この記事は、「訪問看護師になりたい」「訪問看護師になるには、どうすればいいのだろう?」と思ったときに、知っておきたい情報をまとめています。訪問看護師の求人選びのポイントも合わせて紹介するので、参考にしてみてください。
1.訪問看護師になる方法
必要な資格は、看護師資格か准看護師資格のみ
訪問看護師になるために必要な資格は、正看護師免許または、准看護師免許です。どちらかの資格を持っていて、訪問看護ステーションなどに所属すれば、訪問看護師として働くことができます。実際には、現在働いている訪問看護師は、病棟などからの転職が多いようです。しかし、基本的には、正看護師または准看護師のどちらかの免許を持っていれば、新卒でも訪問看護師として働くことは可能です。
2.訪問看護師になる方法
私にもできる?訪問看護師への転職
なかなかハードルが高いイメージを持たれがちな訪問看護師。「一人で患者さんの治療を行うなんて自信がない…」同じ不安を持って始めた看護師さんからの「やってみたらそんなに心配することじゃなかった」という声も多いようです。
(1)臨床経験3年以上の求人が多い
訪問看護師の求人に多いのは、臨床経験3~5年という条件です。訪問看護師は、一人で患者さんの家に訪問し、必要なケアを行います。病院とは違い、医師やスタッフがいない状況で看護を行うので、自分で判断する場面もでてきます。また、臨床経験があると、患者さんの変化にも気づきやすいという点があげられます。一通りの技術、判断力、観察力がある看護師の基準として、3~5年という条件があるといえます。
(2)訪問看護師になる方法臨床経験がなくてもなれる
3年程度の臨床経験を条件とする募集が多い一方、研修制度を整え、新卒や臨床経験がない看護師を積極的に採用しているところもあります。もちろん、臨床経験があった方が、採用率や応募できる求人は多くなりますが、やる気次第では、十分に可能です。特に、最近では、新卒を採用してしっかりと教育してくれる訪問看護ステーションが増えています。ある程度の臨床経験があった方がいいのは確かですが、学ぶ姿勢とやる気があれば、臨床経験は問題ではありません。
(3)ブランクがあってもなれる
臨床経験があっても、しばらく看護から離れていると、技術や知識のブランクが不安という方は多いと思います。しかし、ブランクに対して条件を制限している求人は、ほとんどありません。むしろ、ブランク明けでも歓迎という求人も多いです。一度結婚や出産で退職したあと、訪問看護師として復職し、活躍している訪問看護師もたくさんいます。
ただ、在宅ケアにおいては、患者や家族の精神的なケアや、観察力がより重要です。病棟と、技術面で求められることは同じでも、役割や責任の重さが同じではないことを理解し、柔軟に対応することが求められます。
(4)未経験から訪問看護師になるために、研修や講習は必須
資格があり、訪問看護に興味があるなら、ぜひチャレンジして欲しいと思います。しかし、病院やクリニックでの経験があるからといって、すぐに在宅でもできるわけではありません。自信を持って患者さんの自宅に訪問し、患者さんやその家族も安心して看護を受けられるよう、十分な研修を行ってくれる看護センターを選んだり、自治体などが開く養成講習会などに参加してみましょう。
(ア)研修のある訪問看護センターを探す
しっかりとした研修制度をもうけている訪問看護ステーションが増えています。一番多いのは、就職したあと数ヶ月間、先ぱい看護師に同行するスタイルです。新卒を採用しているところは、研修制度が整っているところが多いので、ブランクがある方や、十分な研修を受けたいという方はおすすめです。
(イ)養成講習会を受講する
医療機関や訪問看護ステーションで、研修や勉強会を行っている他に、自治体や協会でも養成やセミナーを定期的に開催しています。訪問看護の経験が浅い看護師からベテラン看護師まで、対象やテーマはさまざまです。自分にあった講習や研修が見つかるはずです。
「公益財団法人日本訪問看護財団」
研修⇒http://www.jvnf.or.jp/kensyu/
オンライン研修も行っています。⇒http://www.jvnf.or.jp/e-learning/
これは、インターネットを使って、訪問看護の歴史から、高齢者以外の利用者などに対応する知識など、訪問看護における基礎知識を幅広く学ぶことができます。次の就職先として訪問看護師を考えている方にもおすすめです。
「全国訪問看護事業協会」
研修会一覧⇒http://www.zenhokan.or.jp/training/index.html
「公益社団法人日本看護協会」の都道府県看護協会から、お住まいの都道府県にアクセスして探すこともできます。⇒http://www.nurse.or.jp/home/group/index.html#p2
3.訪問看護を行っている機関
