大学病院の看護師って…?
なるためには、どうしたら良いんだろう…?
特に新卒の皆さんへお伝えしたい、このテーマ。
みなさん、大学病院と聞くとどんなイメージがありますか?
大きくてさまざまな診療科がある、救急搬送や重症患者さんが多そう。
なんとなく、忙しそうなイメージがありますよね。でも、テキパキ働くキャリアナースにも憧れる…そんな方へ。
私が思う、これから大学病院で働くに当たっての心構えをお教えします。
【大学病院のイメージと実際】
①多彩な診療科がある
大きい規模の大学病院には、たくさんの診療科があり、看護師として働くにあたって、自分の希望する科も必ず一つは見つかるはず。
救急外来やICU.HCUなどの急変対応、高度な医療管理、スキルが求められる部署から、リハビリ病棟や退院支援を目的とした病棟など…さまざまな病棟があります。
自分の希望する部署で働くのは、やる気も出るし、やりがいもありますよね。そこでしっかりスキルを身につけた後、数年後には…
そう、異動です。病院には大体、数年おきにいろんな病棟を回るシステムがあります。
この移動が大きなストレスになる場合もあれば、新たな学びの機会としてチャンスになる場合があります。
せっかく慣れた部署、仕事、先輩との人間関係…そこを離れて、全く知らない人たちと一から覚える仕事…ストレスを感じるのは当然です。
入職して数年は考えなくても良いかもしれませんが、年数を重ねて、一人前になればなるほど、自立した1人のスタッフとして「異動」の機会は近づいてきます。入職時に、頭に入れておきましょう!
ですが、逆に色々な部署を見て回れるので、さまざまな学びを得られる機会にもなりますし、最初に入った部署がなんだか合わない…と思っていたとしたら、異動して、1からのスタートで気分一新、働くこともできますが…
まあ、そのころには、大半の人は異動にあまり乗り気ではありませんが…(笑)
やっぱり、慣れたところから離れるのはドキドキしますし、怖いですからね。
それを踏まえ、どこに異動しても対応できるよう、スタッフの雰囲気、病院の忙しさ、地域の中でのその病院がどのような役割を担っているか。病院全体の環境をなんとなくでも良いので知っておきましょう。
②人間関係が複雑そう?
新卒さんにとって、結構大きなテーマではないでしょうか。
看護師といえば女社会。怖い先輩、いじわるなお局さん…考えただけで、ちょっと憂鬱。実際、どこの職場にも合わない人や厳しい人はいるものですが、大きい病院や大学病院といった、規模の大きい病院には割とスタッフの層に特徴があります。
まず、若い人が多いです。20?30代の、バリバリ働く看護師数年目あたりのスタッフです。
プリセプターとして教えてくれる先輩も、大体3?4年目が多いかと思います。
毎年、新卒さんを年度はじめに採用している場合が多いので、とにかく若手が多いのが特徴です。
子育てが大変になったり、ある程度経験を積んで、ワークライフバランスを重視したい…と思い始める年齢になると、クリニックや小規模な病院、訪問看護や施設などへ転職される方も多く、必然的に若いスタッフの割合が高くなります。
ただ、歳が近いからと言って誰でも親しみやすいというわけでもありません。
先輩方も1?2年目は苦労してきたものです。なので、新人へ向けられる目も人それぞれ、厳しい目で見る人も多いのは事実です。
ちょっと上の先輩方の方が、新人時代の記憶は鮮明に残っているものですし、頑張っているなぁ、と思う反面、欠点や粗が目につく場合もあります。
ただ、病棟によりますが、看護師の数は比較的多いはずです。一般病棟だと、人員配置基準がありますので、日勤だけでもかなりのスタッフの人数です。なので、気の合う人合わない人はあれど、味方になってくれる人も見つかりやすいものです。寄ってたかって、グループで新人を目の敵に…なんてことも、少ないはずです。人間関係の幅が狭いと、どうしても派閥ができたりと…拗れがちですからね、汗
③新人教育制度
大学病院ほどの大きい規模になれば、新人教育の制度がしっかりと整っています。
新人も、一回に20?30人という規模で入職するため、まとめてプログラムが組まれており、実技から座学まで、何日もかけて少しずつ研修を進めていきます。
なので、新卒で入職しても、予定通りプログラムに沿っていけば、最低限、看護師として業務をこなすベースは身につけられると思います。それに、同期と一緒に成長し、交流しながら共に学んでいけるので、安心感もあります。
