看護アセスメントは難しいと思っていませんか。看護師としてより良い医療に貢献したいと思っているなら医師との関係をよく考えましょう。ここではより良いやり方ができるようになるコツとして、医師との差別化を起点にして考える看護アセスメントの方法を紹介します。
看護と医療の関係について学んでいると、医療チームでそれぞれの専門スタッフが専門性を発揮するのが重要だという話題がよくあります。看護アセスメントをするときには医師と差別化をして、看護師ならではのアセスメントをするが重要だと考えられるでしょう。ただ、本当に医師との差別化を重視してアセスメントを実施した方が良いのかが疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。看護アセスメントは医師との関係をどのように意識したら良いのかを詳しく考えてみましょう。
#アセスメントでは医師と看護師の関係が重要
看護アセスメントでは医師との関係がとても重要になります。医師だけでも看護師だけでもクオリティの高い医療を提供することはできないからです。看護師が医師に協力を求めることでアセスメントをしやすくなります。ただ、安易に医師を崇めてしまわないようにしましょう。日本の医療制度では医師が重要なのは確かですが、看護師も欠かせない役割を果たしているからです。
・看護師だけでなく医師もアセスメントが必要
看護師に看護アセスメントが必要なように、医師もアセスメントをしてより良い医療の提供を目指すことが必要です。医師がアセスメントをするプロセスも看護師と基本的には同じで、患者の言葉や検査の数値に基づいて評価します。看護師は看護の観点からアセスメントをするのに対して、医師は診断や治療という視点を中心として医療全体をアセスメントするのが基本です。より良い医療を提供するためには医師も看護師しか手に入れられない情報を知る必要があります。医師も看護師も互いに協力して、アセスメントに必要な情報を提供し合う関係を作り上げるのが重要なポイントです。
・看護師と医師は医療での役割が違う
アセスメントをするときには看護師と医師は一緒にやれば良いというわけではありません。お互いの情報を持ち寄って評価をすればより良いプランを立てられると思いがちです。医師と看護師の間で良好な関係を築き、一緒にアセスメントをする機会を作れるのであればやってみても良いでしょう。ただ、看護師と意志では医療における役割がまったく異なります。アセスメントの視点もプランの内容も同じになってしまっては意味がありません。看護と医療のそれぞれの視点から専門的な考え方でアセスメントもプランの策定もするのが理想的です。このような違いを理解して、必要な情報を共有しながらそれぞれがアセスメントをするのが医療のクオリティの向上につながります。
#看護アセスメントは医師と差別化が必要?
看護師と医師では役割が違うとなると、やはり看護師としては医師との差別化が必要だと思うのではないでしょうか。看護アセスメントをするときに差別化が重要なのかどうかをもう少し詳しく掘り下げて確認しておきましょう。
・役割が違うのでできるアセスメントは違う
医療における役割が違うので、看護師と医師でできるアセスメントは違います。看護師は看護の専門家ですが、医療全般について医師よりも優れていることはあまりないでしょう。逆に医師は診断や治療には強いものの、看護の詳細についてはよく理解していない場合がほとんどです。現場で必要とされる職務も役割も違うため、できるアセスメントも違います。そのため、看護師は自分だからこそできるアセスメントをするという考え方を持つのが重要です。
・差別化を意識すると看護の重要性が見える
自分だからできるアセスメントを考えるときには、医師との差別化を意識するとわかりやすくなります。看護の重要性が見えてきて、アセスメントの観点として盛り込むことができるからです。医師は医学知識に基づいて判断をしていますが、看護の視点は欠けています。看護師が患者にケアをするとQOLが向上することもあるでしょう。現場で働いていた看護師ほど患者の近くにいる看護師の重要性を理解しているはずです。患者が悩みを抱えているときに、お医者様と言われる医者には言えなくても看護師になら打ち明けられることもあります。患者視点で看護師の役割を考えると、医師と差別化できる点が浮き彫りにされます。差別化を意識することで看護師が本来果たすべき役割を担うためのアセスメントを遂行できるようになるでしょう。
#医師との差別化をするときの注意点
看護師が医師との差別化を重視してアセスメントをするときには注意点があります。上述のように看護師でしかわからないこと、医師だからこそ手に入れられる情報があることは意識することが必要です。基本的な主観的情報、客観的情報を共有するのは欠かせません。その上で、看護アセスメントをするときには以下の2点に注意しておこなうようにしましょう。
・アセスメントを共有してプランを揃える
看護アセスメントを実施したときには、担当医と情報を共有しましょう。これまでおこなってきた看護と医療の結果をそれぞれがアセスメントし、今後のプランとして何が必要なのかを提示し合います。看護師と医師のそれぞれの視点からプランを提示し合い、方向性が合うようにすり合わせるのが重要です。看護と医療の観点からまったく同じ方向性のプランが出てくるとは限りません。患者の状況に合わせて、医師が何をすべきか、看護師がどのような対応をすべきかを議論しましょう。看護師と医師がそれぞれアセスメントをしてプランを立てると、考え方もお互いに整理されているので議論がスムーズに進みます。それぞれの立場からプランの調整をして、同じ医療の方向性にすると看護と医療の相乗効果が生まれます。
・アセスメント後のアクションの共有をする
アセスメントを共有してそれぞれのプランを立てたら、具体的なアクションを共有しましょう。医師と看護師の間でただプランを共有して方向性を揃えるだけでなく、具体的なアクションの足並みや方向性が合うとさらに医療のクオリティは向上します。看護師が率先してプランに基づくアクションを具体化して提示するのが大切です。医師は看護師からの刺激を受けて、具体的なアクションを考えることがよくあります。医師からもアクションの内容を説明してもらうと、医師のサポートという視点からも何をすべきかが明確になります。また、医師から追加の要求を受けることも多く、協力して患者の治療に当たっていく流れを作ることにも直結するでしょう。アセスメント後のアクションは積極的に医師に伝え、医師からもアクションの内容を説明してもらいましょう。
・医師が理解を示さないときの対策
医師にプランやアクションについて看護師の立場から説明しても特にレスポンスがないこともあります。医師がアセスメントをして看護師と共有しようという気持ちがないのが原因でしょう。医師が理解を示さないときには、焦らずに情報提供を続けるのが大切です。アセスメントに使う情報、自分が看護師としてアセスメントをした結果、その結果から立てたプラン、アクションの内容は徹底して医師に伝えましょう。医師もより良い医療の実現を目指しているので、看護師との情報共有が必要だとわかった時点で話をしてくれるようになります。それまでは根気強く医師に働きかけていきましょう。他の看護師からも理解を得て、自分以外からも医師に働きかけてもらうと意識改革が起こりやすくなります。
まとめ
看護アセスメントでは医師との情報、アセスメント、プランの共有をして、一丸になって患者の治療に当たるのが重要です。看護師は医師とは現場での役割が違うので、意識して看護の視点からアセスメントをしましょう。アセスメントの結果と今後のプランを医師と共有してすり合わせればよりクオリティの高い医療を患者に提供できます。
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