社会人から看護師になる方法やその理由は?働きながら資格は取れる?

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#1817 2022/05/14UP
社会人から看護師になる方法やその理由は?働きながら資格は取れる?
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社会人から看護師に転職する方法はご存知でしょうか?
看護師資格を取るためには、看護大学・看護短期大学・看護専門学校のどれかに通う必要があります。それぞれ受験方法だけでなく、通う年数や在学中にかかる費用にも違いが出てくるのです。
この記事では社会人から看護師になるため、看護学校へ入学する具体的な方法から、履歴書や面接における志望動機の考え方まで紹介します。

社会人から看護師になる方法は3つ!看護学校に入学しよう
社会人から看護師になるためには、まず看護師資格を取る必要があります。看護師資格が取れる学校は次の3種類。

看護大学
看護短期大学
看護専門学校
それぞれの修業年数や学費の目安、特徴は次のとおりです。

看護大学

年数4年
学費(年間)95万~190万円
特徴・助産師、保健師の資格も取れる
・病院以外の就職先がある※
※行政機関や研究機関など

看護短期大学

年数3年
学費(年間)60万~215万円
特徴・助産師、保健師の資格も取れる

看護専門学校

年数2年
学費(年間)30万~100万円
特徴・通信制の学校がある
学費については後ほど「看護学校によって、入学金や授業料などの学費が異なる」の章で詳しく紹介します。

それでは、学校への入学から資格取得までの流れを見てみましょう。

看護学校を受験する際の試験内容や試験科目について
看護学校には「看護大学」「看護短期大学」「看護専門学校」がありましたね。どの学校にも入学試験があります。受験方式は2種類です。

看護学校の受験方式

センター試験を利用して受験する
学校が個別で実施している試験を受ける
それぞれの試験内容は次のとおり。

看護大学の入学試験(一例)

必須科目選択科目(※1)その他
センター試験・英語
・数学Ⅰ、数学A・数学Ⅱ、数学B
・化学
・生物
・化学基礎と生物基礎
個別試験・英語
・国語総合・数学Ⅰ、A
・化学基礎
・生物基礎・面接(※2)
※1:一科目を選択
※2:二次試験で実施

看護短期大学の入学試験(一例)

必須科目選択科目(※1)その他
センター試験・国語
・英語・数学Ⅰ、数学A
・数学Ⅱ、数学B
・物理
・化学
・生物・面接(※2)
個別試験・小論文・コミュニケーション英語Ⅰ、Ⅱ
・生物基礎
・数学Ⅰ
※1:一科目を選択
※2:センター試験の後日実施
看護大学と看護短期大学の受験方式は、学校によって様々です。センター試験と個別試験のどちらも実施している大学もあれば、個別試験のみ実施している大学もあります。

看護専門学校の入学試験(一例)

個別試験
必須科目・国語
・数学Ⅰ、数学A
選択科目※・コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ、英語表現Ⅰ
・生物基礎
その他・面接
※一科目を選択
看護専門学校の受験方式は、個別試験のみ。

どの学校の入学試験も、採用されている科目は学校によって様々です。
看護学校によっては、社会人経験のある人を対象とした入学試験を実施しています。その入学試験を受験する最大のメリットは「選考において現役生と比べられない」という点です。
学生と社会人では、どうしても埋められない勉強時間の差があります。現役生と競わずに選考をしてもらえるというのは、大きな魅力ですね。

看護学校によって、入学金や授業料などの学費が異なる
学校によって試験科目だけでなく、学費にも違いがあるんです。

学校よって通う年数が違うため、大学に4年通う場合と専門学校に2年通う場合では、卒業までに支払う金額に大きな差が出てきます。在学中に必要な学費の目安は次のとおりです。

看護大学の学費(一年間)

用途費用
入学金30万~40万円
授業料55万~120万円
教科書代など15万~30万円
計95万~190万円

看護短期大学の学費(一年間)

用途費用
入学金15万~25万円
授業料40万~135万円
教科書代など5万~55万円
計60万~215万円

看護専門学校の学費(一年間)

用途費用
入学金1万~35万円
授業料15万~35万円
教科書代など15万~30万円
計30万~100万円
入学金を払うのは初年度のみです。しかし授業料や教科書代などは、在学中に毎年払う必要があります。

