自分の行きたい病院が決まってくると、いよいよ次は面接ですね!看護師の就職では、面接が一番のカギと言えるくらい重要です。しかし、「面接は緊張してしまって苦手…」とか、「学校では面接の指導が受けられない…」とか、「面接の内容がよくわからない…」などと困っている人も多いのではないでしょうか?
ここからは、看護師を目指す新卒・既卒のみなさんが、面接を受けるために必要な対策をまとめてチェックしてみませんか?
1.就職面接対策のポイント
まずは面接に受かるために大事なポイントを3つ、押さえておきましょう。
(1)自分を知ってもらうためにしっかりと考えをまとめる
面接では自分の良さをしっかり伝えなくてはなりません。採用側も、あなたのことを知るために、質問をしてきます。自分の良さ、考え、経験などをあらかじめまとめておくことで、面接の場で言いたいことをスマートに伝えられると同時に、自信をもって受け答えできるようになります。
(2)ふさわしい身だしなみと服装を用意する
直接会って会話する面接では、見た目も重要視されます。看護師として働くあなたに良いイメージを持ってもらえるよう、清潔感のある身だしなみはもちろん、大人として常識ある姿で臨みましょう。どんなにすばらしい話ができても、患者の立場から見てふさわしくないと思われた人は、採用されません。
(3)社会人としてのマナーを身につける
礼儀作法や言葉遣いなど、これから社会に出る者として、少しずつ身につけていくようにしましょう。就活でも、相手に失礼のないよう、一つ一つ丁寧に対応していくように心がけてください。礼儀正しい態度と明るく元気な受け答えができれば、話の内容で少々のミスがあっても、カバーすることができます。
2.就職面接で聞かれる質問と答え方ガイド
ここからは、就職面接でよく聞かれる質問について、その答え方を説明していきます。大事なことは、自分だけの体験や想いをもとに、自分だけの回答を、自分の言葉で話すことです。そのためには、暗記するための模範解答ではなく、これだけは伝えたいというポイントを書き出して何度も確認するのがよいでしょう。
(1)「志望動機を聞かせてください」
なぜうちの病院・施設を選んだのかを聞くことで、採用側は、うちのことをちゃんと調べたのか、医療方針に共感しているのか、働き方は合っているのか、などということを知ろうとしています。相手のことをよく調べた上で、自分がここで働きたい理由を、納得のいくように話せるようにしましょう。
回答例
「説明会での、御院の、患者様一人ひとりに合わせて、スタッフが連携し合い、最適な医療・看護を提供するというお話と熱意に深く共感し、私も一人を大切にできる看護師になりたいと思うようになり、実習でも意識するようになりました。卒業したら御院に貢献していきたいと考えるようになり、志望いたしました。」
(2)「看護師を目指した理由は何ですか?」
なぜ看護師になりたいと思ったのか、その理由から、本気でこの仕事をやり通せるか、つらいことがあっても続ける覚悟があるかを読み取ろうとしています。
回答例
「高校の時に、祖母が入院したことがありました。長くかかったので、何度もお見舞いに行っていたときに、看護師さんの仕事を直接見ていて、興味を持つようになりました。退院の時、祖母と一緒に泣いて喜んでくれている看護師さんを見て、自分もなりたいと思うようになりました。」
(3)「将来、どんな看護師になりたいですか?」
将来的にどのような希望やプランを抱いているかで、しっかりと目標をもって働こうとしているか、また、看護師の世界についてよく調べているのかもわかります。「看護観」は、実際に働いてみないと実感できないものかもしれませんが、今の時点でのあなたの希望や目標はしっかりと持って、語れるようにしておきましょう。
回答例
「入院している患者さんに、家族のように頼りにされる看護師になりたいと思っています。そのためには、一人ひとりと丁寧に向き合うことだけでなく、看護師としての能力や技術もしっかりと身につけ、医師や周りのスタッフと連携して、患者様を笑顔にできる看護師を目指したいと思っております。」
