかでしょうか?
ここまで就職活動における職場の情報収集について述べてきましたが、イメージが湧いたでしょうか?
まずは自分の理想の働き方、ライフスタイルを思い描いた上で、自分に合う職場を見つけていきましょう。
今後、皆さんが素敵な職場で看護師として活躍していけるよう願っています。
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