アセスメントはコツさえ掴めば出来る!

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#1996 2022/11/07UP
アセスメントはコツさえ掴めば出来る!
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アセスメントとは看護師にとって付き物ですよね。そして難しくてなかなかできない…。でもコツを掴んでしっかりとアセスメントの枠組みが理解出来ていれば、簡単なのです。看護学校時代に習った知識を思い出しながら、アセスメントについてご紹介します。

◎アセスメントとは

アセスメントとは対象となる患者を観察し、根拠に基づいて分析することです。このアセスメントがあって看護行為を行うための計画を立案することができます。根拠なしに看護行為は行うことができません。患者さんに対する理解を深めるために、アセスメントは必要不可欠です。経験を積めばつむほど、頭の中で自然とアセスメント出来るようになっていきます。

◎アセスメントの方法

まずアセスメントでは、①主観的情報と②客観的情報を収集します。
①主観的情報とは、患者の訴えなど患者が発するもの
②客観的情報とは、検査データ、バイタルサイン測定の値など目に見えるものとなります。
この情報を収集して記録に残していきます。

◎記録の方法

・経時記録
時系列に沿って5Wで記録する方法です。この記録方法は、経時的で分かりやすく、急変や事故発生時の記録に使われることが多いです。
?書き方の例?
8:00 巡回のため訪室すると、ベッド上に見当たらず、探すと床に横たわっていた。点滴台が転倒し、頭部より出血あり。

8:05緊急コールを押して、スタッフの応援を呼び、医師に連絡を依頼。バイタルサイン測定を行う。心拍数=105回/分、血圧89/64mmHg。呼び掛けに対して反応あり。「頭が痛い」と発言あり。

8:10医師到着。頭部CTのため、ストレッチャーに移乗し検査室に移動する。…続く
このように、事実を時間に沿って細かく書いていきます。その時の様子が、誰が見てもわかるように主観的要素を入れずに、見たままの客観的データのみで記載していきます。

・SOAP
S(主観的データ)、O(客観的データ)、A(アセスメント)、P(看護計画)に沿って記録をします。記録を見ただけで、患者の状態とアセスメント、計画を一度に把握することができます。
?書き方の例?
S:「体がだるいです。熱っぽい感じがあります。とても熱く感じます。」
O:体温=38.5℃、体熱感あり、咳嗽、鼻汁などの感冒様症状あり。床上にてぐったりしている。
A:発熱があり、感冒様症状が見られていることから、何らかの感染症に罹患している可能性がある。発熱から来る倦怠感が起こっていると考えられる。
P:医師に報告し、検査を依頼する。発熱にたいしては、体熱感があり、暑さを訴えているため、クーリングを実施する。医師の指示通りの頓服の解熱剤を使用する。

・フォーカスチャーティング
F(焦点)、D(情報)、A(行動)、R(反応)を記録する様式です。多くの病院で採用されている記録方法だと思います。
?書き方の例?
F:発熱あり 倦怠感の訴えあり
D:「熱っぽい感じがして、体が熱くてだるいです。」と発言あり。体温=38.5℃。体熱感あり。咳嗽、鼻汁の感冒様症状あり。床上にてぐったりしている。
A:医師へ報告する。発熱に対してクーリングを実施する。医師の指示簿を確認、頓服の指示を得て内服を実施
R:医師の指示を元に、解熱剤を使用し、体温=37.0℃に解熱。「だいぶ楽になりました。」と発言あり。

どの看護記録の書き方であっても、誰がいつどこでみても分かるように書かなければなりません。なるべく省略語を入れず、客観的に書きましょう。また、必要な情報をピックアップして、それによるアセスメントを端的に行い、なるべく簡潔な記録を目指しましょう。場数を踏めばどんどんわかりやすい記録をかけるようになってくるので、最初のうちはひとつひとつ丁寧に書いていきましょう。

◎ 看護理論に基づいてアセスメントする

ここでは現場でよく使われる考え方の2つをご紹介します。
① NANDA-I「13領域の分類」
領域1:ヘルスプロモーション・・・基礎的な情報、健康に対してどう考えているか
領域2:栄養・・・食事内容、食事回数など
領域3:排泄と交換・・・排泄回数、性状、インアウトバランスなど
領域4:活動/休息・・・活動時間、内容、睡眠時間など
領域5:知覚・認知・・・記憶能力など
領域6:自己知覚・・・自身のことをどう考えているかなど
領域7:役割関係・・・家族の中でどのような役割であったか、どのような仕事をしていてどの役割であったかなど
領域8:セクシャリティ・・・生殖器系の疾患、妊娠や出産について
領域9:コーピング/ストレス耐性・・・ストレス解消方法など
領域10:生活原理・・・生活の中で大切にしていること、信仰しているもの、嗜好品など
領域11:安全/防御・・・麻痺の有無、転倒転落のリスクなど
領域12:安楽・・・気分転換が図れているか、ストレスとなっている原因は何かなど
領域13:成長/発達・・・年齢、身長、体重など

② ヴァージニア・ヘンダーソン「14の基本的欲求」
・正常に呼吸する・・・呼吸数、呼吸パターン、酸素飽和度など
・適切に飲食する・・・食事量、身長、体重など
・身体の老廃物を排泄する・・・排泄回数、インアウトバランスなど
・移動する、好ましい肢位を保持する・・・生活習慣、麻痺の有無など
・眠る、休息する・・・睡眠時間、疲労の有無など
・適当な衣類を選び、着たり脱いだりする・・運動機能、認知機能など
・衣類の調節と環境の調整により、体温を正常範囲に保持する・・・室温、湿度、バイタルサインなど
・身体を清潔に保ち、身だしなみを整え、皮膚を保護する・・・入浴回数、整容など
・環境の危険因子を避け、また、他者を傷害しない・・・認知機能、皮膚損傷、感染予防対策など
・他者とのコミュニケーションを持ち、情動、ニード、恐怖、意見などを表出する・・・表情、言動、聴力、視力、認知機能など
・自分の信仰に従って礼拝する・・・信仰の有無、価値観など
・達成感のあるような形で仕事をする・・・職業、社会的な役割など
・遊ぶ、あるいは、ある種のレクリエーションに参加する・・・趣味、ストレスへの対応方法など
・正常な成長発達および健康へとつながるような学習をし、発見をし、好奇心を満たし、また、利用可能な保健設備等を活用する・・・疾患や治療に対する理解度と学習姿勢があるか

この項目に沿って情報を整理することで、患者の全体像が見えてきます。

◎関連図を書いて頭の中の思考を整理する

学生時代によく書いた関連図というものがあると思います。アセスメントをする上で、どこがどう繋がっているか分かるためのツールとなります。関連図を書くことで、これが原因でこうなっていたんだと言う気づきを得ることが出来るので、役立ちます。綺麗に書こうと思わず、自分がわかる程度に書いてみましょう。頭の中の思考を整理するためにも役立ちます。

◎経験あるのみ

看護師は毎日患者の状態を記録していきます。毎日こなせば自然と力が着いていきます。また、先輩たちの記録を見て、どのような着眼点で観察をして、そこからどう考えてアセスメントとして繋げているのかを学ぶのも良いかと思います。わかりやすいなと思った記録は真似して自分のものにしましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?なかなか数をこなさなければ難しいのがアセスメント。根拠に基づき、患者にとってより良い看護を提供するための重要なものとなるので、アセスメント能力をつけていきましょう。最初は紙に書いても出来ないとしても、慣れれば頭の中で整理してできるようになっていきます。大変ですが、アセスメントに着いて一緒に学んでいきましょう。

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