大変な思いをしてとった看護師免許を活かして看護師として働くために就職活動は避けて通れません。学生は実習や勉強で忙しく、既卒者は仕事が忙しい中での就職活動は時間も足りず大変だと思います。そのような中でも就職活動が順調に行くためのポイントを紹介しています。
1.履歴書
履歴書は希望先に自分を知ってもらう大事な最初のツールです。採用担当者はあなたの人となりなどの情報は一切わからないので、履歴書からの情報のみであなたの印象が全て決まってしまいます。紙面のみの印象は加点方式ではなく減点方式なので、どんなに勉強や仕事ができてリーダーシップや協調性のある看護師としての魅力に溢れている逸材だとしても、誤字や字の綺麗さなどで簡単にマイナス印象を持たれてしまいますので気をつけましょう。
○様式・記入方法について
最近はコンビニや100均などでも気軽に履歴書を購入する事が出来る様になりましたが、その際にはアルバイト用などの簡略化されていないA3サイズのものを選びましょう。パソコンで履歴書を作成しても自宅で印刷する際はA4サイズまでしか印刷できませんが、サイズが指定されていなければ履歴書が小さいからと低評価になることはありません。しかしコンビニでA3で印刷すると他の同封する書類のサイズと揃うので先方が書類が管理しやすく見やすくなるというメリットがあります。近年は電子カルテが導入されている職場も多く、中には看護業務でタブレット端末などを使用する場合も多い病院もあります。そのようなIT化が進んでいる病院だとパソコンで作成した方がPC慣れしている印象を持ってもらえるので、好印象を持ってもらえます。しかし先方からの指定がない限りは手書きがベターです。履歴書を手書きするかどうかは就職先について情報収集して臨機応変に対応しましょう。履歴書を手書きする場合は、失敗してしまうと書き直す手間が惜しいですが、看護記録と同様に消えるボールペンや修正テープの使用はしないようにしましょう。間違えた際は二重線で修正して提出する事はせず、大変ですが新しい用紙に書き直すのがベストです。履歴書をパソコンで記入する場合は様式の指定がない場合は自分で履歴書を作成するのもいいですが、転職サイトやハローワークなどで履歴書のフォーマットを無料でダウンロードできるので、そちらを使用すると項目なども記入されているので効率的に作業ができます。
○送付・手渡しする際のマナー
【送付する場合】
封筒に入れる順番は上から送付状、履歴書、職務経歴書(指定された場合などの必要時)、その他の書類の順番でクリアファイルにまとめて封筒に入れましょう。
【手渡しする場合】
持参をする場合は上から履歴書、職務経歴書(必要時)、その他の書類の順にクリアファイルにまとめて封筒に入れて持ち運びましょう。受付で履歴書を提出する際は封筒のまま渡し、面接する際に提出する場合は封筒から出してクリアファイルごと手渡ししましょう。
2.面接
看護師は万年人手不足なので面接で落ちることはほぼないと思っている人も多く、一般企業の就活生より身だしなみに気を配れていない人が多いという話を聞くことがあります。しかし希望先が人気だった場合や、自分と同じ条件の就活生がいた場合は身だしなみに気をつけている人が採用されますので、最低限の身だしなみには気をつけましょう。
○看護師を目指すきっかけとその時に自分が思った事
看護師は金銭的に安定していたり、就職先に困らない(食いっぱぐれない)などのイメージが強いので、これらの理由が目指すきっかけになった人も多いと思います。しかし就職活動では素直にこの事を言ってしまうとマイナスイメージになってしまいますので注意しましょう。他の質問に時間を割きたい面接官も多いので、あまり具体例を聞かれる場合も少ないかもしれませんが、「子供の頃に看護師さんに優しくしてもらったので、自分もあの看護師さんのように患者さんに優しく患者さんに寄り添った看護師になりたいと思った」などのフワッとしたエピソードでもいいと思うので用意しておくといいかもしれません。
○実習や臨床で印象に残っている出来事と、そこで学んだ事
出来るだけ具体的なエピソードが好まれますが、面接時間は限られていますので端的に説明できるように事前に考えておくといいと思います。特にそこで学んだことは自分の看護観に影響を与えている場合が多いので、しっかりと考えておきましょう。
○退職した理由