看護大学に入学した場合、かかる費用は4年間で約640万円です。
経済的な理由により修学が困難である学生も多くいます。学校はそんな学生に対して、学費を支援する奨学金制度を設けているのです。次に、奨学金制度について見ていきましょう。

卒業後に指定病院で約3年勤務した場合は、奨学金の返済なし!
多くの奨学金※は在学中に一定額を貸与され、卒業後に返還義務が生じます。

奨学金とは

経済的な理由で修学が困難と思われる学生に対して、学費を援助するための制度です。
しかし次の場合は、返還義務がありません。

給付型の場合

条件付きで返還義務を免除される場合
それぞれ詳しく紹介します。

給付型奨学金について

給付型奨学金は、学生側に返還義務が生じません。お金を貸す「貸与」ではなく、支給される「給付」だからです。
給付型奨学金を受けられるのは、次のような場合。

経済的な理由で修学が困難な場合
健康で、学業成績が優秀な場合
給付型奨学金の採用人数は、学校全体で年に数十名程度です。

学校によってはいくつか給付型奨学金を設けており、奨学金制度によって採用条件や人数が異なります。
ただし給付型奨学金を設けていない学校もあるので、事前にホームページなどで確認しましょう。

条件付きで返還義務が免除される奨学金について

条件付きで返還義務が免除される奨学金は、学校が実施している制度ではなく病院独自の奨学金制度(お礼奉公)です。この制度は次のような人が利用できます。

看護学校に在学している
卒業後は奨学金の貸与を受けた病院に就職し、一定期間を勤務する
病院が求めているのは、必ず3年以上勤務する看護師が就職してくれることです。

お礼奉公は、在学中の学費を支援してくれるだけではありません。この制度を利用すると、卒業後の就職先を心配する必要がなくなります。
ただしお礼奉公中に退職すると、多くの場合は病院に奨学金の一括返済を求められるのです。

看護師が、人間関係のトラブルや労働環境の不満などで退職する場合、病院の対応は様々。次のような場合に、一括返済を求められることがあります。

一定期間の勤務をする前に退職する場合

懲戒解雇になった場合
看護師国家試験で不合格だった場合
お礼奉公に関して看護師と病院の間で、返済方法や労働期間などのトラブルも報告されています。個人では解決するのが難しいトラブルに巻き込まれたら、まずは労働基準監督署や弁護士に相談しましょう。
また看護師求人サイトの非公開求人には、奨学金の一括返済を肩代わりしてくれる病院もあります。
詳しくは「看護師のお礼奉公には落とし穴も!期間中は辞められないって本当?」の記事で紹介していますので、参考にしてください。

看護学校を卒業すると、看護師国家試験の受験資格が与えられる
看護学校を無事に卒業するだけで、看護師資格が取れるわけではありません。学校卒業時に与えられるのは、看護師国家試験の受験資格のみ。それに合格すれば、看護師資格を取得できます。

つまり看護師国家試験に合格するために、学校へ通う必要があるのです。
また働きながら資格取得を目指せる、通信制や定時制の看護専門学校もあります。ただし多くの学校が、准看護師の資格所持者対象です。
准看護師の資格を取ってから看護師を目指す方法は「働きながら看護師資格を取るためには定時制の学校へ」の章で紹介しています。

看護師と准看護師の違いについて、次の章で見ていきましょう。

看護大学・看護短期大学では、保健師や助産師の資格を取ることも可能です。看護専門学校では、看護師資格以外の資格を取得することはできません。
准看護師は働きながら資格取得が目指せる
看護師になるには看護学校に通う必要がありますが、准看護師になるには「准看護学校に通う」「准看護師科のある看護学校に通う」という2つの方法があります。

准看護師の特徴は次のとおりです。

国家資格ではない
看護師よりもできる仕事の範囲が狭い
看護師と比べて給料が安い
看護師と比べて求人数が少ない
看護師の主な仕事内容は、医師が治療や診察をする際の補助や患者さんのケア。准看護師の仕事は看護師の補助です。

看護師も准看護師も同じように病院に勤務しますが、仕事内容や求人数、給与面から見ると看護師資格のほうがおすすめです。

働きながら看護師資格を取るためには定時制の学校へ
准看護師学校では、2年間で准看護師の資格取得が可能です。在学中は病院で働きながら、准看護師資格の取得が目指せます。
准看護学校を卒業後、看護師資格を取るための方法は2つです。

