入院している患者さんの中には、不眠を訴えることがよくあります。その時、不眠になるいろいろな理由がありますね。その理由を考える時、看護師のアセスメントが重要です。ここでは、不眠を訴える患者さんのアセスメントについてお話します。
・不眠になることが多い
入院している患者さんについて、不眠を訴えることが多いと思うことがありませんか?患者さんは、よく不眠を口にします。
入院をすることにより、まずなんといっても入院環境により不眠になってしまうことが多いのです。今までに一度も不眠になったことがないという人でも、入院という環境になると、不眠になることもあります。それだけ、患者さんにとっては入院という環境になるとストレスを抱えてしまい不眠になってしまうのです。
不眠になると、様々な障害が起きることもあります。不眠により、フラツキなどが起きることもあります。フラツキが起きると、転倒や転落をするおそれもありますね。
また、気持ちの落ち込みも強くなります。私自身も不眠になると、何となくもやもやして気持ちが落ち着かないと思うことがありました。そのように寝ることができないというのは、とても辛いことなのです。そのことを思い、不眠について患者さんの思いを感知しアセスメントすることが重要です。
・疾患について
入院してくる患者さんの場合は、確定診断がついていて治療を目的とする人と、確定診断がついておらず、検査入院となる人がいます。検査入院となる患者さんも不眠になることがあります。どんな病気なのだろうと、不安を抱えてしまいその後に考えるので不眠となってしまいます。
また疾患が確定している場合は、そのことについて色々と悩んできたけれど、まだまだ考えてしまうのです。その時、いい方向で考えることは少ないです。まず、最悪のことなどを考えてしまいます。自分の命がなくなるかも知れないと思うこと等も、考えてしまうことがあります。
そこまで考えることはないだろうと思うかもしれませんが、実際には悩みはつきません。そして夜になると、静かになりより考え込んでしまい不眠になることがあります。
・患者背景について
患者さんの普段の生活の中で、不眠になる生活をしていることがあり入院をすることにより、更にそのリスクが高まることがあります。
その一つとして、ゲームなどがありますね。ゲームなどをしていると、知らない間に時間がどんどん過ぎていることもあり、気が付くと夜になっていることも。また夜から朝にかけて、ゲームをすることもありそんなときには、朝から寝ることもあるのです。
またよくあるのは、不規則勤務をしている人の場合が不眠になりやすいです。それは、なんといってもバイオリズムが崩れていることからです。その結果、少しの変化でも不眠になることがあります。看護師の場合も、不眠になりやすいです。そのように、患者さんの普段の生活習慣から不眠になる要素があることをアセスメントして、不眠リスクを洗い出すことになります。
・家族との関係
家族が居る人の場合は、家族により入院生活をサポートしてもらうことができます。しかし家族がいても、家族との仲があまりよくない場合は、サポートを受けにくい状況となってしまいます。
家族とうまくいっていない患者さんの場合は、不眠になるリスクがあります。家族との関係が悩みとなってしまうからです。入院をしていると、いろいろな不安が次から次へと膨らんでしまいます。その時、家族のサポートをうけることができないと、その不安の身体的症状として不眠を引き起こしてしまうことがあります。
それと同じように、家族がいない患者さんの場合も不安が強くなり不眠になることが想像されます。
・同室者がいるか
不眠を訴える患者さんの中には、自分のことではなく入院しているほかの患者さんのことで不眠になってしまうことがあります。それは同室の患者さんのことが関係しています。
同室になると、どうしても自分の事よりもほかの患者さんのことが気になることもありますね。ほかの患者さんがテレビを見ているなど、それが毎日続くと不眠になってしまうこともあるでしょう。イヤホンをつけることになっているのですが、それを使わない患者さんもいます。
そのような場合は、入院規則を守ってもらえるように伝えることが大切です。同室の患者さんのことについては、言いにくいこともあるので看護師が察知して行動を起こすことが大切です。
・入院の回数
不眠を訴える患者さんの多くは、初回で入院をしている人が多いです。それは、なんといっても入院という環境に慣れていないことがあります。入院すると、今までの寝るというベッドや周りの静けさなどの環境ががらっと変わることになります。特に、お年寄りの場合はその環境に慣れにくいです。一人暮らしをしている人の場合は、更にそのストレスが高くなることでしょう。
入院をしてその辛さがあるので、入院をしたくないと思う患者さんも多いです。
入院をしてくる患者さんで、初回の人の場合は不眠になる確率が高いことを知っておきましょう。そして、適切なサポートをするようにします。
・患者さんの言葉を記載する
不眠の患者さんの場合は、「眠れない」「不眠で辛い」「早く退院したい」「音が気になる」などの、不眠に繋がるメッセージを訴えることが多いです。その時、その言葉をそのまま記録に残すことをオススメします。
それは、患者さんの不眠の理由は人それぞれ違うからです。そのことを、ほかのスタッフにも理解してもらうことが大切なのです。患者さんの言葉を記載することにより、その患者さんがどれだけ辛いのかと理解することができます。
軽い人もいれば、眠れないことにより食欲がなくなることもあります。また治療への意欲も減退してしまうこともあるので、記録に残しスタッフ全員で拘えるようにします。
・内服を希望する患者さんについて
不眠である患者さんの中には、内服薬を希望する人もいます。内服することにより、辛さを改善することができるので多くの患者さんが希望します。
その時、初めて内服する患者さんについては、特に注意が必要です。初回の場合は、ふらつきや転倒等のリスクを伴うからです。ふらつきは必ずあります。どんな患者さんでもあるので、注意をしてあるくことになるのですが夜間は照明も暗いこともあり、足元が危険です。そのことから、躓く危険性も多くなります。
また、夜間に起きてトイレに行くこともありその時に転倒してしまう危険性があるのです。ひどい場合は、そのまま骨折して手術になってしまうこともあります。そんなことになったら、大変ですね。
どんなに気をつけていてもそのようなリスクがあるので、医師や看護師は患者さんの特性を掴みケアすることが重要です。
・自宅での状態
患者さんは、生活環境が変わることで不眠となることが多いのですがその時に患者さんの自宅での生活はどうだったのかアセスメントするようにします。
自宅でも不眠である場合は、当然のように入院をすることにより不眠となります。そのように、以前から不眠という患者さんも居ることを理解しておきましょう。
・医療的原因
患者さんが不眠となる原因として、医療的原因もあります。その一つは安静度による不眠です。手術や検査により、夜まで安静で同じ姿勢であることがあります。その時、寝返りもできないし同じ姿勢で背中の痛みにより不眠になることがあります。
また点滴をしていて、動きが取れないということもありますね。その時には、不穏になることもあり要注意です。
そして夜間の巡回により、不眠となることもあります。看護師が2時間ごとに巡回することが辛いと思うのです。寝ていても、少しの音で起きることもありその後に不眠となることも少なくありません。看護師は、患者さんの巡視の時にも配慮が必要ですね。
まとめ
いかがでしたか?入院後にしっかり寝るということは、患者さんのその後の体調に大きく影響してきます。そして、不眠を訴える患者さんは人それぞれ理由が違います。その理由について、看護師としてアセスメントをしてケアをすることになります。時には、医師と合同カンファレンスを行い不眠についてサポートできるようにしたいですね。
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