看護師として入職した新人さん。初めて社会人として就職した方も多いのでは?試験に合格して、夢だった看護師として働く…そんな期待を胸に就職したにも関わらず、人間関係、残業、仕事のミス…もう辞めたいけどどうしよう。辞めるメリット、辞めないメリットを今年看護師4年目になる私の視点でお伝えします。
【辞めずに続けることのメリット】
①できることを増やせる
1年目だとまだまだフォローを受け、見守られながら仕事をしている状態。
病棟によっては、まだ実践したことのない看護技術もいっぱい、採血だってまだ先輩に見守られながらじゃないとできない…ということも少なくありません。
つまり、今は「出来ないこと」の方が多いんです。うまく出来なくて当然、注意を受けて当然です。その分、先輩からのアドバイスも貰えますし、「分からないこと」を「分からない」と言えるのは今の新人のうちだけです。
慣れないうちは仕事のミスも起こすものです。今はそれを先輩がフォローしてくれる時期。責任も先輩と半々。1年目の今が一番守られているんです。新卒1年目はそれくらい大切です。
転職してしまえば、良くも悪くも「経験者」。手厚く教えてもらえる場合も多いと思いますが、ある程度はできるでしょ?働いたことあるでしょ?と扱われる場合もあります。(筆者がそうでした)
②環境に慣れる
やっと就職した職場。ある程度話せる人も増えてきて、この先輩は優しい、この先輩は…ちょっと苦手かも。そんな見極めができてくる時期。
この先輩と仕事するのがストレス…なんて感じて、職場に行くのが憂鬱になりますよね。
職場のストレスで「人間関係」というのは結構な割合を占めると思います。人間関係が良ければ、ちょっと仕事が大変でも、協力しながら、愚痴を言い合いながら、適度に力を抜きつつリラックスして仕事ができるのですが、
忙しさに加えて、人間関係まで悩みの種になってくると、完全に余裕がなくなってしまいますよね。
ただ、それが辛くて退職して、転職したとしても同じリスクがあります。場合によっては、今の職場よりも上下関係がキツかったり、医師が曲者であったり、派閥があったり…
今の職場以上に悪い環境なんて無い!と思えるくらいでないと、少しリスクがあります。
ある程度勤務歴が長くなれば、新しい新人も入職して、先輩方もそちらにかかりきり。
もっと長くなれば、中堅?ベテランに。今の皆さんが「仕事に悩みなんてなさそう」に見えている先輩と同じようになるんです。(実際に悩みを抱えているかどうかは別ですが!)
③自分が悩んだことは後の世代の為になる
今、悩みがあってつらい、辞めたい。そう思うことは新人のうちでは珍しくありません。
先輩方にだって、そうやって思いながら続けてきた人だっていると思います。
自分が2年目、またはそれ以降になれば、新しく新人は入職してきます。その新人さんも、凄く要領が良くて、凄く賢かったり、どこかでバリバリのキャリアナース…でも無い限りは、不安や心配を抱えながら入職してくるものです。
今の自分と同じように悩み、辞めたいと思う日もあると思います。そんな時、力になれるのが「将来のあなた」です。
身近な先輩から昔の辛かった話や、辞めたいと思った話、続けて良かったと思える話などを聞いた時、自分だったらどう思いますか?
親近感が湧きますし、先輩も苦労して来たんだな…と感じると思います。
自分も頑張ろう、と糧にすることもできます。次はあなたがその「身近な先輩」になる番です。
④打たれ強くなる
これは根性論に近いかもしれませんが、新人のうちは怒られてナンボ。それだけ気にかけてくれているということです。何も言われなくなった時が一番怖いです。
怒られて、注意されて当然なんです。そのうち慣れます。
正しいことしか言われていない、自分のことを考えて言ってくれている…と分かれば、キツく言われてもなんとなく受け止められるようになります。そして、なんだかんだ2年目になります。2年目なんだから。もう2年目なのに。と言われることもあると思いますが、1年目の時の先輩方の粗を探すような目、見定めるような目からはある程度逃れられる。それが2年目以降です。
(理不尽な理由で怒られる、パワハラまがいな職場はこの限りではありません!)
