看護アセスメントのプロセスや注意点

会員登録 ログイン
メニュー
#1784 2022/04/11UP
看護アセスメントのプロセスや注意点
更新情報を受け取る mail このエントリーをはてなブックマークに追加
mail

看護アセスメントは、その後の患者さんの治療や入院生活を左右するとても大切なものです。ですが、この看護アセスメントを失敗してしまうと、患者さんとの関係だけなく、家族や医師、他のスタッフにも迷惑をかけてしまうのですので、慎重に取り組まないといけません。今回は看護アセスメントのプロセスをお話しします。

看護アセスメントは、その後の患者さんの治療や入院生活にかかわるものなので、とても大切です。看護アセスメントは、患者さんだけなく、家族や医師、たの看護師の仲間にも伝えるべき情報なので、これが全ての関係者を繋ぐことになります。ですが、看護アセスメントは、忙しくていい加減にすませてしまってはいけません。次のようなプロセスで進めましょう。

まずはじめにすべきこと

患者さんから情報を集めることが大切です。そこから何をアセスメントしたらいいのか、どんな結論が導き出せるのかふうにすすめます。まず最初に立ち返らないといけないのが、アセスメントの視点です。アセスメントの枠組みは、ゴードンの11の機能的健康パターンや、ヘンダーソンの看護論が基本となります。これらが基本的なアセスメントの視点となります。これらの基本概念に答える形で、アセスメントを進めると、方向性が決まってきます。
具体的には、健康知覚です。 健康管理パターンのアセスメントの視点には「健康知覚(健康についての考え方)は適切か」と「健康管理は適切か」の大きく2つの視点があります。これらの質問に答えていきます。「これまでの健康に関する認識は適切か」「現在の健康に関する認識は適切か」、後者を「健康管理状況は適切か」「安全対策は適切か」に変えて4つの視点を使って答えていきます。アセスメントにまだ慣れないときに、やみくもにアセスメントしようとせずに、必要なデータが収集して、すこしずつ患者さんのことをりかいしていくようにしましょう。

まずは各機能的健康パターンをアセスメントしていく際に、1つずつアセスメントの視点に基づいてデータ収集を行い、その視点に答えるように、患者さんの反応、例えば、人間の反応が適切かどうかを解釈していくのです。患者さんがその反応になった原因、誘因・強み・なりゆきを分析し、最終的には看護問題を明確化していくことができます。このような基本的なステップがとても大切になります。

SOAPの実施することも大切

「SOAP」形式で記載することが多くなっています。情報といえばまず「S」と「O」に分類します。これがなければアセスメントやプランニングは成り立ちません。「S」は主観的データ(Subjective data)で、患者さん(家族のこともあり)が実際に発した言葉となります。「O」は客観的データ(Objective data)で、観察したり測定したりして得られた情報のことをいいます。「A」はみなさんの分析・解釈・評価が書かれたアセスメント、「P」はアセスメントによって挙げられた問題を解決するための看護計画のことです。このように基本的には丁寧に分類していくことで、状況を把握することができるようになります。

情報過多は無意味です

あまりたくさんの情報を詰め込む必要はありません。「とにかく片っぱしから情報をとろう!」という気持ちは、大切なのですが、情報の沼に溺れてしまいます。ケアにつながる情報だけを選別していきます。カルテの情報からどんなことを聞けばいいのかというリストを作っておくと、収集しそびれないかもしれません。どんな看護計画が立てられそうかを予想し、その視点を常に頭に入れながら情報収集するのが有効です。情報はアセスメントにつながる情報のみに厳選した方がいいですね。
まず標準的なケアを理解し、それを受け持ち患者さんに実施するためにはどこをどう変えればいいのかを考えるという方法もいいと思います。それが「個別性」のあるケアにもつながりますよ。