訪問看護を提供している機関は、2種類あります。
(1)病院に設置されている訪問看護部門
在宅での療養が必要な状態で退院したり、通院や往診を受けている患者さんにサービスを提供します。この場合の訪問看護師は、病院やクリニックの職員として働きます。
(2)民間会社が経営している訪問看護ステーション
訪問看護ステーションの場合、利用者は、それぞれのかかりつけの主治医から指示書を持ってきます。訪問看護ステーションには看護師の他に、保健師、助産師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などがスタッフとして所属し、連携してサービスを提供していきます。
4.自分にあった訪問看護ステーションを探す
訪問看護の需要は高まり、訪問看護師の求人は多いと言っていいでしょう。また、増えている個人経営の訪問看護ステーションも合わせると、さまざまな選択肢があります。多くの選択肢の中から、一番あった働き方ができる訪問看護センターを選びましょう。
(1)条件を整理してから、いろいろなツールを使って探す
まず、多くの求人を見る前に、どうして訪問看護師になりたいのか、どんな看護を行いたいのかという「あなたが訪問看護師を目指す理由」を改めて考えてみてください。同時に、待遇や、勤務条件、必要な研修内容や期間を整理しておきましょう。
次に、地元の求人誌や、新聞、ハローワークなどで条件が合いそうなものがあれば、問い合わせてみましょう。また、「公益社団法人日本看護協会」から、希望する地域のホームページを見てみると、募集があれば、求人を見つけることができます。
訪問看護ステーションでの仕事は、ステーション内での連携がとても重要になります。待遇や勤務条件ももちろんですが、実際に問合せたり、伺ってみたりして、どんな人たちが働いているのか、雰囲気を実際に見てみることが大切です。
(2)訪問看護ステーションを選ぶ5つのポイント
訪問看護ステーションを選ぶときに、チェックすべき5つのポイントをご紹介します。
(ア)オンコール対応、休日出勤
日勤のみ、土日休み、残業が少ないなど、働きやすい環境を得られやすいのが、訪問看護師のメリットのひとつですが、オンコール対応や、休日出勤がある訪問看護ステーションもあります。自宅で療養しているとはいえ、患者さんはいつでも急変する可能性があります。その際、オンコール対応を任される場合もあります。
また、オンコール対応が可能でも、持ち回りなのか、担当の患者さんからいつでも要望がくるかもしれないのかによっても、大変さは変わるでしょう。
まずは、オンコール体制をとっているステーションなのか、また、頻度や手当もあわせて確認するべきです。オンコールの対応が不可能だったり、どうしても土日休みがいいという人は、必ず事前に伝えてください。
(イ)仕事のローテーション
2種類の業務形態があります。
担当制-自分の受け持つ利用者が決まっている
交代制-複数の利用者を交代で診る
交代制の場合、複数の患者さんと向き合うことになるので、柔軟性や適応力、多くの患者さんを診ることによってスキル向上につながりやすいです。一方、一人ひとりの患者さんとじっくり向き合いたいと考えている方は、担当制の方がいいでしょう。
(ウ)教育体制
特に未経験の場合、どのような研修制度があるのかは、大切なポイントになります。とことん研修を行ってくれるところもあれば、いきなり一人で訪問を任されてしまうケースもあります。スキルや知識に不安がある場合は、きちんと伝え、どのような研修を、どのくらいの期間行うのか、確認しましょう。
(エ)待遇
規模が大きかったり、病院が運営している場合は、福利厚生や給与は、病棟勤務の看護師と同等である場合が多いです。しかし、小さな訪問看護ステーション、できたばかりの訪問看護ステーションなどは、福利厚生の面まで手が追いついていない場合も多くあるので、注意したいポイントです。
(オ)交通手段と交通費の支給
訪問看護ステーションによって、交通手段や、交通費の対応は違います。地方であれば、車での訪問が多く、自動車免許が必要となります。ステーション専用の車を使うのか、自分の車を使うのかも違います。ガソリン代などの交通費の支給と、自動車保険についても、事前に聞いておきましょう。
まとめ
いかかでしたか。
訪問看護師は、言ってしまえば、看護師免許さえ持っていればなることができます。特に近年では、教育制度が充実している訪問看護ステーションが増えていますし、自治体なども研修などを開き、これからますます必要となる訪問看護師へのサポートに力を入れています。
「訪問看護師になりたい」と思ったとき、その気持ちを大切にして、あなたにあった訪問看護ステーションでいきいきと働いて欲しいと思います。
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