看護師が測定するバイタルサインというと、体温と呼吸、血圧があります。そして最近では、サチュレーションを測定することも一般的となっています。患者さんを把握するためには、サチュレーションを測定することはとても重要です。ここでは、そのサチュレーションについてお話します。
・サチュレーションの正式名称
サチュレーションは、今や一般の人も使うようになり馴染みのある医療機器となっています。そのサチュレーションは、皮膚から測定することにより値を示しています。
正式名称としては、経皮的動脈血酸素飽和度と言われています。そのことから、病院で使用するサチュレーションは、一般の市販のものと違い、できるだけ正確な値を知りたいので、少し違う形となっているもののあります。
直ぐに使えることと、使うことにより痛みを伴わないので患者さんの負担がありません。とても良い医療機器と言えます。
・サチュレーションの正常値は?
そのサチュレーションは、よく患者さんに使用します。患者さんに使用するときに、正常値について知ることが大切ですね。正常値としては、96から100%となっています。
しかし色々な理由から、その値が変動することもあるので注意が必要です。特にお年寄りの場合は、基準値よりも低く出ることが多いです。95%であっても、正常値となることもあるので、その患者さんの疾患や、普段の値を知り測定するようにします。
患者さんの中には、異常値であっても普通に生活をしている人もいます。チアノーゼもないので、看護師が測定したときにびっくりすることもあるかもしれません。たくさんの要因があるので、その要因を複合的にアセスメントして判断します。
・安静時に測定する
サチュレーションは、患者さんの安静時に測定することが大切です。ほとんど寝ている患者さんですが、少し歩いても変動することもあります。寝ていた患者さんが久しぶりに歩いた時には、サチュレーションが低くなります。
また、検査をした直後なども値が低くなります。低い問には、その要因を調べて判断しましょう。
・冷感がある場合は低くなる
サチュレーションは、冬に低く値が出ることがあります。それは、なんと言っても寒いからです。寒いので、血流が悪くなっている結果、値が低くなります。また、四肢冷感がある疾患などの場合も、もちろん低く出てしまいます。その時、手が冷たい時には手を暖めるようにしましょう。
温めた後に測定することをおすすめします。すると、正常範囲になることが多いです。それでも値が低くなる場合は、別の要因があるのでその時にはアセスメントが必要となります。その都度、値が低い場合はアセスメントをして総合的な判断が望まれます。
・低い値が出た時のアセスメント
サチュレーションを使う時には、だいたい呼吸器疾患のある患者さんなどの場合が多いです。または、手術をしたあとに呼吸機能が低下している場合などに使用します。
その時、低い値が出た時には、必ずアセスメントすることになります。普段の入院生活の中で、発熱してサチュレーションが低い場合は、肺炎などが疑われます。手術後も、肺炎を疑うことになります。
サチュレーションの値が低い場合は、直ぐに肺音を確認します。その時、左右差がある、肺音が聞こえにくいなどがある場合は直ぐに医師に報告をして指示をうけるようにします。
・その他の症状を把握する
サチュレーションが低い時には、必ずそれに伴う症状を観察します。まずサチュレーションを測定していると言うときは、だいたい患者さんが急変した時です。その時、異変を感じてバイタルサインやサチュレーションを測定します。
そしてサチュレーションの値が低い時には、バイタルサインとそのほかの症状を照らし合わせてアセスメントをします。
しかし時間をかけてしまうと、ますます患者さんの状態が悪くなることもあります。サチュレーションの値低く、普段の患者さんと違う症状がある場合は、直ぐに医師に報告をします。それは、なんと言っても早急に処置をすることが必要となるからです。処置を早くすることにより、回復も早くなります。
また早急に検査を行う場合もあります。特にサチュレーションが低く、チアノーゼを呈している場合は、酸素吸入などを行いながら処置や検査をします。医師の指示により、早急に動きます。
・処置はどんなことがあるの?
サチュレーションが低い場合は、まず医師に報告をしてその指示を受けます。たびたびサチュレーションが低下する患者さんの場合は、あらかじめ医師よりサチュレーションの値により、酸素投与の指示がでている場合があるのでその指示に従い酸素を投与します。
また急変してサチュレーションが低くなった場合は、その状況により処置を行います。まず、処置を行うことが出来る場所まで患者さんを移動させます。吸引を行うこともあるので、処置が出来る場所に移動します。その時間もなく急変時に処置が必要と思う場合は、移動式の吸引器を誰かに持ってきてもらうようにします。酸素に関しても、同様の処置を行います。
そのような急変があることを想定して、なにかあった時のために医療機器の確認は欠かすことができません。医療機器と同様に、救急カートの点検も毎日行います。不足している物品については、直ぐに補充します。
・緊急時はチームとして動く
緊急時となった場合は、一人の看護師ができる範囲は限られています。そのことからも、緊急時とおもった時には、ほかの看護師に伝えて協力をしてもらいましょう。時間との勝負となるので、そのことはとても大切です。患者さんの命が掛かっていると思い、チームとして動くことを常に頭においておきましょう。
その時、呼ばれた看護師は、ほかのことをしていても直ぐに駆けつけて処置を手伝います。
・サチュレーションが作動しない時
サチュレーションはとても頼りになる医療機器ですが、時折作動しないこともあります。それは、故障しているときも考えられます。故障している時には、画面が見えにくい、明らかに値がおかしいなどでわかります。
その時には、直ぐに修理依頼を行います。
・サチュレーションに頼りすぎない
サチュレーションはとても参考になる医療機器ですが、その値ばかりに気を取られていると他のことを見る視点が薄れてしまうことがあります。
サチュレーションは、あくまでも参考として患者さんの全身のアセスメントをします。それにより、総合的な判断が必要となります。
・小児は皮膚悪化に注意
サチュレーションは、色々な種類があります。その中には、小さい子供さんに使うもののあり、その扱いには注意が必要です。持続して使っている場合は、その部位にテープで貼り付けていることもあります。テープを使うことにより、外れることを防ぐことができます。
しかしそのときに、サチュレーションのテープかぶれを起こしてしまうことがあります。同じ部位に巻いている場合は、毎日その部位について、値を見ながら蒔き直すようにします。テープがつかなくなることもあるので、その場合はテープを交換します。
サチュレーションを持続して巻いている場合は、低温やけどを起こしてしまうことがあります。サチュレーションが発する熱により、起こしてしまうのです。そのようなリスクもあるので、サチュレーションを巻いている部位の観察もしっかり行いましょう。
まとめ
いかがでしたか?サチュレーションは、患者さんの状態を把握するためには、とてもわかりやすい簡単に使うことができる医療機器です。
しかしその値で安心していると、全体の患者さんを把握できていないこともあります。まず患者さんの顔色、バイタルサインを観察して総合的にアセスメントするようにしましょう。
サチュレーションを装着する時の部位や、その部位の観察も一緒にしたいですね。
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