【辞めるメリット】
①メンタルの安定
辞めたいと思うほどに強いストレスがかかっている状態は、メンタル的に良くありません。
心身症やメンタル不調など、さまざまな病気にも繋がります。
筆者自身も、1年目に鬱状態の診断を受けて休職の経験があります。
入職当時は良かったのですが、夜勤が始まり、日勤は独り立ち。1人でこなさなければならないことも増えて、その分責任も重くなる。ミスも重なり、先輩からの叱咤も毎日。
辞めたい、辛いと思いながら2?3ヶ月働いた結果、ある日突然起き上がれなくなりました。そのまま病院へ行き、鬱状態の診断。仕事のストレスと判断され、ドクターストップで休職に至りました。今は回復しておりますが、万全の状態に戻るまでには時間がかかりました。
筆者の友人にも、新人時代のストレスでめまい症になって退職した人がいます。
メンタル不調はどんどん進みます。ボロボロと壊れていくように、ストレスは心を静かに蝕んで行きます。そして、簡単には治りません。
辛いと思うのは心のSOSですし、原因を取り除かないとメンタルを崩す一方です。
また、理不尽な理由で強く当たられる、パワハラまがいな被害を受ける、残業が多すぎて疲弊、休めない…と言った明らかに労働環境が悪い場合は、自分の意志だけじゃ改善しません。
そういう場合は、転職を検討するのが賢明です。
②自分に合った職場で、自分に合った仕事ができる
仕事をやめたい。看護師が辛い。でも、資格を取ったなら、看護師自体をやめるのはもったいない…勉強を頑張ってきた皆さんならそう思いますよね。
巷で言われるように、看護師は転職が効きます。クリニックなどは、実務2年などの条件を定めているところが多いですが、ほかの一般病院や慢性期に特化した病院、訪問看護、病院だけでなく施設や高齢者向けのサービスのある場所など、働く場所は様々です。バタバタと忙しなく駆け回る職場もあれば、ゆっくりと患者さんのケアに入れるほどの時間が作れる職場。探せば探すほど、看護師の需要はそこら中にあるものです。自分に合いそうな仕事を見つけて、経験と思って、思い切って踏み出してみるのはいかがでしょうか。
③私生活にも余裕が出る
職場のストレスを家に持ち帰るのは嫌ですよね。かと言って、辞めたいと思うくらいなら、きっと家でもクヨクヨしていることでしょう。
それでは、折角の帰宅後、休みでもリラックスできません。
筆者は、職場のハードさ、ストレスで疲弊し、帰宅後も休みの日もほとんど寝ていました。休職する直前はお風呂にすら入れませんでした(笑)
そんな感じで私生活にもどんどん職場のストレスが侵食し、どんよりと暗い気持ちになったり、疲れが取りきれなかったりしました。
先程にも述べたように、ストレスを取り除く為には、まず原因を取り除かないとダメです。
私生活にも影響を及ぼすような働き方は本来の仕事の目的には反していると思いませんか?
生活をする為に、お金を得る為に仕事をしているのであって、私生活を削る為に仕事をしているのではありません。
良く考えると、明らかにおかしいですよね。
仕事に余裕ができると、私生活も安定します。
ちなみに、残業がハードすぎる職場から私と同期で退職、余裕のある職場に転職した結果…!2人とも恋人ができました(笑)
これはたまたまかもしれませんが、私生活でも何か趣味でもやろう!何か始めよう!という気持ちになれました。それだけ、職場のストレスは私生活を圧迫していたのかもしれません。
④仕事に誇りが持てる
なんの仕事してるの?と聞かれた時に「看護師です」と答えるとしましょう。
「へ?大変でしょ!」「人間関係とか大変そう」と言われること、多いです。
その時に「そうなんですよ?残業が大変で?」「先輩が怖くて辛いです?」と答えるの嫌ではないですか?
自分はこれが嫌でした。
自分が選んだ仕事なのに、自分の仕事の悪口を言っているようで、なんのために勉強してきたのか、なんで看護師になろうかと思ったのか。その全てを自分自身で否定しているような気分になって、悲しくなりました。
せっかく看護師になったのですから、楽しく働きたいですよね。自分の職場を自慢できるくらい、充実して働けたら幸せだと思いませんか?
まとめ
いかがでしたでしょうか。
看護師辞めたい…でもまだ1年目。転職したい。
1年未満はOK?
→場合によりますがOKです!
自分に原因がある場合は視点を変えてみる
(例)「1年目のうちは先輩に迷惑をかけてしまっても当然、これからできることを増やすんだ!」
「2年目になったら新人さんには優しくしてあげよう…それまでは慣れるまで頑張ろう」
といった感じです。
環境に原因がある場合は、自分の意識ではどうしようもできない為、転職を検討する方がベスト。次の職場を選ぶ際は慎重に。でも、せっかくであれば自分のやりたい分野、頑張って働けそうな環境に身を置き、誇りを持って楽しく働けると良いですね。
筆者は休職→転職の経験があります。辞める前に一度休職してみて、ゆっくり休んでからもう一度職場へ戻って頑張るか、転職を検討するか考えても良いと思います。そのための休職制度の存在も知っておきましょうね。自分の履歴書(職務経歴書)や言動をチェックしてみることをおすすめします。
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