入院をしている患者さんは、入院中にいろいろな気持ちの変化があります。その時、入院患者さんが泣いている姿を見ることもありますね。ここでは、入院患者さんが泣いているときには、どのようにアセスメントをしたらいいのかお話します。
・入院をする辛さについて
入院をすることについて、その辛さはとても大きいということをアセスメントして理解することが大切です。私たちは、日常生活の中で何気なく暮らしていますがその暮らしがいっぺんに変わってしまうことになります。
それは、心身ともにかなり辛いです。まず身体的な辛さがあります。身体的には、痛みがある、嘔吐がある、なんとなく気持ちが悪い等です。その具合が悪い感じをまずなんとかしたいと思います。それを治療により回復させることが出来ると、随分と楽になります。
そしてもうひとつの辛さとして、精神的なものがあります。入院を予定している人の場合は、入院をする前からドキドキすることになり不安が更に強くなります。入院をすることがわかっているので気持ちをその間に安定させることが関るような感じがしますが、そんなことはありません。いろいろなことを想像して、不安が強くなります。そんな風に、入院している間に不安は必ずあります。
・入院で起きる不快なこと
入院をすると、自分の家で暮らしている毎日とは違いたくさんの不快なことがあります。その一つに、自分が思うように動くことができないことです。思うようにできないのは、病気のために動けない、治療をして動けないなどがあります。また自分の好きな時間に好きなように動くことができないので、そのストレスも強いです。
入院生活としていると、身の回りのことを看護師もしくは看護助手などにしてもらうことになります。清拭や入浴などは恥ずかしいという思いがありますね。恥ずかしいと思うことについて、なれることはありません。不安であり、その恥ずかしさの中に不快な感情があります。特に女性の場合は、そのことをより強く感じることでしょう。
看護師はそのことをアセスメントし配慮して動くことが大切です。
・気持ちが落ち込む時
入院患者さんが、気持ちが落ち込むのはどんな時なのでしょうか。そのことについて、アセスメントすることが大切です。入院をしている時に、まず落ち込むのは病気のことについてです。医師から検査をしたときなどに、その結果について説明があります。良い結果であると、気持ちががらっと変わることになるのですが悪い結果であると、とても落ち込みます。
医師から病状説明などを受けた後、その内容について看護師が付き添い一緒に聞くことが大切です。一緒に聞くことにより、その時の空気感や患者さんの表情、感情などを読み取ることができます。その時点で泣いてしまうこともあります。
・どんな時に泣いているのか
入院している患者さんについては、よく泣いていることがあります。そのことを看護師が気づくこともあるし、気づかないこともあるのです。
そしてどんなことで泣いているのかと気になりますね。まず泣きたい気持ちになるのは、家族がいる人は家族と離れることについてそのさみしさがあり泣いてしまうことがあります。子供がいる人は、子供と離れて生活することが辛いです。さみしさもあり、愛おしさもあり泣くことがあります。
また今後のことを考えた時に、悲観してなくこともあります。そのときは、人にその姿を見せないことが多いです。ひっそり泣くことがあるので、その時に看護師が気づくことが少ないでしょう。
しかし患者さんの表情を見て、目が赤くなっている、いつもよりも暗いなどで読み取ることができます。
・傾聴する
泣いている患者さんに対して、看護師はどんなことができるのでしょうか。その時、どうしてないっているのかまず知ることが大切です。泣いている姿を見ると、看護師もびっくりしますね。どうしたのかと尋ねた時に、答えてくれる場合もあれば、答えてくれない場合もあります。
答えてくれる場合は、看護師に話を聞いて欲しいと思っています。話を聞いてもらうことにより、患者さんは気持ちを安定させることができます。自分の気持ちを整理することができるので、その先のことを考えられるようになるのです。漠然とした不安に対しても、話を聞いてもらうことにより気持ちが落ち着きます。
しかし忙しくしている看護師の場合は、その時間をとることができないこともあります。そんなときには、後から必ず聞くことを伝えておきましょう。
・解決できる方法を一緒に考える
話を聞くことにより、患者さんの気持ちは少し楽になります。寄り添ってくれたということで、とても安心するのです。入生活では、自分の気持ちについてしっかり話をすることができません。一人でいるので、そのことにどうしようもない悲しみが押し寄せてきます。話を看護師に聞いてもらえると、楽になりどうしようかと考えることができます。その先のことについて、医療スタッフとして患者さんの気持ちを捉えて解決出来る方法を見つけます。
もしも患者さん同士のトラブルの場合は、部屋交代を行います。また不安がある場合は、医師にもう一度話をしてもらえるように依頼します。漠然とした不安のときには、そのように人に話す、話を聞いて気持ちを整理することがとても大切です。
・カンファレンスをする
患者さんが泣いていた理由がわかると、そのことについてスタッフ全員で共有するようにします。それは何と言っても、スタッフ全員がその悲しみや不安に寄り添う事ができるようにするためです。
しかし患者さんが、スタッフ全員が知ることによりショックを受ける内容もあります。患者さん同士のトラブルについては、知られたくないと思っているのです。そのときには、知っていても知らない素振りをします。
知っていることについて、全てにアクションをして話をしたり慰めたり等の行動を起こす必要はありません。知っていることにより、患者さんの気持ちを理解して動くようにします。
・医師にも伝える
患者さんが泣く事いうことは、よほどの辛い事があっての事なので、そのことを理解します。そして医師にも、そのように泣いていたことについて伝えておきます。すべての医師に伝えることがむつかしいので、主治医には伝えるようにしましょう。
そして医師の協力がいる場合は、そのことを依頼します。例えば病気の不安について泣いていた場合は、不安を取り除くことができるような言葉かけをしてもらえます。看護師が声をかけるよりも、病気のことを一番知っている医師に声をかけてもらえるだけで気持ちが落ち着くからです。そのままよりも、協力をえる事をおすすめします。
患者さんは、医師を尊敬しているのでより効果があります。
・家族のこと
家族がいる患者さんの場合は、泣くことが多くなります。家族と離れて生活をすることについて、とても不安があるからです。まず不安なのは、何と言っても子供の事です。子供が寂しい思いをしていると思うと、自分の事よりも子供の気持ちを思い、泣いてしまうのです。
その時には、面会時に家族だけになれるような空間創りなどを行い、リラックスしてしっかり家族と話をすることができる時間を作ってあげるようにしましょう。
・患者さんが泣けると思う看護師とは
患者さんは、看護師のことをよく見ています。そしてこの看護師にはあまり話しかけないようにしようなど、気持ちを持っていることがあります。
とても頼りにしている看護師や、話しかけやすい看護師には心をさらけ出して話をしたり泣いたりと感情を出すことが出来るのです。患者さんが、不安に思っている気持ち等の感情を出すことは、とてもいいことです。
その時、同じ看護師が話を聞いたりすることになりますがそれだけ選ばれた看護師であることを思い、寄り添えるように出来るといいですね。
まとめ
いかがでしたか?患者さんは入院中に、通常あまり感情を出さないように気をつけていますが、ふとした時に我慢していた感情が泣くということにより爆発することがあります。
その時、一番頼りになるのは看護師です。患者さんが泣いている時には、寄り添い後からでも話を聞くからと声掛けができる看護師になれるといいですね。
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