2年間、全日制の看護学校へ通う
3年間、定時制の看護学校へ通う
通信制の看護学校は、実務経験が10年以上ある准看護師が対象です。
准看護師として働きながら看護師資格を取るのであれば、定時制の看護学校へ通うしかありません。

准看護師から看護師資格を取る場合、最短でも4年間は必要です。准看護師学校に在学中は働くこともできますが、看護師を目指しているのであれば最初から看護学校へ入学することをおすすめします。
社会人から看護師になる理由って?志望動機例を紹介!
先ほど紹介したように看護学校への入学試験の中には、面接を試験科目として設けている学校も多くあります。

社会人から看護学校へ入学する場合、面接でよく聞かれるのが「看護師になりたい理由」です。
ここでは看護学校へ入学する際の志望動機や、実際に看護師になろうと思った理由について紹介します。

社会人経験を活かした志望動機を考える

社会人が看護学校に入学する場合、志望動機でしっかりアピールすることが重要です。

看護学校の入学願書には、志望動機を書く欄が組み込まれていることも多く、入学試験の面接でも志望動機について必ず質問されます。
志望動機を考えるうえで重要なポイントは2つです。

なぜ社会人から看護師を目指したいと思ったのか
社会人経験を看護師としてどう活かすのか
なぜその学校を選んだのかはもちろん、さらにこの2つのポイントを志望動機に加えることによって、面接官に好印象を持ってもらえる志望動機になります。

志望動機の例をいくつか見ていきましょう。
(例1)事務職から看護師に転職するケース
前職は一般事務として働いていました。父が入院したときに、担当の看護師さんが私たち家族の精神的ケアをしてくれて、患者だけでなくその家族を支えるのも看護師の仕事なのだと知りました。
私もその看護師さんと同じように、患者さんと家族を支えられる仕事がしたいと思ったことが、看護師への転職を決意したきっかけです。ミスの許されない医療現場において、事務仕事で得た集中力や作業の正確さを活かして働きたいと考えています。

(例2)営業職から看護師に転職するケース
私は営業として、医療機器などの提案販売をしていました。主な営業先は医療機関で、いくつも病院を回っているうちに看護師の仕事に興味を持ち始め、転職を決意しました。
営業の外回りで身に付いた体力や、精神力には自信があります。提案販売で得た説明力を武器に、患者さんとしっかりコミュニケーションのとれる看護師になりたいと思っています。

(例3)販売職から看護師に転職するケース
前職は医薬品の販売をしていました。お客様の中には、健康相談や病気の症状について相談される方も多くいましたが、知識がないばかりに具体的なケア提案することができず、やるせなさを感じ、看護師になることを決意しました。
販売の接客経験を活かして、患者さんに寄り添える看護師になりたいと考えています。

志望動機では、自分の言葉で強みをアピールすることが大切です。例を参考に、看護師になりたいと考え始めたきっかけや、看護で活かせる前職での経験を書きましょう。

次に面接や入学願書の志望動機として、ふさわしくない例を紹介します。

志望動機のNG例

今の職業と比べて看護師のほうが給料がいいから
国家資格だから就職先がたくさんあって、今後も役に立ちそうだから
女性でも役に立ちそうな資格だから
本音であっても上記のような「看護師である必要がないこと」を述べると、面接官の印象を悪くします。
実際に給与面や需要の多さに魅力を感じて転職する人もいますが、志望動機として入学願書や面接で使うのは避けましょう。
社会人から看護師に転職した理由は十人十色で、給料の良さや資格の使いやすさを挙げている人は多いですね。そう考えるのは悪いことではないですが、履歴書や面接においては、自分の強みをアピールできるような志望動機を作りましょう。

まとめ

社会人から看護師になるには看護学校へ通う必要があることを紹介しました。学校によって学費や特徴は様々。現在の仕事状況や家庭状況を考慮して、卒業まで通える学校を選びましょう。
働きながら看護師資格を取る必要があるなら、准看護師の資格を取ってから看護師を目指す方法もあります。
しかし看護師の資格取得までの年数や、准看護師としての仕事内容などを考えると、やはり初めから看護師を目指して看護学校に通うほうがおすすめです。
前職で得た経験や知識は、看護師として働くうえで大きな武器になります。
社会人から看護師になるための支援を行っている学校・制度はたくさんあるので、自分に合ったものを活用しましょう。

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