ですが、教育制度があるからこそ、そのプログラムについて行けていない、と判断されると、先輩方から特別に心配されます。新人の成長のある程度の基準に沿っての教育になるので、そこから外れてしまうと、先輩方もより手厚くサポートしなくてはなりません。
病棟に寄っては、そのサポートが不十分であったり、毎日の業務を進めるにあたって、先輩方もカバーしきれないため、新人の業務を減らしたり、制限したりすることもあります。
それで居づらくなって辞めてしまう…そんな同期やスタッフ、何人か私の周りでもいました。
俗に言う「環境が合わない」というものなのですが、先輩方がサポートしきれない、自分もついて行けてないことに対して辛く思ってしまう…という状態が出来上がってしまうこともあります。
そういう状態になる前に、信頼できる先輩や、業務調整をする師長、教育担当の先輩に、自分の心配なところや思うことを相談しておく方法がベストです。その方が、先輩方もサポートしやすくなります。
教育プログラムに沿って課題をクリアしていても、心配なこと、できない事など、どうしても壁にぶち当たってしまうことは、誰にでもあります。
できないことや困っていることを明確にして、先輩に伝えること、改善するためにどうしたいのか、どうして欲しいのかを自分で考えられるようにし、伝える力をつけておきましょう。
④覚えるべきこと、学ぶことが多い
正直、大学病院だと大抵は一般病棟。身体疾患の治療を中心に、急性期から慢性期まで幅広く患者さんを受け入れることになります。
それに、いろいろな器械、物品を使用するため、その使用用途や使い方、物品の置いてある場所まで、全て覚えて対応できるようにする必要があります。
病棟によって診療科は違うので、使われる器械もそれぞれ違います。先輩に教えてもらいながら、間違いのないよう、マニュアルに沿って使えるようにしなくてはいけません。
器械だけでなく、薬品や点滴、内服薬の種類も多彩です。
抗生剤だけで何種類も…?!
補液、これとこれ、どう違うの?!
なんて、数年働いたくらいだと、未だに結構びっくりします。次から次へと、見たことのない薬が…(笑)
疾患の勉強は家でもできます。教科書がありますから。でも、病棟へ出てみると、教科書には載っていない、わからない、未知の情報がたっぷりです。
薬一個一個の細かい効能や副作用を全て覚える…というのは難しいですが、どんな患者さんにどんな薬が出ているか、何のために出ているか、など、実際に患者さんを見ながら、一個一個照らし合わせながら、予習ではなく事後学習で覚えていくような場面も多々あります。
ですが、一番大事なことは、患者さんの疾患の勉強です。患者さんを受け持ち、看護する前に、疾患についての予習、分からなかったとこや、患者さんを見て学んだところは振り返り、事後学習。これの繰り返しです。
その病棟に入院してくる患者さんに多い疾患や症状のパターン、必要なアセスメント項目を繰り返し予習復習して、だんだんとその病棟の患者さんが看れるようになるものです。
厳しいかもしれませんが、患者さんを看れるようになる方法としては、とにかく、後にも先にも勉強が第一です。
疾患が分からないと、異常も見抜けませんので、先輩たちが口酸っぱく勉強が大事だと言うのは、患者さんを守るためでもあるのです。
自分は新人時代、週2日の休みのどちらかは丸一日勉強、毎日家に帰ってからも予習復習、次の日に先輩にノートを見せ、OKが出てから患者さんの元へ…と言った感じで、かなり勉強に追われていました、汗
大学病院の看護師になるには、患者さんを守るためにも、日々勉強は欠かせません。これを念頭に置いておく必要があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
新人時代を大学病院で過ごした私の経験が少しでも参考になればと思います。
正直、大変なことの方が多く、仕事疲れに加えて勉強疲れや、自分の勉強不足や知識不足で先輩に迷惑をかけたり…と、何かと苦労した覚えがあります。ですが、大学病院で働いた経験は、転職した今でもとても役に立っています。
皆さんも、十分な心構えを持って入職できるようにしておきましょうね。
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