看護師と入院患者のイラスト
(4)「実習で印象に残っていることや学んだことがあれば、教えてください」
実際の体験から、学びを得る力や経験を次に活かす力、また共感できる感受性などが問われます。自分にとって印象深い体験を思い出して、短く文章にまとめておきましょう。実習以外にもあれば、書いておくと、ほかの質問にも対応できます。
回答例
「習ったことをそのまま実践するのが精一杯なことを、指導担当の先輩に思いきって相談したところ、何度も時間を作って話を聞いてくださいました。おかげでだんだんと自信をもって細やかな対応ができるようになり、患者様にも信頼してもらえるようになりました。その時の先輩の姿に、看護師として多くのことを学びました。」
(5)「学生生活で力を入れてきたことは何ですか?」
どんなことに一番興味を持っているのがわかる質問です。ボランティアなど、看護に関係するような活動をしていれば、それを答えるのもいいですし、趣味やスポーツなどでも構いませんが、大事なのは、力を入れてきたことがどのように自分のためになったか、または看護の仕事に活かせるのか、というところまで述べることです。
回答例
「振り返ってみると、学業と同じくらい一生懸命だったのは、一人暮らしをしてきたことです。初めて親元を離れ、料理に家事、家計や手続きなど、初めは失敗もしましたが、親や友人の助けを借りながら、自分一人での生活が一通りできるようになったことは、忙しい看護師の仕事をする上での土台ができたと思っています。」
(6)「これまでに挫折した経験はありますか?それをどう乗り越えたかも教えてください」
ピンチの乗り越え方は、いざという時のあなたの強さが試される場面です。自分にとって辛かった経験を思い出し、できれば具体的に状況と乗り越えた経緯を説明できるようにしておいてください。あまり大きな挫折がない人は、「挫折とは言えないかもしれませんが…」と一言添えてから、小さくても壁を乗り越えた経験を話すとよいでしょう。
回答例
「初めての病院実習で、学校で習ったことをうまく実践できず、患者様の気持ちを気遣うことまで気が回らない自分が本当に情けなく、看護師には向いてないのかと悩みました。しかしあきらめずに、学校の先生や実習先の先輩にありのままを相談したことで、良いアドバイスをいただき、成長することができたと感じています。」
(7)「最近のニュースで関心を持ったものがあれば教えてください」
社会情勢や新しい情報に関心があるか、敏感かどうかが見られています。毎日、新聞やニュースをチェックしたり、面接の前には特に情報を仕入れておくようにしましょう。看護や医療に関係するもののほかにも、命に関わる話題や政治のことなど、ニュースを理解した上で、自分自身の感想と共に伝えられるようにしておいてください。
回答例
「先日の集中豪雨での被害状況や負傷された方についてのニュースでは、医療機関も被害を受けながら、患者様の受け入れに奔走したことが伝えられていました。私もいつどんな時も、人のために動ける看護師でありたいと思いました。」
(8)「あなたのストレス解消法を教えてください」
看護師の仕事は、体力的にも精神的にもハードな仕事であるため、自分で息抜きや気分転換できる方法を持っているかという点の確認として、意外と聞かれることの多い質問です。趣味や好きなことでどんなふうにリフレッシュしているのかを話せばよいでしょう。
回答例
「私の一番のストレス解消法はおしゃべりすることです。友達と会ったり、母と電話したりした後は、気持ちもすっきりと入れ替わって、またがんばろうと思うことができます。」
(9)「あなたの長所と短所を教えてください」
自分をアピールできるチャンスです。色々並べるのではなく、一つに絞って伝えます。長所は看護に活かせることにしましょう。周りの人に聞いてみるのもよいでしょう。自慢に聞こえるようなことも、「周りからは~と言われます。」のように話せば、印象が悪くなりません。短所は、自分で自覚して対処法を考えていることが大事です。「~な面がありますが、~することで気を付けるようにしています。」のように、フォローの仕方まで一緒に述べると、良い印象になります。
