転職を目指す看護師は、新しい職場はどんなところかなと強い不安を感じています。ここでは就職した新しい職場でどんなことに気を付けるべきかを紹介していきます。出勤時間や休憩時間など落とし穴になりがちなことについて考えてみましょう。
これまで転職を繰り返してきた人は、新しい転職求人に応募する時には強い不安を感じているのではないでしょうか。
特に短期間の就職で転職を繰り返してきた看護師は。これまで一つの職場で長続きしなかったけれど、新しい職場は大丈夫かなあ、早く慣れることができるかなあ。また転職が決まって初出勤のその時まで、本当にこの職場でいいのかと悩み続けたり、自問自答を繰り返す人もいます。
しかし、これまでの病院ではもうだめかなと見切りをつけて転職を決めたなら、もう前に進むしかありません。そこで今回は、転職を何度も繰り返している人は、実際に入職してどんなことに気を付けるべきポイントを紹介していきたいと思います。
・時間厳守は必須
転職の求人情報を見てみると、必ず書かれているのが勤務時間です。病院によって勤務の開始時間は異なっているため、よくチェックをする必要があります。
例えば勤務時間は8時半からと書かれている場合、通勤にどれくらいの時間がかかるか、自宅は何時に出るべきかと、逆算して自分の行動を決めていかなくてはいけません。社会人として時間厳守は必須ですから、万が一の渋滞や事故を考慮して、少し余裕をもって自宅を出ることも検討しておくべきでしょう。
しかし求人情報には、8時半と書かれているのに、実際は8時半開始ではないこともあるので注意が必要です。
例えば医師の回診がある病棟の場合です。医師が病棟に来てカルテをチェックし、病棟内を動き出すのは意外に早い時間です。病棟によっては8時くらいには回診を始めるところもあるほど。それは外来の診療が9時ごろから始まることが多いので、それまでに回診、指示出しなどを行わなくてはいけないからなのです。
その医師の回診に看護師が絶対に同行しなくてはいけないというルールがあるわけではありませんが、暗黙の了解で医師の回診の介助をしたり、指示を仰ぐのいうのはもはや常識です。
その時には日勤の看護師ではなく、夜勤の看護師が回診には対応するという病院もあります。また病棟を統括する師長や主任が自主的に同行して、看護師は定時に出勤して、申し送りを始めるというところも。
病院によって異なりますが回診がある病棟の場合、勤務時間が8時半と書かれていても、それよりももっと早く病棟にいき、回診につかなくてはいけないこともあるため、注意が必要です。
また回診がない病棟でも、手術などがある病棟の場合は、定時よりも早めに出勤をしなくてはいけないこともあります。それは手術に備えて朝一番から処置を始めなくてはいけないため。手術が多い日で午前中から手術がある場合、早朝から準備が始まるのです。
申し送りが早く始まるので早めに出勤をしないといけない病棟もあります。病棟によっては申し送りが8時から、8時20分からと独自に決まっていることもあるので、病棟の決まりをよく覚えて行動する必要があるのです。
これまで転職を繰り返してきた人の中には、決められてる勤務時間以外はあまり働きたくないという人もいます。しかし、医師や看護師はチームワークも必要です。勤務時間前なのに、申し送りを始めるなんておかしいと思うのではなく、就職をしたら仕事には必須のこととして受けとめるべきでしょう。
・休憩時間に対する考え方
転職する看護師の中には、これまで数々の病院を経験をしてきて、仕事がとても忙しすぎた…という経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。
仕事が忙しく勤務中の休憩もしっかりとれない、残業は当たり前だったと不満を抱えながら仕事を続けていた人もいるでしょう。そのため、新しい職場では定時出勤と退勤が出来るだけ守られ、休憩時間もしっかりとれる場所を希望し、もっと余裕をもって働きたいと希望する人が多いのです。しかしながら、必ずしもそうはいかないときもあります。
転職求人を出している病院では、看護師の絶対数が不足しており、もっと即戦力が欲しいと切なる願いをもって求人を出している病院も多いです。しかし転職希望者は、そのような病院事情を前もって知る由もありません。そのため、入職してから現実を知ることになるのです。ここは看護師の数が少ない、だから一人一人の看護師負担が大きく忙しすぎる、休憩時間が取れないと現実を知ることになるのです。
