入院をしてくる患者さんは、治療とプラスして食事をしっかりとることにより回復が早くなります。しかし中には、食事量が減ってしまったり全く食べなくなることもあります。ここでは、食事を食べない患者さんのアセスメントについてお話します。
食事は大切
毎日の食事については、私たちにとって楽しみの一つですね。どんなモノを食べようかとそのことを考えるだけで楽しくなります。ところが患者さんの場合は、病院の食事になり、その楽しみが半減してしまいます。 朝食に関しては、同じモノを食べることを多くそのときも不満に思うことでしょう。しかし病院の食事として、それは考えられてメニューを考えているので食事をしっかり食べてもらう事が大切です。食事をしてもらうことで、回復を早めることになります。栄養素をしっかり取り込むことは、とても大切な事ですね。 看護師は、患者さんが食事をあまり食べられていない時には、そのことに注目します。どうして食べられていないのか、どんな症状があるのかなどを十分アセスメントして対策を考えるようにします。 必要時は、栄養士や医師に相談をして改善策を一緒に考えることもあります。それにより、患者さんは栄養素をしっかり取れるようになります。
・患者さんの食事について
患者さんの食事については、私たちが普段食べているものと違います。その食事は、個別性となっているのです。入院をしている時に、治療としてまず食事があります。 糖尿病、腎臓疾患、手術後である、飲み込めない患者さんなどは治療食を食べることになります。特に糖尿病や腎臓疾患などの病気の人は、退院をした後にその食事が必要となるので、教育入院として食事が出される事があります。 その食事に慣れてもらい、患者さんがそれを作れるようにサポートします。患者さんとその家族に指導をすることになり、食事とは別の時間に指導をすることにしています。 治療食に関しては、あまり美味しくないと思うこともあるでしょう。薄味なので、こんなものは食べることができないと、拒否をすることもあります。しかし治療食として、少しづつ患者さんに慣れてもらうことになります。
・患者さんが食べない時
入院患者さんの中には、病院で食べる食事を楽しみにしている人もいます。そのような患者さんは、やっぱり回復が早くなりますね。栄養素をしっかり取り組むことができるので、その点で回復しやすいのです。 その反対に食事を食べない患者さんも、もちろんいます。その患者さんには、患者さんなりの理由があります。患者さん自身がその理由を理解していることもあり、その時には看護師に伝えてくれます。アセスメントによりわかることとして食事の中で食べられないものがある、好みではない等です。 また疾患により食べられないこともあります。特に抗がん剤治療をしている患者さんの場合は、匂いだけでも辛いと思うことがありその場合は無理をしないように伝えます。
・歯が痛い
入院している患者さんの中には、長期入院をしていることもありその間に歯が痛くなることもあります。その時、食事をするのは辛くなりますね。歯が痛いというのは、とても辛いので食事どころではないと思ってしまいます。 そのことについてわかった時には、歯科医院で診察を受けることになります。総合病院の場合は、歯科が診療科として外来で診察が行われていることもあり、その歯科に紹介して治療を依頼します。 歯科がない病院では、往診という形で受診をすることも可能です。そのように対処してあげることをおすすめします。
・入れ歯の具合が悪い
入院している患者さんの中には、入れ歯を使っている人もいます。入れ歯の場合は、総入れ歯のこともあるし部分的に差し歯として使っていることもあります。食事をしている時に、その入れ歯がないと美味しく食べることができません。入院して入れ歯を使っている患者さんの多くは、その入れ歯を使うことにより美味しく食事を食べています。 ところが、入院中にその入れ歯の具合が悪くなることがあります。歯茎が痩せてしまい、密着しなくなることもあります。またそれを装着するときに、痛みを感じてしまうこともあり、そうなると食事をすることができなくなります。 入れ歯の具合が悪くなったときも、歯科医院にコンタクトをする必要があります。
・好みのものではない
人はそれぞれ食材の好みがありますね。その時、入院している患者さんの場合も同じ事が言えます。 特に多いのは、朝食でパンが欲しいまたはご飯がいいという要望です。その要望に関しては、殆どの病院で対処していると思います。朝食でパン食にする、ご飯にするという選択肢があります。入院をした時点でそのどちらがいいのかを、選ぶことになります。 またアレルギーがある場合は、そのことも変更する事が大事です。アレルギーに関しては、大変なことになるので慎重に対処します。アレルギーがあることがわかっている場合は、事前にそのことを栄養士に伝えます。 また食事をしていて、そのことが分かることもあります。痒くなる、発疹がでる、体がだるい、喉がイガイガするなどは直ぐに対処ガ必要です。入院時に、アナフィラキシーショックになることは少ないのですが、ゼロではないので食事でそのような症状が出たらアセスメントして、直ぐに医師に報告をしましょう。
・食欲がない
入院している患者さんのなかには、食事を食べたくないということもあります。それはいろいろな理由から、食欲ガなくなることがあります。 一番考えられるのは、治療やそのほかのことでの不安が強いことから食事を食べることができないと思っている時です。そのような患者さんは、日々その気持ちが変化します。食事が急に食べられなくなることもありますが、少しづつ食べたくないという行動をとることがあります。 その後に、食べられるようになることもあるので、様子を見ることもアリです。
・嘔気がある
治療を受けている患者さんの場合は、食事を受け付けないことが多いです。抗がん剤治療の場合は、特に食べることができなくなります。治療を受けていても、全くそのことに関係なく普段通り食べることができる患者さんもいます。 ところが、多くの抗がん剤治療を受けている患者さんの場合はその副作用としてほとんど食べることができません。 それを見ることにより、嘔吐してしまうこともあるので嫌という場合は無理をしない事が一番です。治療を受けている患者さんの場合は、家族の差し入れなどにより食べられるモノを食べるということでOKです。 もしも全く食べられない場合は、医師に報告をして治療を考えることになります。脱水になる恐れもあるので、食事量の確認はとても大切です。また嘔気がある場合は、ガーグルベースンなどを患者さんのベッドサイドに準備をしておくと、患者さんを安心させる事ができます。
・飲み込みにくい
患者さんの中には、飲み込みにくいという人もいます。飲み込みにくいということが、急に起きた場合は疾患を考える必要があります。体が傾く、手に力が入らない、顔貌が普段と違う等の時には、脳疾患や顔面神経麻痺などを考える事が大切です。 特に脳疾患の場合は、その時点で緊急に対処が必要となることもあるのでそれらの症状を観察して直ぐに医師に報告をします。 また飲み込みにくいということの一つに、口の中が傷ついていることもあります。咽頭が腫れている、口内炎があるなども考えられるためそのことも観察します。
・看護師の記録
食事をしている患者さんについては、その食事量を必ず記載することになっています。また、異変がある場合はその詳細について記録を行います。 食事をしている患者さんの異変に気づく事ができるのは、看護師しかいないのです。そこで、その時に起きたことについて記録をすることにより他のスタッフがとても把握しやすくなります。
まとめ
いかがでしたか・看護師は、患者さんの食事の量をどれだけ摂取できたのか把握することが大切です。普段よりも少ない時や、おかしいと思う時にはそのアセスメントについて見逃すことなくしっかりと伝えるようにしましょう。 1番気づくのは、やっぱり看護師です。看護師の気づきが、患者さんの入院生活を支えているという気持ちでいるようにしましょう。
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