看護アセスメントを重視してPDCAサイクルを回そう!

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#1970 2022/10/12UP
看護アセスメントを重視してPDCAサイクルを回そう!
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看護アセスメントのスキルアップをしたいと思っていませんか。看護アセスメントのスキルが上がると看護師は飛躍的に成長できるようになります。この記事ではPDCAサイクルの観点から看護アセスメントのスキルアップ方法を解説します。

看護アセスメントのスキルアップをするには何をしたら良いか迷ってしまう人もたくさんいます。頑張っているつもりなのに成長しているような気になれないという人もいるでしょう。看護アセスメントのスキルアップには何が必要なのでしょうか。

#看護アセスメントのスキルアップのコツは?

看護アセスメントのスキルアップのコツは基本的に試行錯誤を通して経験を積むことです。アセスメントは情報に基づいて分析や統合をおこない、評価をするプロセスです。どのような視点で分析するかによって導き出される解釈や結論は異なります。どのような分析をするとより良い看護をおこなえるようになるかは、現場経験を通して体得することが必要です。
看護アセスメントで試行錯誤や現場経験が必要なのは、個々の患者に対して個別対応をする必要があるからです。均質な対応をしていたのでは看護による医療の向上に限界があります。何を目的にしてどのような看護を実施し、結果がどうなったのかを確認して次の看護に生かすというプロセスを繰り返すのが看護アセスメントのスキルアップにつながります。

#PDCAサイクルとは?

看護アセスメントのスキルアップではPDCAサイクルを回すのが効率的です。PDCAサイクルはビジネスプロセスとしてよく用いられているモデルですが、広い範囲で論理的に物事を進めていくのに応用できます。PDCAサイクルとはPlan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字を取って名付けられたモデルです。計画を立てて実行し、その結果を評価して改善したら、再び計画を立てて実行に移すというサイクルを回します。計画の実行と評価によって改善点が明らかになるので、次の計画はより良いものになるでしょう。新しい計画を実行してさらに課題が見つかったら、改善して次の計画を立てます。このような試行錯誤を繰り返すことでベストを目指すのがPDCAサイクルです。

#看護過程のPDCAサイクル

患者ごとに個別対応をする必要性が高い看護過程ではPDCAサイクルの効果が大きく発揮されます。看護過程では患者の状況を把握して最善の看護を実施することを目指すのが基本です。一般的に看護過程では以下の5つのステップで進めると良いと言われています。

・看護診断
・看護プラン
・看護介入
・看護評価
・アセスメント

それぞれのステップがPDCAサイクルに密接にかかわっているので、関連性を詳しく見ていきましょう。

・看護診断

看護診断は患者の情報を集めて分類し、問題が何なのかをはっきりさせるプロセスです。看護診断にはいろいろなアプローチがありますが、基本的には患者の不満を具体化していくのが基本です。看護師による看護介入によって改善できる点があるかどうかを突き詰めていきます。そして、ベネフィットとリスクを考慮して早急に対応する必要があるかどうかを考察します。必要とされる看護の優先順位を付けて次のステップに進みやすくするのが一般的です。

・看護プラン

看護プランは今後の看護の計画を立てるプロセスです。看護診断によって患者の不満が明らかになったので、具体的に今後の看護をどうするかを考える段階に進めます。PDCAサイクルではPに相当するステップです。成果目標を立てて、実現するために何が必要かを考えて計画を立てます。
看護プランでは観察計画、援助計画、教育計画という3つに分けるのが一般的になっています。観察計画は患者の容態や検査値などの取得計画です。援助計画は看護師が患者に直接実施する対応のことで、輸液の点滴や各種介助などが該当します。教育計画は治療やQOLの向上に必要になる指導のことで、患者だけでなく家族への指導も含みます。
このような3つの観点から具体的な行動計画に落とし込んで、いつ何をするかを明確にするのが一般的です。看護師の入れ替わりが多い現場では、誰がプランを見ても実行できるように丁寧に仕上げます。

・看護介入

看護介入は看護プランに従って看護師が患者にケアをしたり、家族に指導したりするプロセスです。PDCAサイクルではDに相当します。
計画通りに看護を進めていくだけで済む場合もありますが、想定外の事態が起こって計画通りにできない場合もあります。臨機応変に対応するのも看護では重要です。状況に応じてプラン外の看護をした場合には克明に記録を取っておきます。5W1Hに基づいて記録を残しておくと役に立ちます。

・看護評価

看護評価は看護介入をした結果を評価するプロセスです。PDCAサイクルのCに相当するステップになります。
看護プランを考えたときに立てた成果目標に基づいて看護介入による達成度を評価するのが最も単純な方法です。数値的に考えるのは難しい場合も多いですが、患者の様子の変化や検査値の変化などを指標にすると評価しやすくなります。そして、達成度に与えた要因を考察することで、看護介入が適した内容だったかどうかを評価します。達成度に影響があったのは看護介入だけとは限りません。患者自身の努力や家族の貢献、他の医療スタッフの対応なども加味して、看護がどのような意味を持っていたかを考察します。

・アセスメント

アセスメントは看護評価を受けてこれからの看護をどのようにして進めるかを決めるプロセスです。看護診断と看護介入で集まった情報も合わせて整理して分析し、患者の抱える問題をあらためて評価するのがアセスメントです。評価した結果として具体的にやるべきことが見えてくるため、PDCAサイクルのAの前半に相当するステップになります。
看護や診察などによる情報を収集して整理したら、まずは看護を同じ形で継続するか、修正するか、終了するかを考えます。最終目標に達したときには看護は終了して問題ありません。しかし、看護は一定期間の継続によって効果が出ることが多いので即終了になることはあまりないでしょう。
同じ方法で看護を継続すべきか、現時点で修正すべきかどうかは判断が難しい点です。ただ、成果目標に到達できていない場合には改善の余地があるので修正が必要でしょう。成果目標に到達できているなら、同じ看護を継続して経過を観察するのが得策です。この場合にはPDCAサイクルのPに戻り、同じ看護内容で看護プランを立てます。
修正が必要なときにはアセスメントの結果に基づいて看護診断に戻ります。看護介入による解決ができるところを洗い出して、次のアクションを決めるステップです。PDCAサイクルのAの後半に相当します。


#看護過程とPDCAサイクルの対応関係

このように看護過程を深く見てみると、PDCAサイクルとの関係もよくわかったのではないでしょうか。看護過程のPDCAサイクルでは以下のような対応関係があります。
P:看護プラン
D:看護介入
C:看護評価
A:アセスメント+看護診断
アセスメントがなくても看護評価から看護診断に進めるのではないかと思った方もいるかもしれません。しかし、看護評価をした時点では看護介入の結果が成果達成につながった程度がわかっただけです。看護終了あるいは看護継続の判断はできますが、修正が必要だったときには情報が不十分で的確な看護診断ができない可能性があります。
アセスメントは情報の整理と分析を通して、患者の状況を再認識するのに欠かせないステップです。看護のPDCAサイクルを回すときには特に重視して取り組みましょう。

まとめ

看護アセスメントのスキルアップにはPDCAサイクルが重要なことがわかったでしょうか。試行錯誤を通してスキルを磨く必要があるため、看護計画を立てて実行し、改善を目指すPDCAサイクルはうってつけです。看護アセスメントがうまくなるとPDCAサイクルも回りやすくなり、達成感も得やすいのでぜひ試してみてください。

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