なぜアセスメントは簡潔にわかりやすく書くべきなのか

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#1892 2022/07/28UP
なぜアセスメントは簡潔にわかりやすく書くべきなのか
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アセスメントを書く際に大事なことは、いかに要点を押さえて簡潔に書くかだとおもいます。最大の理由は、アセスメント項目を読み込むのはおそらく新人だからです。ベテランがアセスメント欄を読まないわけではありませんがベテランはOデータからある程度のアセスメントはできます。新人さんのためにもアセスメント欄はわかりやすくて簡潔であるべきです。

アセスメントを『なぜ簡潔にわかりやすく書くべきか』についての持論を述べさせていただきます。
基本的に看護記録とはSOAPで構成されています。ソープと呼びますが、各々の意味は、S(患者さんの発言)O(患者さんに起こったことや患者さんのそのときの身体的な状態など)A(Oデータに基づいたアセスメント)P(SOAから今後考えられるプラン)と簡潔にいえばこの通りです。

記録に書く際、この全てを書くことが基本となります。

ここでさっそく本題にもどると、アセスメントというのは患者さんのSデータとOデータに基づいて考えられることを書くわけですので、SデータとOデータをしっかり書いていればベテランの看護師であれば何がいいたいか概ねこの段階でわかるわけです。
新人さんの場合はまだ勉強したことすべてが繋がっているわけではないのでSデータOデータをみただけでは「だからなにがいいたいんだろう」こう思うわけです。ここでアセスメントを読むことで「なるほど、あの時起こっていたことはこういうことだったのか」となるのです。つまり題名でかいたようになぜ簡潔にアセスメントを書くべきかという答えは、新人さんが理解しやすいようにするためです。
もちろん新人さん以外もアセスメントを読み、他の看護師の考えを参考にしますのでどちらにせよわかりやく簡潔に書くべきだと考えます。
たまにアセスメントがとてつも長い人がいます。それはなにがおこってるかというと本来アセスメントとはSデータやOデータに基づいて書きますがアセスメント欄(以下A欄)にアセスメント以外にもOデータやプランを混同してかいてしまっているということです。例題をだします。

大動脈弁置換術後二日目の患者。ICUに入室しており本日の午前中に挿管チューブを抜管。穏やかな性格でコミュニケーションも良好にとれていた。しかし創部の痛みは継続してありコントロールができていなかった。

ダメな例

S:おいやめろよ!ここはどこだ!かえらせろー!
O:夕方より突如興奮状態となり、体動がはげしくなる。現状を理解してもらうよう声をかけても興奮状態がおさまらない。
せん妄評価をすると陽性となり抗精神薬投与し状態は落ち着いた。
A:突如不穏状態となっており日内変動があることからせん妄の可能性がある。創部の痛みもら朝から持続しており疼痛の影響やICUという特殊な環境からもせん妄発症のリスクは高いと考えられる。またもともとの心機能も低く術後でありさらに心機能が低下している可能性がある。興奮時血圧が上昇し不整脈が出現していたため、せん妄が悪化することで心不全をきたすリスクもあるため注意が必要である。
P:疼痛コントロールを図る。鎮痛剤の内服薬開始。

良い例

 S:おいやめろよ!ここはどこだ!かえらせろー!
O:夕方より突如興奮状態となり、体動がはげしくなる。現状を理解してもらうよう声をかけても興奮状態がおさまらない。
創部の痛みが朝から継続しており薬剤投与を検討しているところであった。
血圧160mmHgと上昇し不整脈も出現。術前より低心機能の患者である。
せん妄評価をすると陽性となり抗精神薬投与し状態は落ち着いた。
A:突如不穏状態となっており日内変動があることからせん妄の可能性がある。疼痛の影響やICUという特殊な環境からもせん妄発症のリスクは高いと考える。術後でさらに心機能が低下している可能性があり、せん妄が悪化することで心不全をきたすリスクもあるため注意が必要である。
P:疼痛コントロールを図る。鎮痛剤の内服薬開始

どうでしょうか。ダメな例ではA欄に本来Oデータに書くべき患者情報(この例題では、疼痛があったこと、低心機能であったこと、血圧上昇や不整脈があったこと)がまじってしまっており少し長くなってしまっています。読めなくはないですがやはり長いとなかなか読むのが億劫になってしまいませんか?またOデータから考えられることをA欄にかくはずなのに、Oデータにない情報をA欄にだすことで、頭が少し混乱しませんか?
すこしでも書くべきところに情報を整理し、簡潔にわかりやすくアセスメントしたほうが読みやすいはずです。
その分Oデータは少し増えてしまうかもしれせん。結局読む量同じじゃんと言われればそうかもしれません。
しかしA欄にOデータを交えながら書いた記録と、OデータをすべてしっかりOデータ欄に書いた記録では読みやすさが違うと思います。この方が新人さんもベテランも状況把握しやすくさらにはアセスメントしやすいと思います。
例題がすこしICU分野でよくわからないというかたもいるかと思いますがぜひ自部署での記録を見直してみてください。
読みやすい記録になっていますでしょうか?

他によくみる読みにくいアセスメントは、難しい専門用語をつかったアセスメントです。

病棟に数名はいるであろう卓越した知識を持つ方々は時折英語で表記したり医者が使うような言葉を使ってアセスメントをします。すごいなぁとは思いますが正直書いてあることが難しすぎて全く何を書いているのかわからないということになります。それでは記録の意味がなくなります。記録は自己満足のためではなく患者さんの状況をみんなで共有し、みんなで患者さんの課題に取り組んでいくためのものだと思います。
なのでだれにでもわかるように書く必要があるので、わかりやすくて簡潔にを心がける必要があります。
ここでは新人さんがわかりやすく読むためにといってきましたが、最後までこれをよむと何も新人さんのためだけではなく、一緒に働く全ての看護師のためにわかりやすいアセスメント含め記録をかく必要があると言えそうです。

この文章を書いている私もそろそろベテラン看護師の域にいってしまいそうな歳です。A欄にOデータいれてしまうことたまにあります。なんならばP(プラン)までもA欄に書いてしまうことがあります。「せん妄による症状がみられているため抗精神薬の内服検討をする」など。これでは正しい記録とは言えませんね。あくまでアセスメントとはSOデータをもとに考えられることであって治療計画はP欄にかくものです。慣れれば慣れるほど適当になってきてしまってくるのかもしれません。
しかしそれではいけませんね。
だれもが見やすいよう簡潔で、読んで理解できる、そんなアセスメントを残していきたいと思います。
アセスメントのコツは疾患の理解が追いつくまでは難しいものだと思いますので、まだどうアセスメントしていいかわからない方は先輩に聞いて一緒に考えてもらうのはもちろんですが、ぜひ見やすい記録を書く先輩を見つけて、その記録を参考にして真似をするのがいいと思います。真似をすることは決して悪いことではありません。よい記録、アセスメントをするための近道だと思います。勉強と並行して、こんな記録を書きたい!という先輩をみつけてみてください。

まとめ

結論から申し上げると、わかりやすく簡潔的なアセスメントを心かげましょう。それは新人さんが患者さんについての理解を深めるためという理由が大きいですが、スタッフ全員で患者さんにより良い看護を提供してするためとも言えます。
スタッフみんなでよりよい看護を提供するためには、情報の共有がとても大事になってくるからです。

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