既卒者で退職予定・経験のある場合は必ず質問されます。なぜかというと看護師はどこの病院も人手不足、そして育成には時間がかかるため病院側は長く働いてくれる人材を求めているからです。退職理由は明るい場合ではないことの方が多いと思いますが、そこで理由を素直に「人間関係が悪く疲れた」「残業ばかりでお給料に見合っていない」などと言ってしまうとマイナスイメージを持たれてしまいますので、なるべく自分の退職理由に近いポジティブな言葉に変換しましょう。汎用性が高いのは、「自分の経験したことのない診療科に挑戦し、スキルアップを目指したため」同じ診療科なら「〇〇科で仕事をしていく上で〇〇という手術(看護)に興味を持ち、より専門性の高い貴院で学習したいと思った」などを理由にしている人が多いです。他の理由として、看護師は激務なので体調を崩し退職してしまう場合も珍しくありません。そのような場合についてはプライバシーの観点から詳しく質問しない場合もありますが、医療業界なので差し支えなければと中には病名などをまで質問してくる場合もあります。そのような場合は、よほど説明したくない理由がない限りは包み隠さず「休養により現在は体調面について問題がないため、主治医からはこれから復職することについては問題がないと言われている」などの仕事をすることができ、長期的にも働く意志があることを伝えると悪い印象に残りにくいと思います。この点について説明していない場合の就職後に体調面で長期的な欠勤や治療が必要になった際にトラブルになる場合があるので気をつけましょう。
3.自己PR
自己PRと志望動機は同じでは?と混乱してしまいますが、実は全くの別物なんです。志望動機は自分がなぜこの病院で働きたいと思ったのかの理由を、自己PRは自分という人材はこの病院にどのような貢献ができるのかをアピールできる機会です。病院の理念に自己PRを絡める事が出来ると好印象となるので、事前に病院のホームページや資料に目を通しておきしっかりと自己PRしましょう。
○自分の強み(長所)
自分の短所はすぐにわかっても長所は分からない人という人もいると思います。ですが長所のない人間はいません。短所は見方を変えれば素敵な長所になります。
優柔不断→物事を慎重に考えることが出来る
押しに弱い→相手を尊重することが出来る
自己中心的→主体性がある
我が強い→リーダーシップがある
○強みを活かしたことのあるエピソード
看護師としての適正・強みの根拠を聞くための質問になります。協調性がある人の場合は、「協調性を活かして他職種と連携して患者さんに合った看護を一貫して行うことが出来た。また同僚の様子を気にかけてサポートを行い、みんなで協力して一日の業務を安全に行えるように努めた」などのエピソードを話せると思います。
○自身の強みがこの職場でどのように活かせるか
強みを生かしたことのあるエピソードと合わせて話すと自分を採用したことによるメリットを具体的にイメージしてもらいやすくなります。急性期の病院を希望しており判断力が優れている事が強みの人は、「病状の変化が著しい場合でも素早く状況を判断することが出来るので、いち早く状況報告をして対応をすることが出来ます」など、希望先の病院に合った返答が出来るといいと思います。
4.その他の調べ方
実習に行った病院であればある程度の雰囲気がわかるので希望先の特色などがわかるので就職活動の対策もしやすいと思いますが、そうではない場合もあると思います。そのような時は以下の方法も活用する方法も有効です。
○合同説明会、インターンシップ・病院見学会
主要都市で近隣病院が集まる合同説明会があります。あちこち行かずに多くの種類の病院の情報収集が出来るので効率的です。合同説明会で興味がある病院がインターンシップや病院見学を行っている場合は積極的に参加しましょう。
○周囲から情報収集
看護師は仕事柄常に情報収集をしているので、就職していない病院でも情報を持っている人が多いです。普段からのコミュニケーションで同僚にさりげなく情報収集しておくのもいいと思います。新卒の場合は、先輩や学校の先生が実習へ行っていたり就職していた・している場合があるのでまずは相談してみましょう。
まとめ
新卒・既卒者ともに理解しているようで意外にスムーズに行かないのが就職活動です。就職活動は自分を相手に売り込む(営業する)事です。印象やイメージは判断基準においてとても重要な指標の一つになります。少しでもみなさんの就職活動の参考になれたらと思います。
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