では、そのような希望と現実の相違を埋めるためにはどのようにしたらいいのでしょうか。その場合、あらかじめ面接の時にきちんと伝えておくことが大切ですね。休憩時間はしっかり取りたい、また勤務の始業時間がしっかり守られているところがよいと伝えておくのです。転職希望者の中には、こんなことを伝えても大丈夫か、採用されないのではないかと思う人もいますが、理由も合わせて伝えておけば理解も得られるのではないでしょうか。
例えば、仕事の疲れを取るために休憩時間が欲しい、休憩をとることで午後からの仕事へのモチベーションをあげたいということ伝えるのです。ただ自分の要望を伝えるだけでは病棟のシステム上その希望を叶えることは難しいこともあります。
病院というところは、看護師の都合だけで仕事を進めていけるわけではありません。医師との連携やリハビリや検査などの連携、また患者さんの対応もあるので、時間通りに進めていくのは難しいのです。日々の業務量、ケア量によって休憩時間や残業など左右されることも多いのですね。そのあたりは看護師という仕事の責任感を持って対応する必要があるでしょう。日々の仕事が忙しければ、有休をもらったり、時間をずらして休憩をとるなどの工夫も考えることが大切です。
・「ほうれんそう」をしっかり体にしみこませておこう
社会人として基本の一つが「ほうれんそう」です。
ほうは報告ですね。れんは連絡、そうは相談です。これはどんな職業にも共通して重要なことだと言われます。
転職看護師は、これまでの経験があるので「ほうれんそう」は言われなくてもわかるという人は多いのではないでしょうか。しかし、意外とこのほうれんそうが出来ない人が多いのです。これまでの経験があるからこそ。
看護師というのは、患者一人一人を受け持ち、バイタルサインをはかったりケアを行います。病院によって部屋持ち看護師など等の呼ばれ方もしますが、受け持ちであるということは、任されているということ。そのため、責任をもってしっかりと観察をしなくてはいけません。
また受け持ちとは異なり、それぞれの看護師をまとめる役割のリーダーという役割の人もいます。部屋持ち看護師とリーダーが協力して患者の管理を行っていかなくてはいけないため、何か異常があればお互いに報告をする必要があります。
リーダーは医師の指示受けを直接する人でもあり、緊急の検査やカンファレンス、事務手続きなどを調整する役割もあります。急な指示が入り、部屋持ち看護師にお願いすることもあるかもしれません。もしもリーダーに指示されたら、その指示を実践したことを報告しなくてはいけません。そしてリーダーはまた医師に報告するという流れを取るのです。チームワークや連携が必要とされる医療現場だからこそ大切な「ほうれんそう」なのです。
私が経験した事例では、こんなことがありました。転職して入職してきた看護師が独り立ちして部屋を任されたのはいいけれど、発熱した患者さんのことを報告していなかったのです。もしもこの発熱の患者をリーダーがすぐに見ていたら、経験上すぐに医師に報告し対処することが出来たかもしれません。しかしこの時には、部屋持ち看護師がまた後で熱を測って報告しようと判断したのです。しかし、実際は他患者のナースコールの対応等で、発熱患者の再検するまでに時間がかかりました。気が付いて再検したときには、患者の熱は38℃台にあがっていたのでした。それからどうなったでしょう。
リーダーから医師に報告され、そこで採血などの指示が出ました。また術後であったため、感染も疑われました。転職した看護師が直接医師から注意されることはありませんでしたが、みんなが一気にバタバタとする様子を目の当たりにして、その看護師は申し訳ない気持ちとほうれんそうが出来ていなかったことを強く反省したといいます。
就職・転職をした時には、まだ人間関係が出来上がっておらず、報告しにくいと感じることもあるかもしれません。しかし、わからないからこそ大切にしたいことが「ほうれんそう」なのです。
まとめ
新しい職場に入ったら、自分の考えていたことと違うと混乱することもあるかもしれませんね。出勤時間や休憩時間などを事前にチェックしておくことはとても重要です。また人間関係がしっかり構築される前でも、転職したときには「ほうれんそう」が一番重要です。心にとめておきましょう。
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