アセスメントがうまく書けない時は

「S」と「O」は書けたけどアセスメントをどうやっていいかわからないということはよくあるものです。アセスメントには「S」と「O」から導くみなさんの思考が表れています。そもそもアセスメントできるだけの根拠となる情報が集められているのか不安に思うのもです。疾患に関する知識は十分持っているか、患者さんは今後どのような経過をたどると予想されるのか、といったことを把握できていることが一番重要なんです。そして患者さんが目指すべきゴールは一つではありません。 その達成に向けて、なぜ今の状態に陥ったのか、なぜ基準値からはずれてしまったのか、といったように、常に思考をサイクルさせましょう。ゴールに近づいていくための課題が1つひとつ見えてくることでしょう。最初はどう書いていいかわからず戸惑うこともありますよね。そういう時は雑誌や文献に書かれているアセスメントを参考にするのもいいと思います。また、グループ内の他のメンバーとデータベースと見せ合いっこしてみると客観的な意見を聞くことができますよ。

診断はどうすれいい?

どうしても迷ったら理論に基づいてその優先順位をつけていきましょう。
マズローの欲求段階説にある「生理的欲求」「安全の欲求」「所属の欲求」「承認欲求」「自己実現の欲求」の順に沿って考えるといいと思います。最優先で考えるのは生命に直結した問題です。それ以降の優先順位は患者さんや家族の状況、病態・病期によって変化していきますから、「今何を必要としているのか」を基準にして考えていきましょう。清拭や陰洗、食事介助、リハビリなど、毎日行なっている援助があるのにそれが問題に挙がっておらず、現状と看護診断にズレが生じていることもあります。「なぜこの患者さんには今このケアが必要なのか」をしっかり考えて診断する。その過程がとても重要なのです

看護アセスメントの基本要素

看護アセス面は次の要素は必ず網羅するようにしましょう。

1.利用者の身体状況(フィジカル/ヘルスアセスメント)

基礎疾患とその経過の確認。要介護度やADLの程度が生活にどのような影響を与えているか

2.利用者の心理状況(ヘルスアセスメント)

どのような心理状態で生活しているか。ストレスや不安、孤独感などを感じていないか。介護者である家族への接し方はどうか

3.生活環境(ヘルスアセスメント)

介護用品が適切に利用・管理されているか。居宅環境にリスクがなく、利用者が快適に暮らせる状況になっているか

4.家族の介護力(ヘルスアセスメント)

介護者である家族の心身の健康状態のチェック。服薬管理や医療処置、介護を適切におこなう能力の有無、利用者との関係性はどうか

情報収集で大切なこと

アセスメントを適切に行うために必要な情報収集ですが、実はその情報収集で欠かせないことがあります。
それは「異常を見つけること」ばかりに注意せず、「異常がわかるよう、その患者様にとっての正常な状態を把握する」ことです。
できるだけ患者様の正常な数値や状態も把握し、また個人差もあるので、その患者様にとって「正常」か「異常」かを常に意識して観察していくようにしましょう。
血圧や体温などの数値的な結果だけではなく、顔色や食欲など色んな視点から「観察」できるようしていくことを訓練していきましょう。判断の材料は多いほど良いです。
医師はずっと病棟にいるわけではありません。患者様にとって病院で一番身近な存在は看護師なので、このアセスメントがとても重要となるのです。

まとめ

このように看護アセスメントがとても重要であることがおわかりいただけたと思います。ですが、看護師は医師のように、病状を診断することはできないので、まわりの情報を集めて、それを客観的にとらえ、整理していくことで、状況を理解することが一番大切だといえます。ですので、病状だけなく、会話や患者の様子、精神状態など、総合的に見る観察力が必要となります。

こんな記事/動画も見られています

 

こちらの本が読まれています

意見をメールする 更新情報を受け取る

バックナンバー

 

【看護師お役立ちコラム】への応募・問合わせ

名前【必須】
電話番号
Eメール【必須】
Eメール(確認)【必須】
問合わせ・応募内容
【必須】

 

Facebook Twitter email
看護師の転職・求人。病院を動画で確認!ミスマッチを防ぎます Pagetop