看護師として結婚前や出産前まで働いてきた方が離職してしまうことはよくあります。しばらくして生活が落ち着き、再就職を目指したいと思ったときには、どうやって就職活動をしたら良いか悩みがちです。この記事では再就職のときに重要な自己分析のポイントを紹介します。
看護師が一度離職してから再就職を目指すときには自己分析をして、強みをアピールできるようにするのが大切です。病院やクリニック、介護老人保健施設、介護医療院など、さまざまな再就職先が候補になります。どのような施設で働きたいかをよく考えて決めるのはまず大切です。就職先の施設の種類が決まったら、自己分析を通して適性やポテンシャルをアピールすると採用してもらえる可能性が飛躍的に高まります。
看護師が再就職するときの自己分析のやり方として効果的なアプローチをまとめました。以下の5つのステップを進んでいく形を意識して、流れに沿って準備を整えていくと再就職に成功できます。それぞれのステップに肝心な点があるので、ポイントをチェックしながら自己分析の流れを見ていきましょう。
・現役で働いていたときの経験を棚卸する
看護師が再就職を目指すときに最も大切なのは、現役で働いていたときの自分の経験を振り返ることです。離職してからのブランクが長ければ長いほど、自分が現役のときに何をしたのかを忘れてしまって強みがわからなくなってしまいます。まずは自分が働いていたときに何を経験したのかをできるだけ細かく思い返しましょう。
この時点では看護師として強みできる経験なのかどうかは特に考える必要はありません。ちょっと触れたことがあるだけの業務も含めてリストアップしていくのが大切です。ほんの少しの経験でも貴重な体験なら、再就職後のステップアップに生かせる可能性があります。経験の棚卸をするときにはバイアスをかけないのが最も重要なポイントです。まずは自分の経験を一切評価せずに、現役看護師時代に何をしたのかを羅列してみましょう。若い時代から離職前までの経験を時系列で書き出すのが理想的です。現場でどのような経験を積んできたかを流れに沿ってあらためて理解できるからです。
・今でも自信を持てるスキルと知識をリストアップする
現役時代の経験をすべて書き出すことができたら、自分が自信を持ってアピールできることを探してリストアップしましょう。看護師はブランクが長い人ほど自分の自信を失っていて、再就職できないのではないかと不安になりがちです。何年間も現場を離れてしまっていると、もはや素人のようで何もできないのではないかと思ってしまうのが主な原因です。
しかし、経験の棚卸を終えてみると、今でも自信を持てるスキルや知識が見えてきます。看護の基本は今も昔も違いはありません。患者に対する看護の姿勢や、医師や他の医療スタッフとの付き合い方、医療関係者と患者や家族の間で調整をするテクニックなどが身についていればいつまでも活用できます。看護に関する知識を付けるために資格の勉強をしたり、セミナーや講習会に参加したりしたことがある人もいるでしょう。その知識は他の看護師は持っているとは限りません。他の看護師と比較して優れているとアピールできるポイントです。特に資格を取得した、セミナーに参加したという事実は客観的な根拠になるため、再就職ではアピールポイントとして有効活用できます。
注射やバイタルサインの確認などは現役のうちに経験を積んでいれば今も自信を持ってできると言える方も多いでしょう。注射は看護師として2年か3年くらいの経験を積んでいると、長いブランクがあってもすぐに勘を取り戻せます。やってみると意外に簡単に血管に入る場合がほとんどです。もともと苦手意識があった方の場合には強みにできるかは判断が難しいところですが、現役で働いていたときにできていたなら自信を持って問題ないスキルです。
医療機器の取り扱いについてはブランクが長いと新しい機器になっていて取り扱いで苦労すると思うかもしれません。しかし、近年の医療機器開発ではより使いやすいこと、現場で機器を更新したときに違和感なる使えることを重視しています。看護師として現役のときに使っていたのと同じ機器なら使いこなせると思うなら、十分に強みとしてアピールできるポイントです。
・離職中の経験から仕事に生かせるポイントを洗い出す
看護師として再就職するときには、離職中の経験を振り返って自己分析をするのも重要なポイントです。離職中の経験から仕事に生かせるポイントを考えてリストアップしてみましょう。
離職する理由として子育てがよくあるパターンです。子育てをする専業主婦をしていた場合には、子供の面倒を見ながら洗濯や掃除などの家事も並行しておこなわなければならないでしょう。複数のやるべきことを同時に考えて、効率的に進める力が育っているはずです。
看護師は臨機応変に対応することが求められる職種なので、さまざまなことを同時に考えて対応できるのは重要な能力です。柔軟な対応による成功談があれば強みとしてアピールできます。
・離職前と現在の違いを比較して強みと弱みを考える
離職中の経験を洗い出すと、この期間にいかに自分が成長したかを考えられます。看護師として働く際に、離職前と現在で何が違うかを比較してみましょう。再就職のときには離職によって自分がいかに有用な存在になったかをアピールするのが大切です。
例えば、子育てをしていたなら子供とのコミュニケーション能力が高まっているでしょう。介護をしていたなら高齢者との付き合い方や、介護施設でのサービスの問題点がわかっているはずです。実経験に基づいて何を学んだかを明確にすると、強みとしてアピールできる点が見えてきます。離職前ではできなかったことが、実は今ならできるということは多いので客観的に分析してみましょう。
また、強みだけでなく弱みも考えるのが大切です。離職せずに看護師として働き続けていたらどうなったかを考えると、技術面では劣ってしまうでしょう。その弱みがあったとしても、強みとしてアピールできるポイントをピックアップすれば魅力のある人材と捉えてもらえるようになります。
・再就職後に看護師として活躍できるストーリーを明確にする
最後のステップとして、再就職したらどういう看護師として活躍できるのかをストーリーにするのが大切です。ここまで自己分析をしてきた内容を整理して、今から現場で働き始めたときに、今後自分がどうなっていくかを考えてみましょう。
ブランクがあるから即戦力になれない部分があるのは確かです。弱みをきちんと分析すると、即戦力になるとは言い切れないでしょう。しかし、今でも自信を持てるスキルや知識を生かせば再就職直後から現場に貢献できます。スキルや知識を通して現場で何をするのかを具体的に考えて、結果として現場にどのようなプラスを与えられるのかを説明できるようにしましょう。さらに、その貢献によって自分が何を得て、次のステップとして何ができる可能性を切り開けるのかを考えます。このような流れで現場への貢献と自己成長を通して、より活躍できるようになっていくストーリーを描くのがポイントです。持続的に成長して大きな活躍をしていく有望な看護師と期待してもらえるからです。再就職のときには中長期的な展望を持っている看護師が好まれています。自己分析を徹底的におこなえば、自分の将来的なポテンシャルがよくわかります。自分自身の理解に基づいて、再就職後に自分が活躍していく姿を考えるのが成功のポイントです。できる限り具体的にイメージしてもらえるように、わかりやすいストーリーにまとめてから再就職にチャレンジしましょう。
まとめ
看護師の再就職では何に着目して自己分析を進めたら良いかがわかったでしょうか。自分の強みと弱みを、離職前と今で比較して考えるのが重要なポイントです。今の強みと再就職後の自分の貢献や成長を明確にしてストーリーを作り上げ、魅力をアピールできるようにして再就職を目指しましょう。
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