回答例
「周りからは素直だと言われます。人の意見を聞き入れたり、自分のことを話したり、壁を作らずに人と接することができます。短所は、のめり込むと時間を忘れてしまうことです。一つの作業に時間をかけすぎてしまうことがあるので、いつも時計を持ち、時々確認することで、時間配分に気を付けるようにしています。」
(10)「単願ですか?併願ですか?」
就職活動は複数の応募をするのは普通のことですので、併願している場合も、正直に答えてください。ここが第一志望だということをしっかり伝えましょう
回答例
「併願です。同じ総合病院をもう一つ受けていますが、ずっと目標としてきた御院が第一志望です。」
(11)「希望配属先はありますか?その理由は何ですか?」
希望している配属先がある場合は、熱意ある理由と共に希望を伝えてかまいません。どこでも大丈夫な場合は、なんでも挑戦してみるという強い気持ちと共に、お任せしますと伝えるのがよいでしょう。科が多い大きな病院では、第3希望くらいまで聞かれることもあるので、希望がある人は、順番を決めておくとよいと思います。
回答例
「患者様の治療により長く関われる、病棟勤務を希望いたします。配属科は、どこになっても一生懸命やらせていただくつもりですので、お任せいたします。」
(12)「最後に、何か質問はありませんか?」
質問の最後には、逆に質問はないかと聞かれることがあります。給与などの条件について踏み入って聞きすぎるのはよくありませんが、何も質問しないと志望の意欲がないのかと思われることもありますので、いくつかの質問を用意しておくとよいでしょう。
回答例
「入職までに勉強しておくべきことがあれば教えていただきたいです。」
「どのような業務があるのか、一日の流れを教えていただけないでしょうか?」
「看護師同士、またはその他のスタッフとの連携で大切なことを、教えていただけないでしょうか?」
(13)不意の質問には?
予想していなかった質問や、変わった質問をされることもあるかもしれません。そういう時もあわてず、自分なりの考えを正直に、答えられる範囲で誠意をもって話してください
面接の流れに沿って、必要なマナーを確認していきます。あらかじめポイントを押さえておけば、当日もあわてずに自信を持って挑むことができます。
(1)電話連絡
応募や問い合わせの電話から、面接は始まっていると思ってください。自分から名前を名乗り、何の用で電話したかを言います。要件や聞きたいことは、あらかじめメモして、ペンを用意して電話をかけましょう。面接の日を変更したい時も、早めに連絡を入れて、変えてもらえるか聞いてみましょう。明るい声ではっきりと、敬語を使って話します。
(2)訪問
面接当日は、指定された時間の10~20分前には着くように行きます。遅れそうな場合は必ず連絡を入れましょう。上着などは建物の外で脱ぎ、手に持って入ります。入口や受付で「○○大学看護学部の、○○と申します。」と名乗りましょう。待合室では、携帯をいじったりせず、面接に向けて用意した答え方などを確認して待ちます。あまりきょろきょろとするのはよくありませんが、さりげなく職場の雰囲気や施設の設備を見ておくとよいでしょう。
(3)入室
面接の部屋に入るときは、ドアを2~3回ノックして、返事があればドアを開け、「失礼いたします」と言って入ります。ドアを閉めたらその場でまずお辞儀をします。イスのそばでもう一度お辞儀をし、ここで自分から名前を名乗り、「よろしくお願いいたします」と挨拶をします。座ってくださいと言われたら、座りましょう。かばんはイスの横か後ろに置きます。
まとめ
新卒・既卒の看護学生のみなさんはこれまで、医療・看護という現場に半分身を置きながら、真剣に勉強してきたことと思います。ぜひ自分に合った病院・施設・配属先を見つけて、理想の看護を目指し、がんばっていただきたいと思います。面接の合格を祈願しています。
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